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仮説8升目32枚制大理国平安小将棋、馬・車も一枚ならどうなるか(長さん)

少し前に、原始平安小将棋は、標準型の9升目制の平安小将棋から、
金を一枚除いたものであり、8升目32枚制の大理国平安小将棋の
銀と象が交換改ざんされたものであるとの旨、私見を述べた。逆に
言うと、8升目制の大理国平安小将棋は、玉将・金将・銀将・象が、
それぞれ、双方とも一枚づつあり、馬・車が、標準型同様、2枚づつ
あった事になる。
 このような駒構成の将棋を見れば、少しでも関心の有る方なら、

では、玉将、金将、銀将、象、馬、車が、いっそ全部1枚づつの、
6×6升目制の、取り捨ての将棋なら、どうなるのだろうか

と、考えるのではないだろうか。そこで私は、前に鯨将棋をチェック
するのに作成した事のあった、6×6升目盤を使って、今述べた、
取り捨て型、24枚制将棋を、最近チェックしてみた。結果、

平安小小将棋.gif

上の写真の、6×6升目24枚制の取り捨て型の将棋は、比較的
ゲームとして、出来の良い方になる

のではないかと、いう結果になった。なお、酔象駒は、写真では、
ルールが間違えにくいので、角行で代用している。だからこの角行は、
不成りである。ざっとチェックした限り、このゲームは、8×8升目
制の32枚制原始平安小将棋(取り捨て)に比べて、少なくとも、

指し方が単純にはなっていない

ように私は見る。
 すなわち開始後、香車先の歩兵を突いて、後手の銀と桂馬を攻める
手が、先手の手として直ぐに思い浮かぶが、この攻めは、結果として、
先手が後手に対して、さほど有利になるように、局面を変化させない。
 つまり、▲1四歩△3三歩▲1三歩△同歩▲同香△2三桂▲2四歩
△3五桂成▲同金と9手進むと、いっけん後手の桂馬が死んで、先手
が駒得になったようにも思えるのだが。その後△3二銀▲1二香成の
11手目までは、先手の攻め勝ちかと、一時思われた後、△2三歩
▲同歩△同銀▲1三香△3四銀▲1五金△6三歩の18手目の局面で
は、後手が中央部を、いつのまにか大きく制圧していて、後手やや優
勢になって、しまっているのである。

18手目.gif

つまり、自明なように見える、

右端の香車先の歩兵突きの手が、序盤の最善策に、どうやら、なって
いない将棋

に、この将棋はなっているのである。たぶんこの性質が有るだけでも、

この駒数クラスの取り捨て将棋としては、相当に出来の良い方

なのではないかと、私は思う。今回は、以上の事実の確認に留め、で
は実際に、大理国か日本の興福寺で、この6升目型のゲームの存在に、
気が付く可能性が、有ったのかどうか等、将棋史との関連については、
少し考えてから、次回以降に論じたいと考える。(2018/02/19)

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