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小澤・増田PDF論文に宮廷囲碁記録リスト(長さん)

以前、西暦1094年12月11日の中右記に、
白河天皇からの伝言として、大江匡房から、
最近囲碁が打たれなくなったのを嘆くとの旨の
記事があると述べた。その後、webも調査した
所、”月次祭の食事会の後で、宮廷で囲碁会が行
われるしきたりが、途絶えた”との旨である事が
判った。ともあれ、日本の囲碁が西暦1000
年から1140年にかけて、後退した証拠らしい
と、本ブログでは論じた。ところで、論文なのだ
が、掲載されている雑誌が不明のPDFが、
web上にあり、

日本の宮廷での、皇族や貴族が囲碁を打った記録
のリストが、載っている。

論文の題名は”日本古代の囲碁史に関する文献
資料リスト”となっており著者は、小澤一徳・
増田忠彦(大阪商業大学アミューズメント産業
研究所)となっている。雑誌や号数は不明だが、
277ページから315ページまでであり、

”宮中及び貴族の囲碁話を記す資料”西暦833
~1067年は、その294ページから299
ページにまで載っている。

なおファイルは、
学術機関リポジトリデータベース(IRDB)
中に有るようだが、検索キーワードで、
”日本古代の囲碁史に関する文献資料リスト”
と入れた方が早い。ただちにダウンロードする
サイトに飛ぶようだ。
 所で、その論文の、
”宮中及び貴族の囲碁話を記す資料”で、だいた
い50年単位で記事数を集計すると、次のように
なる。ただし、1094年の中右記の記載は、
囲碁をやらなくなったという内容なので、この
記事だけカウントしないことにした。
800年~849年:6件
850年~900年:3件
900年~949年:24件
950年~999年:6件
1000年~1039年:6件
1040年~1049年:0件
1050年~1099年:0件
1100年~1139年:5件
1140年~1149年:3件
 最後の方は、少し細かくしてみたが、

西暦1040年から1100年までが0件である。

傾向としては、以前の認識でざっとは合っていた。
 ただし、1104年2月16日に、庚申の碁会
の記事が為房卿記にあるので、1100年から
1140年までについては、囲碁が本当に低調だっ
たかどうか、少し怪しい事が判ってきた。
 囲碁が好調だと、平安大将棋が持たないと見て
いる本ブログにとっては、今述べた点に関する
事実認識は、とても大切だと見なしている。
(2020/02/25)

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