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チムールチェスは城引分ルールと交換ルールが余計(長さん)

今回は、チムールチェスのゲームの出来につい
て論じる。結論から書くと、表題のように、
①城ルールは、引分けルールとして残ったが、
どうぶつ将棋のトライ勝ルールにすべきだった。
②交換ルールは防御力が上がりすぎるので無駄
だった。
①と②から、無駄な細則が無ければ、ほぼパラ
ンスの取れた良いゲームだったようだ
との結果になった。
 では説明を開始する。
 チムールチェスは、以下のような初期配列の
ものが、一般には有名である。”世界の将棋”、
梅林勲、岡野伸、将棋天国社、2000年によ
ると、他に2つの初期配列バージョンがあると
言う。図で”割箸走”と表したキリン(ザラファ)
駒が出しやすいかどうかで、序盤が変わるので、
世界の将棋の第3初期配列の方が、駒の捌きが
幾分良く、下記の第1初期配列より第3初期配
列のルールの方が、少し出来が良い可能性もある。

チムールチェス初期.gif

上の図で、駒は元々のチムールチェスではなく、
動きの似た、日本の駒名に変えてある。ポーン
は、3文字を1文字に短縮するため、歩に変え
た。成駒が何なのかを判りやすくするため、成
駒名で”歩”を形容したが、実戦ではたくさん
成る事は無い。使っていて上のボードの歩兵名
が、小うるさい感じだ。しかしチムールチェス
のルールが、こうなっているので仕方が無い。
 なお、割箸走はザラファ(麒麟)の事であり、
割箸3はジャメル(駱駝)である。蛇足だが、
世界の将棋には、この両者が仲間のように書い
てある。が、これは間違いであり、説明文をよ
く読めば判るが、

麒麟は走り、駱駝は跳びのようである。

ゲームを始めると、たぶん駒組は、下のような
感じになるのであろう。出てきた八方桂
(アスプ)へ相手が取りを掛ける展開になって
戦いが、この配列だと比較的早くに始まる。
跳び駒が多いのが、このゲームの特徴だ。

チムールチェス駒組.gif

 そして更に中盤が終わる頃に、兵中兵(ピヤー
ダピヤーダ)が成って、下記のように”持駒歩”
が出来る場合がある。

チムールチェス兵成.gif

しかし、王将歩(シャーピヤーダ)は前進しに
くいので持駒歩から更に、3回目成王が出来る
のは至難である。だから太子駒が発生する事は、
このゲームではほぼ、無いと見られる。ただし、
終盤王は前進し、一例では、以下のような指終
図になる。

チムールチェス指終.gif

実際には、青側の王は、冒頭で述べたように、
②のルールにより、一回逃げる事ができる。し
かし、このケースで判るように、このルールは、
攻め側にとって、余りに不利で、ゲームを面白
くしていない。

②は不要

だったと、ほぼ断定できる。またこのゲームが、
相手陣の城に入城して、後手青側の勝ちだった
としたら、先手黒側の逆転負けになり、

①は、どうぶつ将棋のトライルールになってい
た方が、実際の引き分けよりも面白かったのは、
明らか

である。だから①も、日本将棋の入玉による、
持将棋状態を、チムール・ペルシャの図書館在
職ゲームデザイナー(一例)が、中国人から
聞いて、間違って理解して、真似たのかもしれ
ないが、

①は片方入城なら、入城側を勝ちにすべき

だった。
 よって、このゲームは、麒麟駒の存在により、
ゲームバランスは取れた、

15世紀としては、出来の良いゲーム

であった。が、細則の調整が不足だったと結論
された。
 恐らく図書館在住ゲームデザイナーやゲーマー
の広報努力により、チムール帝国期のイランを
中心に、一時期有名なゲームになったのだろう。
が、アラブ人には、馴染みの無い極東ルールも
入っていたため、現地ではさほど指し込まれず
に、やがては衰退してしまったのであろう。
(2020/04/27)

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