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今小路西鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札判読問題(長さん)

前に述べたように、問題の南北朝時代程度の遺物の
記載文字の判読で問題なる点は、字の崩し方が、規
則に則って居無い点である。誤読が起こるのは、一
つには、それが原因と懸念されている。本ブログで
最大の問題と、前に指摘したのは、上段2行目の、
本ブログ判読の”も”であり、標準的な”も”から
外れているし、いっけんして見える”う”とも、
”フ”型の右側トンガリが有るので、違う。この点
について、

わざと”う”にも見える”も”、”う”の後半部分
にも見える”し”を書いて、猛豹が、元の鉄将の位
置に有り、猛将の代理である事を、表現している

と前向きに捉えるのが、本ブログの説の特徴である。
 更に今回は、問題が他に無いのかどうかを、以下
論題にする。
 回答から書いて、ついで説明を加える。
”ま(万の崩し)うこ”の万が、間違っている。元々
万の筆順を、作成者は間違って覚えていると見られ
る。その結果”耳”の崩しである”に”の変体仮名
に、近い形になってしまっている。これは、識字が
出来ても、作成者の書の能力が低かったためであり、
楷書の”万”に、結果として、たまたま見える間違
いだったので、責任者・読者に許されてしまい、そ
のまま、本来の用途として、使われたものと考える。
 では、以上について説明する。
今回は表題のように、今小路西鎌倉市福祉センター
遺跡中将棋木札の文字を判読する上での、問題点に
ついて考察する。本ブログでは、獅子に関する特別
な規則に関連して、トラブルがあったため、南北朝
時代に、鎌倉市今小路西御成小学校遺跡ゲームセン
ター等にて、狛犬を獅子と取り替えた”獅子に関す
る特別な規則”の無い中将棋を、

すでに今と、ほぼ同じ中将棋ゲームが存在する状況
の中で、敢えてした証拠

と、この遺物を解釈している。この解釈に、どの程
度の不安定性があるのかというのが、今回の論点で
ある。一番利くのは、基本配列が、中将棋である事
を示唆すると、本ブログでは取る”もしひゃう”で、
読みが合っているのかどうかだ。それについては、
”う”のような”も”が、本当に漢字の毛を、崩し
たもので、間違い無いのかどうかが大きい。それに
ついては、否定すべき積極的証拠は、今の所無いと
いう観点から、前に述べている。今回は、それに
比べて、余り効かないが、まうこのま(万)が、
へんな崩しである点についてを中心に、報告しよう
と思う。
 そもそも、本来この木札は、道具として、元々は
23文字書いてあったはずだというのが、本ブログ
の見方だ。話が見えやすいように、一覧で示す事か
ら始めよう。ただし()内の数字は字の読みの順番。
○(01)志。不安定性無し。
○(02)ろ。大きく書かれ、間違いなし。
○(03)い。不安定性無し。
△(04)ぬ。下が切れていて、”め”かもしれない。
×(05)も。いっけん”う”。しかし”つ”が”フ”
になっていて、かつ途中が少し濃くなっていて、毛の
3段目の一(横棒)を表現しているように見える。
本ブログでは”も”が、その上にあたかも、もう一つ
有るかのような、この書き方は、意図的と解釈。
○(06)し。これ自体は確かに、”し”。しかし、そ
もそも、”もしひ(やう)”という旧仮名遣いは無い。
○(07)ひ。不安定性無し。
△(08)や。上部がかろうじて見えているが、”や”
と断定までは残念ながら、写真だけでは無理。
×(09)う。全く見えて居無い。他の部分からの類
推で、そのように本ブログでは、推定しただけである。
×(10)ま。万の崩し字は、2画目が右下部分なの
で、筆順を間違えた、ニセ草書体になっている。耳の
崩し字の”に”に似ている。ただし、2画目が1画目
の横棒に、Tの字で接続していて、逆L字接続でない。
ので、比較的大きく書かれているものの、”にうこ”
とも読めなくなっている。結果として、

