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15升目後期大将棋の作成時、増分に小駒の飛龍を当てたのは何故(長さん)

本ブログでは、西暦1350年頃までの、普通唱導集大将棋では、
13升目制であり、歩兵下の第3段目は、
飛車、横行、堅行、角行、龍馬、龍王、奔王、龍王、龍馬、角行、
堅行、横行、飛車の13駒であったと考えている。これらは全て
走り駒である。ところが後期大将棋では、13升目から15升目へ、
升目数が小将棋(9升)と中将棋(12升)からの等差数列の外挿
で、2升目増えたが、増えた列の前段に、走り駒、たとえば横龍を
入れるなどして増やすことはなしに、2升目跳駒類である、比較的
弱い、飛龍を挿入して、並びを増やしたと考えている。すなわち、
15升目制の後期大将棋の歩兵下の第4段目は、次のようになった
のである。

飛車、飛龍、横行、堅行、角行、龍馬、龍王、奔王、龍王、龍馬、
角行、堅行、横行、飛龍、飛車で15升目。

今回の論題は、2升目増やすときに、敢えて適宜、新しい走り駒を
考えずに、何故飛龍で済ましたのかを、ゲーム性能の観点から考察
する事を論題とする。すなわち、たとえば後期大将棋の4段目が、
飛車、横龍、横行、堅行、角行、龍馬、龍王、奔王、龍王、龍馬、
角行、堅行、横行、横龍、飛車で15升目にならなかった結果、
以下のような初期配列には、ならなかった理由を、考える事という
事である。

口口口口口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人口口口口口口口口
歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
飛車横龍横行堅行角行龍馬龍王奔王龍王龍馬角行堅行横行横龍飛車
口口飛龍口口嗔猪口口猛牛麒麟獅子鳳凰猛牛口口嗔猪口口飛龍口口
反車口口猫叉口口猛豹口口盲虎酔象盲虎口口猛豹口口猫叉口口反車
香車桂馬石将鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将石将桂馬香車

なお、後期大将棋は、結局以下のような初期配列になり、酔象が太
子に、麒麟が獅子に、鳳凰が奔王に成るだけの将棋だと言われる。

口口口口口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人口口口口口口口口
歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
飛車飛龍横行堅行角行龍馬龍王奔王龍王龍馬角行堅行横行飛龍飛車
口口猛牛口口嗔猪口口悪狼麒麟獅子鳳凰悪狼口口嗔猪口口猛牛口口
反車口口猫叉口口猛豹口口盲虎酔象盲虎口口猛豹口口猫叉口口反車
香車桂馬石将鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将石将桂馬香車

なお、元になった普通唱導集大将棋は、本ブログでは以下のような、
108枚制の将棋と仮定されている。

口口口口口口仲人口口口口口口口口口口仲人口口口口口口
歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
飛車横行堅行角行龍馬龍王奔王龍王龍馬角行堅行横行飛車
反車飛龍嗔猪猛牛猛虎麒麟酔象鳳凰猛虎猛牛嗔猪飛龍反車
香車桂馬鉄将銅将銀将金将玉将金将銀将銅将鉄将桂馬香車

並びは、麒麟や鳳凰の横に居た猛牛が、端から2列目へ移動しない
ので、後期大将棋よりも、横龍の有る仮想の大将棋に、やや近い事
が、良く見てもらえれば判ると思う。
 では、以下に結論を書く。

猛牛の動きとして、”新型踊り”が発明できたので、飛龍を2列目
に持ってくれば済むことに、後期大将棋のデザイナーは気がついた
から

だと考えられる。なお、ここで”新型の踊り”とは、歩みを2回繰
り返す動きに加えて、自分の駒を飛び越す事もできるという、

大阪電気通信大学高見友幸氏の”踊り”の定義が本当に正しかった

という事を、意味していると言う事である。それに対して”旧式の
踊り”とは、歩みが2回繰り返されるだけなので、自駒は飛び越せ
無いし、相手の越える駒は、必ず捕獲しなければならない、踊りの
事である。
 では、以下に以上の結論につき、説明を加える。
 普通唱導集の13升目型の大将棋から、飛龍が、端から2列目で
四段目に居る、後期大将棋に移行すると問題になるのは、

2列目の4段目を飛龍にすると、飛龍が走るでも跳びでもとちらで
も、斜め動きになるため、頭の歩兵が離れ駒になる事

である。そのため、この列は飛龍ではなくて、前と横に走り、後ろ
に一歩後退できる、横龍の方が、デザインが実は簡単なのである。
所が、横龍という駒を考え出すのも面倒な上に、後期大将棋への、
やや将棋が大きくなる変化とは反対に、同じく普通唱導集大将棋を
起点にして、1升目小さく変化する

中将棋の方が後期大将棋よりも先に発生し、酔象が7方向動きに変
化するという事が先に起こった

と、本ブログでは考える。その結果、酔象との対で猛牛の動きを、
決めなければならない”縛り”が消失し、猛牛の動きは、シャンチー
象の塞象眼をもつ走り型から、跳び越え型にしても良くなったと考
えられる。
 なお、中将棋は言うまでも無く、次の配列である。

口口口口口口仲人口口口口口口口口仲人口口口口口口
歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
横行堅行飛車龍馬龍王獅子奔王龍王龍馬飛車堅行横行
反車口口角行口口盲虎麒麟鳳凰盲虎口口角行口口反車
香車猛豹銅将銀将金将玉将酔象金将銀将銅将猛豹香車

また、中将棋の発生と同時に、麒麟が跳び駒となり、猛牛は後に、
水無瀬兼成が将棋纂図部類抄が示唆しているように、鳳凰と飛龍と
の関係と同じ論理で、言わば”麒麟飛越不如猛牛”に、できればす
る必要が発生した。
 この室町時代早期に起こった、ゲームルール上の変化から、大阪
電気通信大学高見友幸氏の言う、猛牛と飛龍の大阪電気通信大学式
”踊り”の動きが発生したと、本ブログでは見ている。その結果、

後期大将棋で端から2列目に、新型踊りでは対駒になった、飛龍と
猛牛を、それぞれ4段目と3段目に並べると、猛牛が、大阪電気通
信大学方式の踊り駒になったため、飛龍の前の歩兵に、繋ぎ駒が
出来るようになった

事になる。そのため、元々平安時代の大将棋系では、飛龍は2列目
であったため、その配列が生かされて、かつ新たな対駒の新猛牛が
普通唱導集大将棋の2段目4列目から3段目6列目へは行かずに、
3段目2列目に移動し、後期大将棋になった

と、本ブログでは見る。つまり、

大阪電気通信大学高見友幸氏の言う、踊りのルールが、少なくとも
後期大将棋の成立時には発明され成立したために、猛牛を後方すぐ
の升目に配列した飛龍列を、端第2列目に作る事が、可能になった

と、本ブログでは見るという事である。
 後期大将棋でも同類と、ここでは見る摩訶大大将棋でも、いきな
り只取られる歩兵が存在するという陣の傷は、初期配列を決めると
きには、なるべく排除されたとみられる。それが、後期大将棋では、
猛牛の駒の動かし方ルールの変化であり、摩訶大大将棋では、堅行
の袖側の隣升目に、本来の横行ではなくて、新たに作成した横飛を
置いている理由のように、私には思えるのである。(2018/08/16)

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