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松江城下町遺跡の出土駒は6枚(長さん)

以前島根県松江市に西暦2011年にオープン
した松江歴史館を紹介し、江戸時代には敷地内
とみられる、まさにその地点には、松江城下町
遺跡が有って、そこの発掘調査で将棋駒が、少
なくとも4枚出土して、展示もされているとの
旨紹介した。後に奈良文化財研究所発掘報告書
データベース”全国遺跡報告総覧”の中に収録
されている発掘報告書により、その2007年
頃発掘された出土駒は加えて2枚有り、

全部で6枚であるらしい事が判った。

その発掘報告書の表題は、以下の通りである。
(島根県)松江市文化財調査報告書第139集
松江城下町遺跡(殿町287番地)・(殿町
279番地外)発掘調査報告書 本文編
pdfファイルは以下の3つに、たまたま分割
されている。が上の方の二つに出土した将棋駒
に関する情報がある。
14541_1_松江城下町遺跡殿町287番地・殿町279番地外発掘調査報告書.pdf
14541_2_松江城下町遺跡殿町287番地・殿町279番地外発掘調査報告書.pdf
14541_3_松江城下町遺跡殿町287番地・殿町279番地外発掘調査報告書.pdf
 なお、江戸時代初期の松江城の城主は堀尾氏、
将棋駒ははその時代の家老、佐々氏の屋敷がそ
の場所に有って、かつてその者の所有物だった
とみられているようだ。ちなみに、出土地点は、
佐々氏の屋敷域内のうち”殿町279番地外”
とされた方である。そして今回新たに加わった
2枚は、

一つに桂馬駒が別の4枚と共出土して北屋敷に、
石製又は骨製とされる金将駒が、別棟の南屋敷
から出土

しているという。
 最初の方の桂馬駒は、下の図のようなもので
ある。

島根県松江城下町桂馬.gif

成りは普通の、”桂馬裏の一文字『金』”のよ
うに私には見える。形から江戸時代でも初期の
もののようだ。
 上の駒の写真は、一番上のpdfファイルに
あり、記載ページは172ページ付近である。
成立は松江歴史館に展示してある4枚と同じく、
西暦1634年~1637年の江戸時代前期と
見られるようだ。
 もう一枚の石製又は骨製の金将駒は、前記
pdfファイルで2番目の245ページに、
スケッチだけが載っている。彫った駒で墨が
谷間の部分に、込めてあるとの旨の解説も、該
発掘報告書にある。西日本に石製の将棋駒が
江戸初期に有る事は、これで間違い無さそうだ。
 なお松江歴史館に展示してある4枚のうちで、
本ブログが、

戦国時代の混ざり物ではないかと疑った、

細長の香車駒の成りが、発掘報告書のpdfで
一番前のpdfファイルの別の4枚と同じく、
172ページ付近に、写真で出ている。
 裏側の字が戦国時代成立と見られている、

観音寺城下町遺跡の、細長歩兵駒の成りと酷似

の”一文字右上がり『金』”である事が、この
発掘報告書の写真のおかげで私にも良く判った。
 この発掘報告書の中では、実は細長の香車が
貴重だと私は見ている。つまり松江城下町遺跡
のこの10年の間の発掘により出土・発見され
た将棋駒6枚のうちで最も重要な一品は、後に
”石製又は骨製金将”が分析の結果”象牙駒”
との結論に仮になり、金銭的には当然その金将
だという事になったとしよう。
 しかしそうであったとしても、学術的にはや
はり、既に歴史館に展示されているとみられる、
”細長の香車駒”の方が、他でたまたま、余り
発掘されない戦国時代の、成り香車の金の字の
有る”香車駒”であるという点で、ランクが一
段上だと言う事なのであろう。(2020/11/29)

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