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小泉信吾氏、大将棋二中歴記載末字を3と読む(長さん)

以下かつて将棋連盟の関西本部に存在した、
将棋博物館の学芸員で、京都府埋蔵文化財
調査研究センター出版の考古学文献の執筆
をも、されていた小泉信吾氏が、

二中歴の大将棋の記載について、興味深い
解釈をされていた

との旨の紹介である。彼は二中歴の大将棋
の記載で、意味の取りにくい最後の十文字、
”如是一方如此行方準之”に関して、特に、

末尾字”之”を三(3の意)で読んでいる

という点で、私は感心させられた。
 では、以下もう少し詳しく述べる。
以上の情報は、web上に公開されている、
以下のpdfファイルの論文集の、トップ
の論文の中に書かれている。
kyoutofu-J23.pdf
公開されたweb上のサイトのurlは以
下の通り。
エイチティティピー://www.kyotofu-maibun.or.jp/data/kankou/kankou-pdf/jyouhou/kyoutofu-J23.pdf
論文集の表題は、以下の通り。
京都府埋蔵文化財情報 第23号
1987年3月、発行:財団法人 
京都府埋蔵文化財調査研究センター
その中の小泉信吾論文の表題は以下の通り。
”出土駒から見た将棋の発生” 小泉信吾

 ここで注目している、二中歴の大将棋の
記載の読み方については、4ページの中段
に記載がある。

如是一方で一旦切り、如此行方準之の最後
の字を之とは読まずに三(3の事)と読

んでいる。なお一旦切るのは、研究者によ
り、そう読んだ例は別にある。

之を三と読むのは、小泉氏が変体カナに精
通している証拠

だと、最近やっと理解出来るようになった
私は感心した。
 之を3と読んだ結果、行方を実質成り方
と小泉氏は

本ブログと同じく再解釈

する事になった。そして彼の独自な点は、

3を文書の三行目と解釈

して、二中歴の”将棋と大将棋説明”の三
行目の、”裸玉の勝ち。成りは(玉将と、
金将を除いて)、相手陣

3段目で金将成り”の、特に後者を指す

と、解釈されている点にある。
 本ブログとの差を議論する以前に、

之を”これ”(”初期配列”等と取れる)
と見なかった点がユニーク

だ。実際には、我々の見ているのは江戸時
代の前田藩の写書本であるから、江戸時代
の書体はよく調べるべきという、貴重な教
訓が含まれる点を、皆が見習うべきだろう。
 蛇足だが、彼はその結果、平安大将棋の
駒の成りは、

本ブログとは異なり、横行、猛虎、飛龍も
相手陣3段目で金将に成る

と見たようだ。
 原書で”裸玉勝ち。相手陣3段目皆金成”
の意が3行目に書いてあるかどうかについ
ては再確認が必要だが。読めているようで、

読めていない字、この場合は”之”にも見
える字を、安易に”之”と決め付けて、
そもそも難読な文を、無理やり解釈するの
は危険だ

と、この一文を読んで、私は個人的には、
良い事を小泉信吾氏から教わったと感じた。
(2021/01/08)

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