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桂馬と香車。桂馬は四人制チャトランガ。香車は宝応将棋起源(長さん)

最近、大阪電気通信大学の高見研究室の、摩訶大将棋のブログに、
将棋の外国産説のうち、日本に来てからの変化が少ないと、本ブログで
は見る桂馬と香車の外国起源説について、「古文書のサポートがない」
との指摘があるのに、私は気が付いた。これについては結論を述べると、

事実とは異なっており、有効な批判ではないとの立場を本ブログは取る。

 ちなみに、日本の将棋が外国からの伝来であっても、馬が八方馬、
車が飛車で伝来したとの論をとれば、高見研究室ブログの批判は免れる。
日本に着いてから、ルール変化が少ない論をとるという場合にだけ、
問題になるとみられる批判である。
 そこで何れも、前に本ブログでは紹介したが、サポートする古文書名
を書くと、以下の通りである。

馬が桂馬の例:インド四人制チャトランガに関する「南インドの
クンティ王の王子ユディヒシュティラと、ヴィアーサの問答形式文書」
これにより、四人制時代のインドチャトランガに、桂馬動きの馬駒有り。

車が香車の例:中国唐の時代の政治家、牛僧儒の「玄怪録」。将棋を記
載した物語に出てくる、仮称「宝応将棋」の輜車の動きが、香車である。

なお、これらは、桂馬については、原文の日本語訳が、成書、ものと人
間の文化史、”チェス”の第二章「チェスの起源」に載っており、この
記載から解読して、将棋史家の増川宏一氏が、同じく、ものと人間の文
化史23-1「将棋Ⅰ」(法政大学出版局)で、

四人制チャトランガの馬は、桂馬の動きである

と、指摘したとみられている。四人制チャトランガでは、初期配列の
利き升目から、桂馬が端筋にあると推定される事、端の歩兵が、その筋
で成ろうとしても、ドン詰まりで「ガーター駒」になる事から、四人制
チャトランガの馬は、横や後ろに動けないと、推定できるからである。
 また、香車の動きを説明した、玄怪録の日本語訳は、これも成書の、
木村義徳氏の「持駒使用の謎」(2001)日本将棋連盟発行が、最も
判りやすいように思える。こちらは、輜車が、そのまんま香車である。
従って

将棋の外国からの伝来説論者は、以上の古文書や、その解説書を使って、
将棋の外国からの伝来説を展開する事が、現在容易に出来る状況にある

と私は認識する。以上の事から本ブログでは、桂馬および香車の外国か
らの伝来説について、

対応する古文書が無いとの高見研究室ブログの指摘は、明らかな間違い

であると、考えるのである。(2018/04/21)

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