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成駒打含持駒使用大理国原始平安小将棋のチェック(長さん)

以前に述べた通り、大理国原始平安小将棋は
本ブログの見解で、右銀将を酔象に取り替えた
日本へ伝来した8升目型平安小将棋であり、
初期配列
3段目:歩兵×8
2段目:空き升目
1段目:香車、桂馬、銀将、玉将、金将、酔象、桂馬、香車
という配列である。現地では、酔象は象、桂馬
は馬、香車は車、歩兵は兵だったとみられる。
2文字目は、歩兵以外は、日本人作であろう。
これらを、動きの等価な日本の将棋の駒に変え
ると、
3段目:歩兵×8
2段目:空き升目
1段目:香車、桂馬、銀将、玉将、金将、角行、桂馬、香車
であり、以下の駒に、相手陣3段目に達すると、
成ったと見られる。
3段目:金将×8
2段目:空き升目
1段目:金将、金将、金将、不成、不成、不成、金将、金将
 元々は取捨てルールとみられるが、
 以前に、立体駒使用のまま、表題に示したよ
うに、

日本将棋と異なり、成駒を捕獲した場合は、
元の駒に戻さないで、盤面に打てる、ある種の
持駒ルールのゲーム

としても、成立可能ではないかと論じた。
 ここでは、そうした特殊な持駒使用ルールの
将棋が

バランスの取れたゲームに、なるのかどうか、
実際にチェックした結果

を示す。テストした結果は以下の通り。

オフェンスが少し強いようである。日本将棋に
比べて、寄せが、やや易しい。

では、以下に論を続ける。
 繰り返しになるが、初期配列は以下のような、
大理国がモンゴル帝国に滅ぼされずに残る、
パラレルワールドの世界のゲームとなる。

大理原始平安小立体持駒初期.gif

今回は、ルールを以下のように仮定した。
①持駒ルールは、成駒については、そのまま打
つルールに変える。ただし、元駒で取った場合
は、日本将棋と、扱いが同じである。
つまり、
②行き所の無い場所への打ち駒は禁手とする。
③2歩及び、打ち歩詰めは、禁手とする。
また、成りの条件則を、日本将棋とは変えた。
日本将棋では、相手陣内移動毎も成れるが、
④相手陣3段目に入ったときだけ成りとし、
そこで成らないと、最奥段で行き止まりになる
とした。存続した仮想の大理国の棋士が、元々
は④だろうと見られるルールは、保持したと仮
定したのである。
 以上の条件で指すと、一例として指し終わり
は、以下のような局面になる。

大理原始平安小立体持駒指終.gif

 結果は後手の並べ詰み負けで、将棋の寄せとして
は易しい。金将が持駒にたくさんあるので、
日本将棋に比べて、寄せの手筋がかなり簡単で、

以上のルールでは、オフェンスが強すぎる将棋

になるようである。
 なお、この調整は比較的難しい。この欠点は、
簡単には良くならないと言う、意味である。
 ただし、単純な取捨て将棋よりは、はるかに
面白い。
 材質を黄金等のままにして、敵味方を立体駒
同士で区別しない道具があったら、そのハンデ
を理解したうえでルールを変えるだけで、今で
も楽しめるゲームである事だけは確かだ。
 ちなみに本ブログでは、木村義徳氏には逆らっ
て、持駒使用の謎に記載されているように、
西暦1994年頃出土した興福寺出土駒(西暦
1058年物)が、元駒銀、桂、香、歩ごとに
成り金書体を変えているという見解を、

取って居無い。

”実際の状況は不規則で、木村義徳氏の言うよ
うな機能は、興福寺出土駒(1058年物)に
は無い”としているのである。
 しかしながら、今回述べた将棋は、

ある種の持駒使用将棋だが、成り金の書体から
元駒は、推測する必要の無い持駒使用ゲーム

である。だから、今回述べた持駒使用将棋は、

興福寺駒(西暦1058年物)でほぼ間に合う。

ただし、対局相手が横を向いた隙に、床に置い
た持駒の裏表を、ひっくり返すようなイカサマ
を、たちの悪いイカサマ棋士がしないかどうか、
皆で見張る必要が有る。だから五角形駒は、立
体駒に比べて、このケースは逆に機能が劣る。
 何れにしても今回の考察結果には、よって

道具が出土しただけで、ゲームのルールの詳細
が特定できるわけでもない

という戒めが、同時に含まれるとも、取る事が
出来そうである。(2019/09/27)

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