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将棋六種之図式大大将棋。項目名が図版の題より後なのは何故(長さん)

以下はオリジナルの江戸時代の将棋書、将棋六種之図式では
なくて、近代に雑芸叢書に収められた、将棋六種之図式の
大大将棋について問題にする。内容は、”○大大将棋
 縦横各17目 駒数192枚”という、この書籍の構成で
言うセクション名が、図版の説明”大大将棋図式”より後
(下部)に記載されているのは、どうしてなのかという点で
ある。

雑芸叢書大大.gif

 問題にする事柄の内容を説明すると、将棋六種之図式には、
セクション名が六個あり、
”○小将棋 縦横各9目 駒数40枚”等が、セクションの
題字になっている。そしてその次に、場合により文面で説明
があって、更にその途中で、実際にその図はないが、例えば
で言うと、”小将棋図式”と言った感じの図版の題がある。
なお、実際の図版は将棋六種之図式では、小将棋図式と、
中将棋図式については省略されている。実際の図版そのもの
は、その直後に記載されている。内容は、盤升目の中に駒の
名前を書いて、初期配列で並べた図(相手側に、おもて面。
自分の側に、成り面の駒名を書く等している)という、
水無瀬兼成の将棋纂図部類抄と、似た表現方法のものである。
 こうした、”○○将棋図式”という題目の図が、メインで
存在して、更にケースバイケースで、後付けの説明が有って、
六種の将棋各々、一ゲーム種の説明になるという、構成に
大大将棋以外はなっているのである。

少なくとも、セクション名の前に、その内容の一部である、
図版の内容表題が来るのは、通常の書籍の構成としてもおか
しい。

ではなぜ、雑芸叢書に収められた将棋六種の図式の大大将棋
は、このような表現になっているのかが、今回の論題という
事である。
 回答を先ず書いて、説明をその次にする。

雑芸叢書に”将棋六種の図式”を収めるときに、雑芸叢書の
編集者が間違えた

との見解を、本ブログでは取る事にする。すなわち、

○大大将棋 縦横各17目 駒数192枚
  大大将棋図式
(大大将棋の盤に各駒名を並べて書いた、将棋図式の図)

と表現すべき所を、行が詰まっていたか、何らかの理由で、
実際にはこのケース、
大大将棋図式 ○大大将棋 縦横各17目 駒数192枚
(大大将棋の盤に各駒名を並べて書いた、将棋図式の図)

と、適格でない表現にしてしまったと、考える。
 では以下に、大事な点を最初に書くよう注意しながら説明
する。
 本ブログの、このページに関しては、

なぜ、こんな事を問題にするのかを、まず明らかにすべき

であろう。
 このページよりも、さほど時間差の無い少し前に、
大阪電気通信大学の高見友幸研究室の”摩訶大将棋のブログ”
にて、

比較的良く知られた、駒数多数将棋の古書に、大大将棋に関
して(だけ)は、日本の駒数多数将棋の盤について、囲碁盤
のように、交点駒置きである事を示した記載があるが、気が
ついた研究者はまだ、居無いようだ

との内容の、今回の論題に関する、先行研究例が載っている。
大大将棋の記載された、江戸時代成立の古書が余り無いと、
本ブログの管理人は認識していたので、可能な程度で、
大大将棋に関して、

妙な記述構成になっている、将棋の古書を探してみる

事にした。言うまでも無く、

書籍の構成が妙なのは重大な情報を含んでいる可能性がある

と、私は見たからである。その結果手持ちの情報が、限られ
ていた事もあって、とりあえずは今回の論題の、
将棋六種之図式の、セクション名”○大大将棋 縦横各17
目 駒数192枚”の、書籍としての編集者の構成の仕方が
おかしい事に気がついたという事である。
 残念ながら、

大阪電気通信大学の高見友幸研究室の”摩訶大将棋のブログ”
の”比較的良く知られた、駒数多数将棋の古書”の旨の表現
で、具体的な文献名は不明である。

だから高見友幸氏が、どの古書を指しているのかは判らない。
 とにかく、大大将棋の説明部分で書籍上の表現が、おかし
い、比較的良く知られた将棋の古書が有ったという事である。
 そこで次に、表現がおかしいのは、近代の雑芸叢書の編集
者のせいだという根拠だが、

”○大大将棋 縦横各17目 駒数192枚”という、
将棋六種之図式の著者が作ったセクション名は、
水無瀬兼成の将棋算図部類抄の、各将棋図式の図の題名の
副題と著しく紛らわしいため、雑芸叢書の編集者に間違えら
れても仕方がない

と私は考えるためである。では、雑芸叢書の編集者が、何故
大大将棋だけ間違えて、他の5種の将棋種については、ミス
しなかったのかだが、

たまたま、セクション名と図版の中に、他の将棋種では、
将棋六種之図式の著者が、前付けの説明文を入れたからだ

と、私は考える。では更に、なぜ将棋六種之図式の著者が、
大大将棋だけ、前付けの説明、図版という構成で著作しなか
ったのかだが。水無瀬兼成は、将棋六種之図式著者と異なり、
”古時鳥”の名前がおかしいとか、”奔獏は奔横と間違える”
といった、大大将棋のウンチクに関して、余り興味が無かっ
たため、将棋纂図部類抄で、大大将棋に対する、付帯説明が
無く、将棋六種之図式の著者も、他の将棋種と同じく
大大将棋でも、将棋纂図部類抄を参照して前付けを書こうと
したが、

書く内容が、特段無かった為

何も書かずに、いきなり大大将棋図を書いたからだと、私は
思う。
 そのためセクション名の後、いきなり図版の大大将棋図式
に、大大将棋だけなったので、うっかり雑芸叢書の編集者に、
間違えられてしまったという訳なのであろう。
 なお、題目で”縦横各17目”と、盤升目の内容が付いて
いるが、この表現は”目”の文字が有るという点で、

将棋纂図部類抄と、将棋六種之図式は同じ

と、当方は認識する。”目”は、交点置きを連想させるが、
図では升目の中に駒名が書いてあるし、”1目2目はヲトラ
ズ”等と表現するとき、交点置きの盤を使っている事を示し
て居無いから、この表現で”大大将棋を囲碁のような、交点
置き将棋具のゲーム”とは、言えないだろう。よって、

高見友幸氏が問題にしている棋書が、残念だが不明

という事になってしまうのだが。
確かに、将棋六種之図式については、大大将棋だけ、書籍の
文書フォーマットが、雑芸叢書に納められている物は、少し
変なことは確かなようである。(2019/01/29)

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