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第75期名人戦第4局と電王戦2番勝負第2局は3~4日差(長さん)

 2017年の人間のプロ将棋棋士、佐藤天彦名人対、コンピュータ
将棋ソフトポナンザの、2番勝負の第2局目は、5月20日に、
姫路城で行われると聞く。実はその間、佐藤天彦名人は、第75期名人
戦7番勝負で対局中であり、その第4局目は、電王戦でポナンザと
戦う、4日前から3日前の、2017年5月16日から17日に行わ
れていた。この事実は、コンピュータ将棋対人間の対局史で、記憶し
て置くべき

人間にとって、たいへん不利な日程であった

と私は、個人的には考える。もともと、電王戦というのは、その初期
には、2017年の対局のように、システム化されてはおらず、ときの
日本将棋連盟の会長、米長邦雄永世棋聖が、単発で、富士通の技術者
伊藤英紀氏が作成した、クラスター型のコンピュータシステムに、将棋
ソフトを実装した、「ボンクラーズ」と対局したのが始まりだった。
なお、こんな事は、2017年の現時点では、書いても当たり前と、
見られるだろうが、100年先、200年先を見越して、この弱小個人
ブログでも、念のため記録して置くことにしたい。
 ところで、将棋プロの米長邦雄永世棋聖が自分で、率先してコン
ピュータ強豪ソフトと対局する少し前に、自身が特任教授を勤められて
いた、北陸先端科学技術大学院大学の、東京のサテライトオフィスで、
自身の対ポンクラーズ対局の、宣伝会のような雰囲気に、私には感じら
れた講演会をされた事があった。
 そのとき私も、のこのこ会場にでかけて行ってそれを聴講したが、
そのとき米長永世棋聖から口頭で聞いた話に、名人として具体的に、
羽生善治三冠を名指しし、

 現時点で日本将棋連盟が名人を、対コンピュータソフト対局に出場
させる事があれば、名人は、他の対局を1年間休業して、コンピュータ
対策をする事になるだろう

と、述べられていたのを記憶している。実際には1年は、米長邦雄元
連盟会長独特の講演話法で、オーバーだと私は個人的には当時から思っ
ていた。だが、さすがに名人は1カ月位は、他の棋戦はやらないで、
対コンピュータソフト対策に、専念するものなのだろうと、話を聞いて
思っていた。それは言うまでも無く、機械に人間の名人が、絶対に
負けるという事があってはならないためと、その時点では、普通に
考えられていたためである。が、現実には、

1年どころか、佐藤天彦名人が対コンピュータ対策として、直前
連続して集中できたのは、今回わずかに2日であった

というのである。どうしてこういう日程で名人戦を、今年はする事
になったのか、私には良くわからないが。名人戦の第3局は今年は、
ゴールデンウィークに行われ、佐藤天彦名人は3連敗は、幸か不幸か
喫しなかったため、第4局の終了時点でも、最悪はカド番であり、
名人位を、失う結果にはなっていなかった。実際には佐藤天彦名人
が、稲葉陽八段を第4局は下して、タイに持ち込んでいる。(これも、
誰もにとって今は当たり前だが、来世紀以降の歴史研究者のために
記しておく。)
つまり、

名人戦第4・5局が、今年は5月末から6月頭程度に、集中して行わ
れる日程で仮にあったとしても、さほどの支障はないように、個人的
には思えるのだが、実際には10日余り、第3局と間を置くだけで
等間隔に、第3局目につづいて、電王戦対ポナンザ第2局の直前に、
対人名人戦4局目が、岐阜県の長良川温泉という、比較的アクセス
にも労力の要る地方で、行われたのである。

素人目には、本来なら対コンピュータソフト対策の、追い込みの
時期にも見える3~4日前に、名人戦7番勝負自体が行われると
いうのは、佐藤名人にとっては、かなりきつかったに違いないと思
える。私は現時点で、

コンピュータプログラムの穴を見つけて、先手番では5月20日に
は佐藤天彦名人が、ポナンザに、必ず勝つと信じている

が、万が一、先手でも大差負けするような場合でも、この日程に
ついては、覚えて置くようにしたいものだと思う。それにしても、
日本将棋連盟の、名人対コンピュータソフト戦の扱い方に関する空気
が、ボンクラーズの時代と今年とで、なぜこんなにも変化してしまっ
たのか。あるいは、人間の洞察力を駆使した事前の対策が、功を奏す
る局面ではもはや無く、棋戦をやりつづける合間に、対局して、
「読みに関して佳境に入った勢い」で、対コンピュータ対局をした
方が、人間にとって有利と、プロの将棋連盟には判断される、時代
に、阿久津主税八段対局の電王戦finalの時代から、佐藤名人の
対局の時代との2年間の間に、あっという間になってしまったという
のか。つまり、現時点では「コンピュータソフトに、穴が有るとは、
考えられない時代」に入ってしまったのか。一昔差にもならない、
初~中期電王戦と、対コンピュータ対局最終期とも聞く、今の電王戦
の取り扱いとの落差は、かくも極端だと、私には感じられるのである。
(2017/05/18)

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