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大大将棋の五段目動物駒。虎豹熊狼猪牛は、全部大理国の闘争動物(長さん)

大大将棋は、六段目が歩兵列の17升目192枚制の駒数多数系の日本
の将棋である。前から、歩兵の直ぐ下の段に、猛の付く動物駒が固まっ
ているのが、前から気になっていたが、土司の名から、中国雲南省が昔、
日本では、猛の国と考えられた疑いが出てきたため、大大将棋の動物駒
へは、個人的に更に注目するようになった。
 なお、大大将棋の五段目の配列は、端列の車駒が、左辺は左車、右辺
は右車に、なっている以外は、左右対称であって、たとえば右辺につい
て、中央から駒を並べると、次のように配列されている。

前旗、猛虎、猛豹、猛熊、悪狼、嗔猪、猛牛、横行、右車

つまり、前旗と袖の横行、右車以外の6種類の駒が、動物駒であって、

大大将棋の五段目は100%、中国雲南省で唐代以前に出土の造形物に、
闘争動物として彫刻された、動物種で占められている。

 これだけでは、意図的かどうかは謎なため、大大将棋の他の段の動物
駒をリストアップすると、次のようになると見られる。(ただし四神は、
入れない。)

奇犬、香象、白象、水牛、馬麟、変狐、変狸、猫叉、行鳥、踊鹿、飛龍、
老鼠、盲猿、獅子、狛犬、古鵄、毒蛇、奔獏、龍王、龍馬、

以上20種類位である。
 このうち、雲南省の造形物で闘争動物種として入ると疑われるのは、

水牛、行鳥、踊鹿、盲猿、毒蛇の、せいぜい5種程度である。つまり、

大大将棋の五段目以外は25%(1/4)だけ、中国雲南省で唐代以前
に出土の造形物に、闘争動物として彫刻された、動物種で占められてい
るだけである。なお、水牛、行鳥は、やや不鮮明であって、確実なのは、
踊鹿、盲猿、毒蛇の3種類だけ。しかも本ブログでは毒蛇は、猛鷲の設
定の、し直しの疑いを持っているので、踊鹿、盲猿だけが確実で、十分
の一、つまり10%程度しか、闘争動物を、その他の段に入れてい無い。
以上の結果から、

やはり、大大将棋では、五段目の動物種の設定が、意図的に、闘争動物
だけを選んでいる

と、言えるのではないかと、私は考える。
 そもそも大大将棋は、1~3段目の駒が、全部互い違いに、左右非対
称に配列され、本ブログの言う、本当の大理国原始平安小将棋の一段目、

香車、桂馬、銀将、玉将、金将、酔象、桂馬、香車

配列と類似の、非対称配列になってもいる。従って、私に言わせると、

やはり大大将棋は、大理国の将棋風に作られたもの

のように見えると言うわけである。
 なお、この将棋は本ブログの見解では、

戦国時代の末期から、安土桃山時代の初期に作られた、水無瀬兼成の
将棋纂図部類抄の中では、水無瀬自身の作とみられる、泰将棋に次いで
新しいもの

である。なお以上の点を、泰将棋は、真似て居無い。従って、

”日本の将棋は、中国の雲南省から伝来したものである”との、
将棋史に関する記憶は、最も新しいという意味での、上限を取ると、
恐らく西暦1590年の天正の頃までで、消えたものとみられる

と言う事になるのだろう。ちなみに、大大将棋には酔象が無い代わりに、
香象という、いっけん意味不明な駒種を、それよりはずっと、もっとも
らしい白象とともに、加えている。なお、酔象を抜いて白象を入れたの
は、平安大将棋に酔象が無いのが、酔という修飾詞が不適切だったため
という本ブログの推定と、対応していると見られる。平安大将棋にも入
れる事のできるような、象駒を、大大将棋には入れたとの、自負が、
大大将棋のゲームデザイナーには、あるのかもしれない。また、

香象から、本ブログの推定では、中国側(北宋交易商人の周文裔か?)
が、西暦1015年に持ってきたが、日本側(結果として、後一条天皇)
には引き渡さなかった、象駒が、香木でできた彫刻品である事を、示唆
しているともとれる

ように私には思える。
 つまり、駒造りに於いては、水無瀬兼成のまねはできないが、

大大将棋は、将棋史については、水無瀬兼成よりも更に詳しかったらし
い、公家か僧侶の習字の師匠等によって考案されたもの

と、考える事ができるのかもしれないと、私は推定するようになったの
である。(2018/04/27)

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