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実数走りの日本将棋の盤駒はどうするのか(長さん)

以前より何回かに分けて、桂馬以外の日本将棋の駒
を、整数ではなくて、実数動きとし、また相手駒を
取ったら、排除円の縁に移動するルールの新作日本
将棋を紹介した。その際ゲームは、パソコンソフト
のパワーポイントの類である、アパッチ・オープン
オフィスのドロー(Draw)が使えるとした。
 しかし、普通の盤駒でゲームが出来たほうが、
お金が掛からないので便利なのは確かだ。そこで今
回は、ベニア板で盤を作り、駒は百均の将棋駒を使
うとして、道具建てをどうしたら、特に教育用のゲー
ムに使えるのかについて論題にする。回答から書く。
 碁盤の大きさの広めの盤に、将棋の駒を置くには
かなりスカスカな升目を書いた将棋盤を使えば、
この将棋はだいたいは出来そうである。
なお、大事な点は、

教育現場では、棋譜を取らせると良い。大体の所で
済む局面展開だと、ゲーマーは億劫になってしまい、
座標をいい加減にして、ゲームを進行させてしまい
がちになる可能性が高い。以降の局面は結果として
は正しいのかもしれないが、途中の着手の座標が、
正確に把握されないまま進む状態になる。

では、説明を加える。
 結局このゲームでは、普通の日本将棋と異なり、
(×.5,Y.5)という、升目の中央に駒を置く
動かし方だけでなく、交点や(XX.2,YY.5)、
(XX.5,YY.8)といった、20%線に駒を
置く着手が、比較的多く発生する。交点置きの手を
表現するには、やや盤を大きめにすれば、五角形
日本駒は、なんとか挟まる。しかし、20%置きの
手は、升目から駒を左右に少しズラシて置いた方が、
それらしく見えやすい。方法は、ありきたりだが、

升目を大きくして、駒をスカスカの升目の中で、
駒をズラシて置くと20%置き等の手が、よりはっ
きりと見えてくる。

その為、普通の将棋盤より、9×9升目である事は
同じだとしても、盤自体がかなり大きくし、駒は、
スカスカにして置かれた方が、現実として使いやす
いようである。
 以下の写真は、そのような実数動き日本将棋の
道具建てで、このゲームの局面の一例を示したもの
である。駒と升目の比率が、写真のように普通より
もかなり大きい。

実数日本将棋道具.gif

 盤・駒・持ち駒台の他に、座標計算のための、
ガイド図形を書いた方眼紙と、付箋の束が示されて
いる。
 ガイド図形には、水平と斜めに動かして排除円に
当ったいろいろなケースの、相手駒に対する接触
点の相対座標が、メモられている。計算を余りせず
に、複雑なケースを推定するためである。競技の際
にも、こうした図表の使用は、許可しても良いので
はなかろうか。
 付箋は、複雑なケースに駒に貼り付けて用いる
事を想定している。なお、この将棋では交点に着手
された攻撃駒は、1/100歩程度の変移が、取り
合いが終わった時点で、キャンセル(記憶喪失)さ
せられるというルールを採用している。そのような
ケースには、付箋は要らない。蛇足だが、この例外
ルールは、升目中央への相手駒取りによる移動駒、
(X.5,Y.5移動駒)にも適用した方が良く、
写真の将棋ではそうしている。
 さて写真では抜けているが、上の道具に加えて、
本当は教育の為に、将棋の棋譜を記録する用紙を加
えた方が良い。

移動先座標が複雑でも、誤差が大勢に影響のない場
合、適当に誤魔化したまま、ゲームが進んでしまう
から

である。逆に言えば、遊びでやっているだけの、結
果がどうでも良い対局のケースには、ゲーム中、真
剣に座標計算に集中する機会は、日本将棋の実数動
きゲームの場合は、さほど多いわけではない。
 蛇足だが、写真の局面は、この将棋の指し方のコ
ツを示している。
 先手の角の位置から見て判ると思うが、早い時点
で、▲7.5,八・五角とか、▲8.5,七・五角
といった角の筋変えの手を指し、飛車を6筋に振る
などし、振り飛車戦法を取るのも有力で、

振り飛車側から、攻めを仕掛けて激しい変化に持っ
てゆくのが、この将棋では比較的旨い攻め方

のようである。”振り飛車は受け側”という、普通
の日本将棋の、恐らく常識は成り立たない。という
よりは、

このような将棋が指せるので、普通の日本将棋とは
別の面白さが有る

のである。
 先手の飛車が既に龍王に成っているのはその成果。
なお今回から、成りは三・〇段ではなくて、線上の
三・五線かその奥で、成るようにルールを変えてみ
た。理由は、相手陣3段目に初期配列した歩を走り
駒で単純に取ると、この将棋では通常座標のY=3.2
に止まり、そこは三・七段目なので、まだ成らない。
線をはさんで0.7も座標が違うのは、遠すぎると
思えたのである。
 さて、写真の局面は、先手が▲6一歩と打った所
である。この歩はこのゲームでは、▲6一・〇(-)
(微分の動き)歩成等の手が合法で、行き所が残っ
ているので、整数型の日本将棋とは異なり、ここに
歩が打てるのである。つまり先手の読みでは、こう
すると後手が△5一金と引くだろうと見ている。
その後、
▲3.七,四・七角(4三位置の歩では取れず)、
△5.3,一・〇金(歩兵取る)、
▲4.74(+)三・六六(-)角(5三の歩兵取る)、
△同5三銀(4.74(+)三・六六(-)位置
の角を取る)△6一龍(5.3,一・〇位置の金を
取る)の突入を狙っているのである。
 ただし、角を犠牲にするのでやや無理目の攻めで
あり、こうするのが本当に正しかったかどうかは、
実際には謎だ。
 以上のような棋譜をつけなければならない状況に
置けば、おのずと移動先座標計算が、やや複雑化し
たときには、正しく考えざるを得なくなる。
 だから、上記写真に見えている道具建てとは別に、
この将棋を、数学の暗算の練習も兼ねて教育現場で
するとき等には、将棋の棋譜をつける用紙を、別に
用意すべきだという事になるのである。(2020/07/29)

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