楷書の万にたまたま形が近いので見る側から許された

のではないかと、本ブログでは考える。”判読不能”
と従来言われた、所以と言える字であろう。
○(11)う。不安定性無し。典型的なうの字が、
(10)の字に、多少重なって書かれている。
○(12)こ。不安定性無し。
○(13)は。やや擦れているが、間違いないと見ら
れる。
(以下下段)
△(14)近。しんにょうが抜けているが、一応こう
読める。
○(15)く。典型的な久の崩し字である。
○(16)へ。狭い空間に押し込められているが、
一応、こう読めるのではないかと見ている。
○(17)行。少し平たく曲がっているが、この字に
間違いないと思われる。
○(18)く。(15)とほぼ同じ字が書かれている。
○(19)上。上の行書体に、間違いないと思う。
○(20)わ。大きく書かれ”わゐうゑを”のわに、
間違いないと思う。
○(21)ゆ。すこし傾いているが、こう読める。
○(22)け。不安定性無し。
×(23)ぬ。はっきり見えない。文として成立させ
るために、本ブログではこう仮定した。”め”か、
”ぬ”か、”無”か、どれかだと思う。ぬだが、怒の
崩し字のようでもあり、本ブログではこれを取る。
 以上の事から、下段が比較的安定している事が判る。
なお、(01)→(02)→・・→(13)→(14)→
・・・→(23)と、上と下とで分けて読むべき根拠
としては、(04)のぬ(?)と(08)のや(?)が、
部分的に欠けて見えているからである。すなわち上部
の下辺の一部が、南北朝時代に切断されてから、最結
合されて、1枚物として、後半使われたと見なせると、
本ブログでは、考えているのである。更に良く見ると、
右列の文字列の軸が、上側の方が、時計回りに角度で
約5~6°傾いていて、全体としてまっすぐになって
いない。以上の事も、もともと上段と下段で別々の木
片であったという考えの、根拠となりそうだ。
 つまり、
”口口は、近くへ行く。上は行けぬ”は、かなりの確
度で正しく読まれており、事物として、将棋駒の盲虎
が主語である事を、強く示唆しているように、明らか
に見えるという事である。だから、(10)の、万の
書き順の間違えた崩し字、

ニセ崩し字の”ま”は、国語の得意ではない識字者が、
遊びで書いた、笑って許される程度の誤字

と、他人から見なされたと考えて、大きな矛盾が無い
ように、少なくとも私には見える。
 盲虎が七方隣接升目歩みの駒であるのは、中将棋に
限るとまで行かないのが残念だが、

この木札に、将棋駒の盲虎については、書かれて居る
という事に関して、かなり確度でそうだと言える

ように、私は今の所考える。
 それに比べて”猛豹を元もとの鉄将の位置に配置せ
よ”の解釈が間違っていると、中将棋木札と証明する
のが困難になる。ので上段の2行目(05)~(09)
の確からしさは、この木札にとっては、とても大事だ。
 そもそも、本当は2行目は、好意的に読んでも、
”もしひ(や?)”としか、読み取れない。これから、

”もうひょう”と解するのは、バールフトの彫刻の字
をチャトランガと読むのに、これだけだとかなり近い

のかもしれない。そもそも、本当の旧仮名遣いは、前
に述べたように”まうへう”だ。将に洒落るだけで、
”ひやう”という、たまたま現代人に、判りやすい表
現に、本当に変えたのかどうかが、論点になってしま
うのだろう。蛇足だが、江戸時代になると、将棋六種
之図式では、”豹”を”へう”とは、カナを振らなく
なる。国会図書館電子図書本では”ひよう”になって
いるようだ。何れにしても、

研究者達は、書いてある字だけでなくて、”う”に
見える”も”かもしれない文字が、そのように書かれ
た動機付けすらをも、読み取らないと、中将棋とは結
論できない

という事だろう。ただし、元々”しし”のはずなのに、
(01)~(04)が”しろい(ぬorめ)”と、犬
辺の共通な一字目の、犬辺を削除した書体の言葉になっ
ているというのも、

これが、このゲームにとっては主役なので、冒頭だ

と考えれば、根拠かもしれない。つまり両者に共通の、
犬辺を略して、あだ名訓読みした業界用語を書いて見
せていると見れば、やはり、普通の中将棋がこの木札
の時代に既に有るらしいと言うヒントとして、情報
が加わってはいるのだろう。
 何れにしても、上段の下が少し切れているのは、

”しろいぬ”と”ひやう”が確定しないので、少し痛
たかった。

 そうしてみると(04)が部分的に見えて居無いの
と、(08)と(09)が見えて居無い事は、私の考
えだと、今小路西御成小学校遺跡ゲームセンターの
支配人は、部下のやった、2枚の木札の接続を見て、
そうは思わなかったのかもしれないが。遊戯史研究者
全般にとっては、打撃が全く無いとまでは、言い切れ
ない行為かもしれないとは、言えるように思う。
(2019/05/08)

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df233285

サーバーエラーが出たときカレンダーに注意(長さん)

このso-netのブログは、書き込み中サーバーエラーが出ても、
該当ページに行くと、書き込みに成功したかのように見える
ケースがあるようだ。しかし、記事の分類が確定されていないし、
カレンダーが更新されない。たぶん、プレビュー画像が、
表示されているのだろう。ページ作成時の書き込みのとき、
管理者は注意が必要だ。

by df233285 (2019-05-08 07:20) 

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