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大将棋の成り金駒数の歴史挙動。背後にあるもの(長さん)

以前述べたように、普通唱導集時代の大将棋も含めて、
後の後期大将棋には、金に成る駒種数が、周期的に、
増減していると思われるフシがある。
 今回は、そのメカニズムを論題にする。
 回答を先に書き、今回は数学を使って説明を後で
しよう。回答はこうだ。

寺に残る文物古記録の2倍の周期で、成り金数は
入れ替わっており、寺で”昔の大将棋の記録”を、
各時代に発掘した権威者のルールが、その時代の主流
に、とって代わられる事の、繰り返しが見えている

と、考えられる。
では、以下により、詳しく説明しよう。
 ようするに、大将棋の駒の成り金数に関しては、
主として社格の高い、大きな規模で、発掘された情報
が信用できそうな寺院の古記録を、それなりに信用で
きる人間が、流布させれば、前代の違うパターンのルー
ルを押しのけて、少→多→少というふうに、変遷して
きたのではないかと、推定できるだろうと言う事であ
る。
 現代に関して言えば、古い寺院に残る古記録は、

約150年前の明治維新程度の事物がウエイトが高

である。この約150年前というのは、中世だろうが
近世だろうが、定数に近かったのではあるまいか。
 それは、その時代の大将棋の成り金駒数が多いとき
には”昔は少なく”と、少ないときには”昔は多く”
という内容、つまりサインカーブで位相が、180°
ズレたものだった。だから、

いろいろな人間が、寺に行って、古記録を調べると、
だいたい、情報は150年前が定数

だったために、大将棋の各駒成り金ルールについては、
 西暦1100年から、1175年までは減少と、
初期条件として波立ち傾向が有ると、1175年極小

1325年極大、1475年極小、1625年極大、
1775年極小、1925年極大、2075年極小?

といったふうに、周期関数になるような、性質のもの
なのではあるまいか。ただし正確に見ると、近世に入
ると、寺の古記録に頼るだけにはならないので、西暦
1600年代以降は、だんだん法則が、ズレてきたの
であろう。
 これだと、寺の記録はそれぞれ同士の間で、きちん
と、位相が合っていなければならないように、いっけ
ん見えるが、

数学の参考書を見ると、そうではないらしい。

位相はばらばらだが、周期が150年と一定の、三角
関数の重ね合わせは、ある決まった位相の三角関数へ
変換できるという点については、以下の数学の成書に

ヒント

がある。
”史上最強図解・これならわかる!三角関数”
佐藤敏明(都立日比谷高校教諭)ナツメ社2013年。
その中に、
”sinとcosを合わせたらどうなるの?”という
セクションがあり、

a・sinθ+b・cosθ、つまりsinθと、
sin(θ+π/2)と、0とπ/2だけ、
90°位相のずれたカーブは、r・sin(θ+α)
という、一種類のsinカーブと、等価である

と書いてある。
 結論を言うとようするに、残念だが、この先生の本
には、その直後で”第4章 三角関数の微分と積分”
に入る間に、
”0°が原点のsinと、π/2以外の、一般角度、
つまり別の角度で始まるsinを合わせたらどうなる
の?”という旨の、セクションを作らなかったという
事が

はなはだ残念

だ。
 つまり、この先生の日比谷高校での授業には、生徒
の理解を決定付ける

何かが1つ足りないレクチャーを、常々している疑い

があるようではある。
 結論はそうだが、元に返って、sinθと、
sin(θ+π/2)と、0とπ/2だけ、つまり、
90°位相のずれたカーブは、r・sin(θ+α)
という、一種類のsinカーブと、等価である点に
ついては、三角関数の、加法定理で説明されていて、

この本は、わかり易い。

つまり、加法定理は

sin(θ+α)=cosαsinθ+sinαcosθ

と、この問題用には変形できる。rを掛けると、

rsin(θ+α)=r・cosαsinθ+r・sinαcosθ

となっているだけだ。
 だから、戻ってa・sinθ+b・cosθを、上
の加法定理の左辺のrsin(θ+α)にしようとする
わけだから、

r=√a2乗+b2乗。
α=アークコサイン(a/r)かまたは、
α=アークサイン(b/r)で計算される。

rとαを使い、rsin(θ+α)を決めればよいの
で、角度がαで始まる、一義のsinカーブと同じだ。

以上の旨が書いてある。しかし、
sinθとsin(θ+π/2)の合成ではなくて、
sinθとsin(θ+h)で、hは、弧度法変換で
(180/π・h)°といったケースの合成の説明が、
佐藤氏の本には書いて無いのである。
 しかし、後者については、加法定理を2回使って、
sin(θ+h)を(何とか倍)sinθ+(別の倍)cosθ
に、

最初に変換できる事に、佐藤敏明氏の授業のあとで、
生徒が気がつけば、理解不能の落とし穴に、はまるの
は防げる。

すなわち、簡単な2つだけの場合で、数が増えても
一緒なので、2つのケースだけ考えると、
a・sinθとb・sin(θ+h)の合成は、
予め、sin(θ+h)に加法定理を適用して、
b・sin(θ+h)=b・coshsinθ+b・sinhcosθ
 だからこの問題は、
(a+b・cos(h))sinθと、b・sin(h)・
sin(θ+π/2)の合成問題、つまり、

(a+b・cos(h))sinθと、b・sin(h)・
cos(θ)の合成問題と同じである。

rはr=√((a+b・cos(h))の2乗+b・sin(h)の2乗)。
αはα=アークサイン(b・sin(h)/r)
等に代わるだけとみられる。
 そして、
”0°が原点のsinと別の角度で始まるsinを、
合わせたらどうなるの?”というセクションは、
”これならわかる!三角関数”には、第6章で出て
くる”フーリエ変換”の

目標となる、中村先生にだけ当たり前と感じられる
と思われる式を、生徒にもその、ありがた味が何な
のかを伝えるためにも、絶対に必要

だったように私には疑われる。
 つまり実用の世界でよく見かける”フーリエ変換
した結果のパワースペクトル”とは、aやbの視覚
的なグラフの事ではなくて、パワーrの、各三角関
数の変数である角θに掛け合わされている、振動数
パラメータnについての、分布グラフの事だと、
私は理解しているからである。n毎にh(n)は、
それぞれ有るが、実社会ではhの方が、同じ周波数
の各要素成分がまとまると、どうなっているのかは、
余り問題にされないと、私は認識する。
 今紹介した成書は、私が若い頃購入した、培風館
の新数学シリース4の”三角法”の、定価で3倍強
するようなので、この本の該当部分には、

流行のバカチンマークを一応つけて置く事にしたい。

 話は長くなったが、以上のように、位相のズレた、
いろいろな史料が、寺に有り、複数の権威者が、そ
れぞれに史実を将棋界に広めても、

結果を合成したものの状態は、反転情報発生年の、
2倍の周期である事には変わらない

事が、数学上は、以上のようにして説明できるとい
うわけであろう。
 従って、冒頭に述べたように、大将棋の金成り駒
数の経年挙動は、
寺に残る文物古記録の2倍の周期で、成り金数は
入れ替わっており、寺で”昔の大将棋の記録”を、
各時代に発掘した者のルールが、その時代の主流に
とって代わられる事の繰り返しの結果が、現象とし
て、我々にはほぼ見えていると、考えられると言う
結論になる訳なのであろう。(2019/04/03)

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