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摩訶大大将棋の奔成りには、なぜ例外が有るのか(長さん)

摩訶大大将棋に関する初心者が、ルールの教わりたてに感じると見られ
る疑問の一つに、1~3段目の小駒が、奔駒に成る駒で、概ね占められ
ているのは確かだが、全部そうしなかったのは、何故なのかという点が
有るのではないかと、私は自分の経験上考える。
 この点については、本ブログでは、まとまって居無いが、見解を既に、
個々の駒について述べている。
 ところで奔成りの例外となっているのは、具体的に仙鶴に成る淮鶏と、
蝙蝠に成る老鼠、山母に成る古猿、自在王に成る玉将、王子に成る酔象、
教王に成る提婆、法性に成る無明の七種である。このうち、玉将、酔象、
提婆、無明は、玉駒に近接して逆転を狙うための、特別な成りとして、
我慢する必要が有る。
 また、古猿が奔猿に成らないのは、奔猿が内容としておかしいからで
ある。雲に乗る孫悟空という例外は有るが、猿自体に、すばやく走ると
いうイメージが、無いからだ。そこで、もともと、その頃の大将棋系に、
妖怪駒が有るので、その中でまだ使用されて居無い、妖怪を持ってきて、
山母にしたのだろう。が、妖怪駒は、これで概ね、戦士になれるという
制約を考えると、種切れだったようだ。

問題は、奔鶏や奔鼠でも支障の無いはずの、淮鶏と老鼠の成りをどうし
たのかと言う事

である。これらの成りが奔駒になっていないのは、この2種の駒に限り、

摩訶大大将棋の作者が、中国の故事に対して知識があったために、特別
な成りになった

ようだ。すなわち主人が大成して、空を飛べるようになった淮南子の鶏、
古蜀のホトトギス(時鳥)のイメージに合う元駒としての、無精ひげを
はやし、しょぼくれた王様の姿の老鼠を、鶏と鼠として導入すれば良い
と、たまたま中国の故事に知識が有るため、摩訶大大将棋の作者が気が
ついた。そこで、それぞれ対応する故事に、ちなんで、淮鶏の成りを
(淮南子の)仙人の鶴、老鼠の成りを、古蜀の王様が化身した、ホトト
ギス(漢字で”時鳥”)に決めた。以上の経緯で、このような、元駒と、
成りの組み合わせになったというのが、本ブログの、これらの駒の例外
成りの、理由に関する従来からの見解である。
 なおそれとともに、安土桃山~江戸時代の古文書の記載と異なり、

大大将棋の老鼠の成りの、古(蜀の国の)時鳥が、摩訶大大将棋の元も
との、老鼠の成りであり、現時点で古文書に記録された、摩訶大大将棋
の”蝙蝠成り”は後に入れ替えられていると、本ブログにおいては見て
いる

点にも注意してもらいたい。
 つまり、むしろ大大将棋の老鼠の成りの名前が、動かし方の様子から
見て、本来”蝙蝠”であり、大大将棋が成立した時に、

大大将棋の老鼠の成りと、摩訶大大将棋の老鼠の成りは、前者の方が、
成立が先であるかのように、見せかけるために意図的に、名前だけ入れ
替えられ、改竄されている

と、前に経緯を述べたが、本ブログでは見ているのである。
 何れにしても、もともと摩訶大大将棋では、十二支駒を増やそうとし
たのだが、鼠と鶏は、そもそも戦力になりそうもなく、本来将棋の駒名
としては、加える事自体が、クエスチョンであったと見られる。そこで、
摩訶大大将棋の作者は、鼠と鶏を入れる口実を、主に見つけるために、
あれこれと考えた結果、中国の故事を持ち出したのであろうと、私は考
える。
 今回の議題は、いままでの本ブログの内容から、自明に導き出せ、
内容がやや軽いが、以上までとしておく。(2017/12/06)

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