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クレイジーチェス(ハウス)の一種を本ブログも試作してみる(長さん)

前に、中将棋の持ち駒将棋化は、獅子に関する特別な規則の有る、
獅子の攻撃力が強すぎて攻守バランスが取りにくい事、後期大将棋
の持ち駒将棋化は、袖の小駒の駒余りのために、やはり良いゲーム
を作るのは困難であると述べた。
 以上の印象からだと、既存の取り捨て将棋型ゲームには何か、
持ち駒ゲーム化に、難が有るというように見えるかもしれない。
そこで、今回はクレイジーチェスの存在で有名な、西洋チェスを、
持ち駒ルールにしてみて、以上の疑念を晴らす事にした。
 なお、不完全な情報により、クレイジーチェスは、単なる従来の
チェスへの、持ち駒ルールの導入と聞いている。たぶん、そうする
と、攻撃力が防御力に対して強くなりすぎて、ゲームとしては全然
駄目なのは明らかだ。そこでここでは、そのような先行例が、ある
事は有るとして、実際の対局の様子の紹介は、特に控えることにし
よう。
 下の写真を、最初に見た方は判ってしまったかもしれないが、
1.個別の駒の成りのルールを、日本の将棋並みに複雑にする事
2.持ち駒ルールの将棋は、敵味方が駒の色で区別されておらず、
 駒の向きで、それを示した方が使いやすいため、

以上の1と2の理由から、日本の将棋駒をチェス盤に置いてテスト

している。
 結論から述べると、

中将棋や後期大将棋と異なり、西洋チェスには、持ち駒ルール化
する旨い手が有り、大成功

だった。タネも最初から明かしてしまおう。

クイーン・ビショップ・ナイト・ルークという名の元駒を、それら
の成りの駒、に事実上移行させてしまい、それらの駒の動かし方の
ルールを成り駒とするような、元駒を初期配列にもってきて、元駒
の性能を大きく減少させ、持ち駒ルールの導入による、攻撃力の大
きな増加を、打ち消してしまうという方法

があるのである。なお、そうすると本物のチェスと違って、ポーン
以外にも成るので、日本将棋の駒で代用した方が、いっそう便利に
なる。ともあれ。
 駒の動かし方のルールを、具体的に示した方が判り易いだろう。

キングは、玉将と同じだから、そのままとして。
クイーンは、奔王の動きであるから、奔王に成る鳳凰に置き換える。
ビショップは角行の動きであるから、角行に成る猛豹に置き換える。
ナイトは八方桂で苦しいが、和将棋・大局将棋の天馬の動きを、
八方桂に変えた上で対応させ、天馬に成ると称する、風馬と、
元駒ナイトを置き換える。
ルークは飛車の動きであるから、大局将棋の飛燕が飛車、和将棋の
燕羽が燕行に成るのに対応している。また、後者のケースは、飛車
と通称してしまいそうだが、正式な成り名は、燕行に直す必要があ
る。ただし燕行の名は馴染みが薄いという理由で、以下の説明では、
燕行を飛車で代用する事がある。なお写真で飛燕の動きを、本当は
羊兵であるが、今回は横行と、うっかり、勘違いしてこっちを使っ
てしまった。そのため、間違った横行動きの元駒を”飛燕”、成り
を”飛車”とした。写真も間違えているので、本当は”飛燕”では
なくて和将棋・大局将棋の”燕羽”が正しい。
ポーンは、2段目からの2歩動きは止め、ほかの点は西洋チェスの
ままにして、本当は犬兵という名前にする予定である。写真では、
指すとき、間違えないように注意しながら、歩兵のままにしている。
なお、初手2歩動きは無いので、経過捕獲は無しにした。クレイジー
チェス(ハウス)の、ポーン打ちルールと動きのルールは、犬(兵)
の名からは、想定し辛い”過重な複雑化”と、日本将棋の方が慣れ
た私は、個人的に、テスト段階では見た為である。また”底犬”も
打てないと、余り面白く無いとみた。すなわち”猛豹斜め下の底犬
は、岩より堅し”という格言は、無いより有った方が、面白いので
はないのだろうか。また犬兵の成りは、犬の成りが雑将(ぞうしょ
う)のため、金将ではなくて、そちらに変えた。ルールは、複雑な
ため、風馬といっしょに、後でまとめて書く。

