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中世の変則チェスと、中国・朝鮮シャンチー/チャンギ類(長さん)

アラブ・シャトランジの時代に、変則チェスのカテゴリーに入る、駒数
が32枚よりも、かなり多い、チェスの仲間が中東で指されていたとい
う紹介が、法政大学出版・1977年の増川宏一著「ものと人間の文化
史 23-1 将棋Ⅰ」にも載っている。ただし、同書には、それらの
アラブ駒数多数変則チェス類の、ルールの説明までは無い。そして、そ
の流れで成立したとみられる、ヨーロッパ・中世スペインの、12×12
升目48枚制の変則駒数多数チェス類の、グランド・アセドレフという
名のゲームが、岡野伸氏自費出版の「世界の主な将棋」(1999)に
載っている。後者の方には、ルールの説明があり、駒の動かし方が載っ
ている。最大行ける升目が無限大でなく、3升目という金剛の縦横動き
の駒は、走りに近い、比較的ありきたりの駒と私には、思える。しかし
ながら、日本の駒数多数将棋では、余り見かけないタイプの動かし方を
する駒として、

(1)鳥のグリフィンという、斜めに1升移動して、そこから縦横走り
という割り箸走りの駒

と、
(2)キリンの名が当てられた、縦横三升目行ってから、最後の1歩だ
け、斜め向こうに進む

という駒は、日本の駒数多数将棋の縦横が斜めに、途中で変化しない
タイプばかりという、状況とは違う。しかし、たとえば、チャンギの象
は、縦横隣接升目に行ってから、2升目斜めに進むというものであるか
ら、1の2を、3の1に取り替えれば、(2)のキリンといっしょであ
る。つまり、

アラブや中世ヨーロッパの変則チェスには、チャンギの象とかシャンチー
/チャンギの馬のパターンの動かし方をする駒が、しばしばかなり古く
から考えられていた事を示している。話は前後するが、縦横→斜めパター
ンを、斜め→縦横にひっくり返して、チャンギ象の1の2パターンを、
1の∞パターンに変えたのが、(1)のグリフィンである。だから、

(1)のグリフィンも(2)のキリンも、例えばチャンギの象の類で
ある。

何故なら(1)と(2)の両方に、

西洋のナイトや、日本の桂馬には無い、途中の升目は跳ぶのではなくて、
恐らく走らなければならないというルールが、ある

からである。そして、この意味するところは、

シルクロードを東から西へ、逆に辿って、朝鮮半島のチャンギの象とか、
中国シャンチーや朝鮮チャンギの馬の動きが、アラブからヨーロッパは
西の端のスペインまで、だから恐らく、北アフリカの海岸にも、伝えら
れている。

ということであろう。つまり、中国シャンチーの類は、アラブ・シャト
ランジと、密接な関係があるという推定に関する、小型ゲーム類のそれ
ぞれの対応駒の、動かし方がほぼ同じ事とは別の証拠が、上記のように
存在するという事だと、私は以上の現象から、個人的には推定するので
ある。(2017/08/18)

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