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鳥獣戯画の遊戯図は、6×6升目24枚制寺院型平安小小将棋か?(長さん)

十六ムサシの遊戯図とも、(小)将棋を指す場面とも言われる、表題の
鳥獣戯画の遊戯図は、升目の数”7×7程度の将棋を指しているように
見える”という説が有力である。他方、前回このブログに於いて提案し
た、6×6升目24枚制寺院型平安小小将棋(取捨て型)、以下略して、
寺院型平安小小将棋は、6×6升目盤となるため、鳥獣戯画の遊戯図の
盤升目に近いものである。そこで今回は、鳥獣戯画の遊戯図のゲームは、

見ようとして見れば、6×6升目の寺院型平安小小将棋に、見えるのか
どうか

を、論点とする。回答を書くと、

取り捨てた駒の一部が、盤の端の直ぐ外に、散漫に置かれていると見る
と、6×6升目の盤の将棋の類にも見える

という結論になった。
 実際の絵では、駒らしき物体は複数描かれているが、個々の駒の種類
は、全く判らない。

鳥獣戯画元.gif

そこで、6×6升目の寺院型平安小小将棋を、仮に指していると仮定し、
駒様の物体の分布パターンから、比較的近い棋譜を割り出すと、以下の
ような写真の、将棋局面のようにも、一例として見えるようである。
なお、前回も述べたが、手を考える所で、ルールを間違えないようにす
るため、酔象(興福寺出土駒ルール)を、角行で置き換えている。ただ
し、この角行酔象は不成りとする。

鳥獣戯画.gif

写真で、盤の向きは、鳥獣戯画の絵に、だいたい合わせていて、玉側が
先手、王側が後手である。つまり右が先手、左が後手である。鳥獣戯画
では、先手を”鼻の丸い”僧侶のような人物が、後手を”小柄な(定説)
女性”が持っている。その他見物の僧が、2名描かれている。3人目は、
次のページに、戯画が続くことを示す、漫画の挿入キャラクターに当た
る人物らしい。そして、定説で7升目に見えたのは、

先手が右袖に、写真のように取った駒をたまたま、何枚か、置いている
からだ

と解釈するのである。すると、線は8本ではなくて7本になり、升目は
7升目ではなくて6升目になる。
 なお、実際の鳥獣戯画では、後手が着手中の瞬間で、なぜか自分の駒
をずらして移動させ、同時に相手の駒を取って、持っているところが、
描かれていると私は見るのだが。戯画の画面は、その着手が完了する、
直前で、相手の駒を持ちながら、手を引いていると見られるところと、
ここでは解釈する。
つまり鳥獣戯画では、写真の後手の

6四位置の歩兵を”△5四と”と、移動させる手の途中が描かれている

と考える。つまり後手はその手で、先手の5四位置の銀将が、排除される
手を、指しているのである。なお、後手の女性の腕に隠れて、1二位置の
成香は、戯画では描かれて居無いと、ここでは解釈する。△5四との前の
手は、”△6四と”と、と金が引かれ、ついで▲5四銀(5五)と進んだ
ものと、推定される。つまり、写真は”▲5四銀(5五)までの局面”で
あり、戯画では”△5四と”と、先手の銀を後手が、取り去ったのである。
 この将棋では、先手の鼻の丸い僧侶が、香車先の歩兵を突いて、
後手の小柄な女性の左辺を荒らしたが、攻めきれず、小柄な女性が、
前手の左辺から、攻め返した所のように見える。
 つまり問題の鳥獣戯画で、なんとなく、

駒の分布が、手前に偏っているのは、先手が先攻めして、絵の向こう側の
駒が、捌かれているせいである

と、一応見たという事である。
 なお、この局面では、後手の小柄な女性の、残りの駒数が少なく、こ
こでは後手が、やや劣勢のようにも見える。が、女性の目論みが正しい
とすると、このあと△5四と▲同桂△同金▲1一酔象△2三玉▲2一成香
△1二玉▲3三酔△2一玉等と進んで、後手の劣勢は、さほどでもないと
も見られる。そのためこの局面は、先手の鼻の丸い僧侶の、あるいは
”終盤近くの長考所”、なのかもしれない。
 むろん、ここで示した写真は単なる一例であって、鳥獣戯画のゲーム
を完全に、特定したものでは、むろん無い。しかし少なくとも、前回ネー
ミングした、6×6升目24枚制平安小小将棋を、鳥獣戯画の遊戯図の、
登場人物の職種からみて、

寺院型平安小小将棋という名称にしたのは、一応は的確であった

と言えると思う。つまり、ゲーム名称決定の、具体的な根拠を示したこと
には、一応なっているように、思われるという結果である。(2018/02/21)

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