以上の事から、初期配列は、以下の写真のようになる。手前が元駒
で、向こう側が成りである。なお、西洋チェスは、日本将棋と異な
り、点対称ではなくて、線対称に配列する。(後で写真を見たら、
誤って手前が後手、向こう側が白番先手になってしまっていた。)

クレージチェス.gif

つまり、こうすると、標準的なクレイジーチェス(ハウス)と違い

駒の性能が、全体として大きく減少するので、攻守のバランスが、
完全に取れる

のである。特に横行動きの、燕羽(飛燕と写真では表記)の、守り
の力が大きい。
 こうした上で、今回は、

最奥の段で、日本将棋と同様に成るという成りのルールを導入

すると同時に、打ち歩詰めと、行き所の無い地点での駒打ちを禁手
として、

日本将棋流の、強い持ち駒ルール(二歩またはニ犬は禁手にしなかっ
たので、更に強い)

を、クレイジーチェスの類として当然ながらそのまま導入してみた。
 なお、西洋チェスでおなじみの、
キャスリングは、玉将と燕羽(写真では飛燕と表記)の間で、同一
ルールで出来るとした。持ち駒チェスでは、囲いの中に簡単に移動
出来るようになる効果の事なので、通常のチェスよりも、
キャスリングが出来る影響は、更に大きい。
 スチールメイトは、持ち駒ルールなので、起こらないと見られる。
引き分けのままにした。

ところで、以上の説明では、風馬と、この将棋での雑将のルールの
説明が抜けている。

風馬は、大局将棋の風馬のルールと類似の、前走り、斜め前歩み、
後ろは隣升目へも移動でき、かつ今回は、1升目置いて向こうへも
跳べる”跳び越え駒”とした。
雑将は、前後は反車の動きだが、反車と異なり、相手の駒は取れず
に、移動できるだけ。斜め前は奔石のように走るが、相手の駒を取
るときだけ、動けるとした。後ろへ相手駒を取らない移動が出来る、
走るポーンとしている。この動きは、大局将棋の雑将の前後と斜め
前の4方向走りルールと、一応近似している。成ってクイーン化
するポーンは、持ち駒ルール化すると、明らかに攻撃力が、強くな
りすぎるので、このように調整した。

 以上のルールで、このクレージーチェスを一局指すと、以下の
終局状態になった。

クレージ終局.gif

 向こう側の先手(白)が逃げ間違えて、この局については詰んで
負けた。

 攻守バランスに関する結果をみると、

守備力が、ポーン打ち数ルールに制限が無い分、やや過多

だった。

一列に2つは無論、3つ以上でも犬兵が並ぶように指しても良いが、

持ち駒の犬兵を打つ、犬打ちのときだけ、三枚以上自分の側につい
て縦並びになるケースは打てない

特別な”三犬打ち”を禁手にすると、明らかにこのゲームは、攻守の
バランスがちょうど良い

事が判った。
 つまり、

西洋チェスに関しては、個別の駒の動かし方ルールが、元々強化さ
れるように進化したと、誰の目にも明らかなので、それを後戻りに
弱体化した上で、持ち駒ルールを導入する口実が、自明に存在する。

そのため、

持ち駒ルールの有るチェスは、作る事がさほど困難ではない

という事である。少なくとも中将棋で、持ち駒ルール版を作れない
のは、

獅子が強いが、たまたま攻撃力を相対的に守備に対して弱くする、
具体的口実が、簡単には見つからないため

だけだとみられる。(2019/01/22)

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