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狛犬、金剛力士等の有る144枚制後期大将棋の調整(長さん)

以前述べたように、神奈川県鎌倉市の
今小路西鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札の出土に
よって南北朝時代に、獅子、狛犬、金剛、力士という、
現時点では、摩訶大大将棋の駒とみられる駒は、存在
がほぼ確定した。よって、後期大将棋に、これらの駒
や、恐らく夜叉、鳩槃、横飛または横龍程度は、テス
ト的に導入して指す事が、

実際には無かったと本ブログでは見る、後期大将棋に
鎌倉時代にも導入できたと考えるのが自然

とみられた。他方、
後期大将棋は、陣囲いが、2枚の盲虎と銅将と猛豹、
それに玉頭の酔象で初期配列時に形勢され、

15升目130枚制後期大将棋の玉囲いは過剰に堅い。

そこで予想として、本来の130枚制後期大将棋には
無い、狛犬、金剛、力士、夜叉、羅刹、それに2枚の
泰将棋の横龍をそれぞれに導入して、72候に因んだ
15升目144枚制の後期大将棋の攻撃力増大ゲーム
を、ルールを微変更して2局やってみた。
 結果として、酔象、麒麟、鳳凰が其々、太子、獅子、
奔王に成り、一段目と歩兵列、反車と6段目仲人が、

本ブログの言う、普通唱導集大将棋2017年型の
金成りと調整し、踊りは水無瀬兼成の将棋纂図部類抄
の、獅子と狛犬以外は”金剛力士1目2目は踊らず”
のパターンのルールで、攻守バランスは取れている

事が明らかとなったので、以下にもう少し、詳しく
報告する。
 下図は、上記で説明した、130枚制後期大将棋の
14枚、枚数増加ゲームの初期配列である。なお、
桂馬は飛龍の位置の守りに加わりにくいため、
摩訶大大将棋の土将に交換している。また、以前にも
述べたが、夜叉は斜め4方向2升目先踊り、前升目歩
みとした。

摩訶大後期大初期.gif

このケースでは特別に水無瀬兼成の将棋纂図部類抄、
摩訶大大将棋口伝等にあるように、狛犬以外は、
正行度の踊りであるので途中相手駒取り、自駒通過
可能ルールだが、止まれるのは、きっちり決まった
目数だけである。つまり、

”金剛力士は3目踊り。1目2目おば踊らず”の
パターンで、攻守調整は、ほぼこのケースについて
はOK

だった。つまり、”全てが定説の通りの仮定から出
発して、背理法を展開してよい”という意味である。
しかし、実際にチェックしてみると、

飛車、角行、竪行、横行、横龍、金剛、力士、夜叉、
羅刹、飛龍、猛牛の相手陣金成りは、不成りの方が、
良かった。

つまりこの点でも摩訶大大将棋よりもむしろ、通常の
後期大将棋(水無瀬兼成の将棋纂図部類抄)に、より
近いという事である。すなわち、これらの中堅駒を
金成りにすると、狛犬、金剛、力士、夜叉、羅刹、
横龍×2の双方、攻め駒7枚増加であるにも係わらず、
ディフェンスの盲虎2、酔象、銅将2、猛豹2囲いが、
強力さで勝っていた。
 以下に、中堅駒金成りのケース(第1局目)の指終
わりの図を示すが、成り飛龍は、不成りの方が、この
局面では良い事が判るだろう。

摩訶大後期大指終.gif

以上の点は中堅駒を不成りにした第2局で確かめてい
る。第2局目の指し終わりは以下のような感じである。

摩訶大後期大2終.gif

 なお、第1局目で、先手は通常の後期大将棋では、
角行を使ってする、”馬袖側上がりの相手中央部駒狙
い作戦”、後手に”角、角、馬、馬の普通唱導集第1
節型の右袖攻撃作戦”をさせてみた。この144枚制
将棋では陣袖も堅く、後手の普通唱導集の唱導唄に従っ
た、当時で見ても”古典的な作戦”は無理筋であり、
第1局目では、終始先手のリードで、先手が後手玉を
詰んだ所が、その局の、指し終わり図で示されている。
 第2局目では、両者に”馬袖上がりの相手中央部駒
狙い作戦”をさせ、今度は後手が勝っている。
 特に、盲虎の七方歩みが、鎌倉市出土の、今小路西
鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札でも示されている
ように、後期大将棋のディフェンスの堅い性質を決め
ている。また同じく、
今小路西鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札で、
”(銅将や鉄将の前に置きたくない)もうし/ひやう”
かとみられる名で示されている、猛豹の存在も大きい。
 であるが、摩訶大大将棋系の攻め駒を、更に7枚加
わえて、パランスを取り直せば確かに、

もともと、後期大将棋の攻撃と守備のパランスは、鎌
倉時代の当時でも、概ね取れる性質のものであった事

が、次第にはっきりとして来たと考える。(2019/07/14)

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