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ニ巻本1565年書写”色葉字類抄”上の上の記載内容(長さん)

旧加賀前田藩伝来の蔵書の文庫である、尊経閣文庫に、
色葉字類抄の3巻本(西暦1177~1181年成立)
の前田書写本があり、研究が進んでいると聞く。それ
より字の数が少ないのか、未完成と考えられているの
か、それとの関係は専門外の私には不明だが、3巻本
とは別に、尊経閣文庫には、
2巻本1565年書写”色葉字類抄”という、同系列
別古文書が有るという。なお尊経閣文庫には、
”色葉字類抄”系列本は、他にも有るのかもしれない。
 ともあれここでは、その、(成立西暦1144~
1165年とされる)2巻本または二巻本(1565
年書写)中の、上の上冊(全体の1/4)の構成事実
と、大将基馬名および、小将碁馬名のセクションの、
内容事実の紹介をする。
 まずは、第1冊/4冊と表現できる、
ニ巻本1565年書写”色葉字類抄”上の上は、次の
ような構成になっているそうだ。(八木書店
西暦2000年発行の、この古文書のフルコピー本の、
”解説部”による。)
①表紙の見返しに墨書で「イロハニホヘトチリヌルヲ」
と、カタカナで、書いてあるらしい。
②遊紙を1枚挟んで、次ページに序文が書かれている。
③序文と離さず、意義分類部目と説明、墨書で「イロ
ハニホヘトチリヌルヲ」と繰り返している。
④「イロハニホヘトチリヌルヲ」とは行を離さないで、
内題が、書かれている。内題は「色葉字類抄巻上上」。
続いて尾題が書かれ「伊呂波字類抄巻上上」である。
⑤続いて、いわゆる奥書が書かれているらしい。
⑥遊紙が1枚挟まれている。
⑦「大将基馬名」と表題が書かれ、内容の漢字が、酔
象の象を除くと、原則2文字単位で記載されている。
後で詳しく述べるが、適宜成り名が、右下に小さく書
かれている。
⑧「小将碁馬名」と表題が書かれ、内容の漢字が2文
字単位で記載されている。
⑨何も挟まずに、いろはにほへと・・の漢字群の書き
方の内容が始まる。全部で50枚である。
⑩巻末に遊紙が3枚あり、ついで裏表紙がある。
なお、比較の為に言うと、第2冊(上巻下)は、次の
ようである。
2-①表紙の見返に墨書で「ワカヨタレソツネナラム」
と、カタカナで、書いてあるらしい。
2-②遊紙を1枚挟む。
2-④「ワカヨタレソツネナラム」の繰り返しは無い
らしい。
内題が、書かれている。内題は「色葉字類抄巻上下」。
続いて尾題が書かれ「伊呂波字類抄巻上下」である。
2-⑨何も挟まずに、わかよたれぞ・・・の漢字群の
書き方の内容が始まる。全部で54枚である。
2-⑩「地名+牧」の特別記載を挟んで、前後に、
上巻下用のいわゆる奥書がある。
巻末に遊紙が2枚あり、ついで裏表紙がある。
 ここで問題にするのは、言うまでも無く⑦と⑧だ
が、国会図書館の電子図書(外から閲覧可能本)に、

無い部分について、まず確認

する。
 国会図書館の電子図書の二巻の色葉字類抄は、出所
が、次ぎのように記載されていて、旧前田藩の図書館
から、出た物、そのままでは無い。

色葉字類抄:尊経閣叢刊丙寅本

もと3巻本なのか2巻本なのかさえ、私には正確には
判らないが、少なくとも、上の上に関連して、次の記
載が見当たらない。
①の墨書の「イロハニホヘトチリヌルヲ」。
③の墨書で「イロハニホヘトチリヌルヲ」と繰り返し。
ただし、カナの元漢字が「・・・わかよ」まで、”上
巻”には書かれている。
⑤のいわゆる奥書。
⑥遊紙が1枚。
⑦の「・大将基馬名」と表題が書かれ、内容の漢字が
2文字単位で記載されている等のもの。
⑧の「・小将碁馬名」と表題が書かれ、内容の漢字が
2文字単位で記載されているもの。
 上記の事から、上巻の内容からみてwebで見れる
国会図書館の色葉字類抄は、3巻本に近いものと、私
には疑われる。冊分割が違うパターンなので、奥書は
削除され、墨書の「イロハニホヘトチリヌルヲ」も、
目障りなので除かれたようだ。

しかし、⑦の「・大将基馬名」と内容、
⑧の「・小将碁馬名」と内容を、削除して良いと言う、
自明な理由は無いので、理由は私が想像するしか仕方
が無い

のであろう。
 以上で、この古書の構成に関するまとめは、ひとま
ず終える。
 次に、「・大将基馬名」と「・小将碁馬名」の内容
事実を以下に表現する。
「・大将基馬名」は、表題が書かれた後で、誰かのチェ
ックを受けたらしく、朱色の点がそれぞれにあり、
熟語漢字は、次のように書かれている。現物では、別
の字で、適宜改行されているが、自然な改行である。

・玉将・金将・銀将・銅将・鉄将・石将・桂馬・香車
裏金・酔裏太子・(下巾字体の)盲虎・猛豹・猫刃
・反車裏金・師子・麒麟裏師子・鳳凰裏奔王・悪狼・
嗔猪・猛牛裏金・奔王・龍王・龍馬・角行・竪行・
横行・飛龍・飛車裏金・歩兵・仲人裏金

以上である。これが後期大将棋であるという点につい
ては、説明するまでも無いので、次ぎへ行く。
「・小将碁馬名」も、表題が書かれた後で、誰かのチェ
ックを受けたらしく、朱色の点がそれぞれにあり、
熟語漢字は、次のように書かれている。

・王将・金将・銀将・桂馬・香車・飛車・角行・歩兵

以上である。内容そのものについて、説明する必要は
なかろう。今回は、ここまでにし、特定の問題につい
ての議論は、ごちゃごちゃするので次回以降にしたい
と考える。(2019/03/26)

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