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コンピュータ将棋ソフトが苦手な将棋ルール(長さん)

 よく言われる事であるが、コンピュータ将棋は、
入玉ルールが苦手である。日本将棋では、双方が入玉
した際、両方に詰み手順が無ければ、概ね駒の所持状
態により、引き分け勝ち負けを決める。詳しい原因は、
私は未調査であるので、以下は断定ではないが「局面
の評価値の精度で、普通の、玉同士の詰みに向かって
いる局面より劣る」というのが理由、との趣旨の話は、
良く耳にする。そのため、コンピュータ将棋ソフトの、
相互入玉により勝敗が決定する際の形勢の把握は、
普通の玉詰みにより、勝敗が決定する局面での形成の
把握の確度よりも、かなり落ちるため、検索の効果が
落ちるとも考えられる。
 入玉将棋で勝つには、自分の玉守りが、下段で堅い
よりも、中段に拠点ができていて、上段へ玉が進出し
ても、相手から、玉が脅かされない事の方が大事であ
ろうから、形勢の判断材料が、もともと違う。更に、
駒が良く働いているかよりも、そもそも所持駒数が多
いか、少ないかが、勝敗の決定要因なので、それでも、
評価の着眼点が、通常の玉詰めの将棋とは違っている。

 つまり、相互入玉ルール局面では、玉詰めルールの
支配する局面と違って、ディフェンスではなくて、
位を取る事が主体になるだけでなく、駒の有効性が、
重視されなくなる、2重の変化が、一つのゲームの中
に、現れるのである。

 ところで、通常の相互入玉局面の日本将棋とは別に、
ローカルルールで、「トライでも勝ち」という日本将
棋等がある。日本将棋ではローカルルールだが、4×
3の12升目、駒8枚制の「どうぶつしょうぎ」では、
正式ルールの一部である。このルールを、コンピュー
タが苦手とするかどうかは、私は良く知らないが、相
互入玉と違い、玉が前方に脱出できるかが重視の要素
としてだけ加わり、つまり入玉を早くした方が勝ちな、
だけなので、駒取得数の効果は、余り無い”半分相互
入玉要素を持つ”ルールであるとも考えられる。
 以上の2種類のルールは、何も日本将棋等でしか、
取り入れ不能なルールではなくて、シャンチー類を除
けば、各種の新作チェス・将棋型に適用可能なルール
である。ここで本題の、大将棋類ではいろいろ、バリ
エーションを変えて、この2種類のルールをもつ、新
しい将棋ゲームが作れそうである。そして同じ系統の
将棋で、そのような、日本将棋では、マイナーな局面
が、どうぶつしょうぎ並みに頻繁に現れる、新作将棋
ゲーム類も比較的簡単に作れるだろう。よってたとえ
ばその新作将棋で、トライルール無しとトライルール
有りとか、相互入玉ルール有りと無しとかで、コン
ピュータソフト対人間で対局し、勝率が大きく変わる
ようなら、

”局面評価要素が複雑だと機械は苦手である”

というふうに、はっきりと結論が出て来るに違いない。
 局面評価値の精度が、コンピュータ将棋の強さを
決める主な指標かとうかも、私には、はっきりとは判
らないので、断言できないが、もしそうであるとすれ
ば「機械に支配されたくないため、人間が専用でする
ゲーム」では、優勢劣勢の判断が、単純な要素の常数
の組み合わせでは、変化が多すぎて当たらないような、

何か、ゲームの中に工夫の有るような状態を作らない
と、多少駒数、盤升目数を機械的に増やした位では、
作ってまもなくして、ソフトに負けてしまう、という
状況が、単純に繰り返すだけになってしまう可能性も、
絶対無いとは、今どきは言えない

のかもしれないと考える。(2016/12/28)

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