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インド16世紀14×14チャトランガは特定配列(長さん)

以前、増川宏一氏の著書、ものと人間の文化史
134遊戯・その歴史と研究の歩み(2006)
の248ページに、アンドレアス・
ボックラーミンクの、
”インドのチェスと関連した盤上遊戯の文献資料”
(1995)の紹介があり”ミャンマーの象棋、
シットゥインの自由陣形ルールは、インド起源か”
という旨の表現を私はして、増川氏のコメントに
対し、賛成の意見を述べた。
 今回は、
”インドのチェスと関連した盤上遊戯の文献資料”
(1995)を実際に捜索し、増川氏の紹介の通
り、16世紀の
”Hariharacaturanga”
(ハリハラチャトランガ)が、アンドレアス・
ボックラーミンクの、該当論文とみられるものに
載っていて、

種類は多いが初期配列は特定の旨が書かれている

との紹介をする。
 アンドレアス・ボックラーミンクの、その論文
らしいものは、前に述べたwebのサイト、
エイチティティピー:
//history.chess.free.fr/library.htmにあり、
論文の名前は、
”The literary sources
 of Indian chess and
 related board games”
だとみられる。ページは、112ページから124
ページだが、雑誌名は不明である。この時点で、
ボックラーミンク氏は、ドイツの大学に所属して
いたようである。
 論文中には、15世紀末から16世記にかけて
の、インドのチャトランガ類としては、前記の
ハリハラチャトランガしか載って居ないので、

増川氏の指摘するゲームが、
ハリハラチャトランガの事を指す可能性は、
極めて高い

とみられる。ハリハラチャトランガは、インド版
チムールチェスとみられる。が、初期配列図が、
問題の論文には4つ載っていて、確かに一定して
居ない。
 しかしながら、ハリハラチャトランガについて、
ボックラーミンクが論じた問題の論文の、115
ページの21行目に、以下の記載が有るのを、私
は見つけた。 

”Depending on the specific
 opening position 
 chosen at the beginning of
 the game

 even more pieces would be
 used on the board.”
上の記載から、後期大将棋に近い、升目の多いゲー
ム盤を使う、駒数64枚(個)程度のこの駒数多数
チャトランガゲームの初期配列は複数あるが、

無制限にある訳では無い

事が判る。従ってこのゲームが、

ミャンマーシットゥインに繋がる可能性は低い

と結論できるようだ。
 以前の本ブログの論は、

今の所、証拠の無い推定

と結論したい。
 ミャンマー象棋の自由配列が、インド起源である
可能性は、なおも捨てきれないが。ボックラー
ミンクが、そのような例を紹介している可能性は、
よって遠退いたと、私には思われる。(2020/02/17)

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