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富山県高岡市出来田南遺跡で奈良末大泰山墨書土器(長さん)

今回は、以前に病気祈祷用土器が出土してい
る疑いについて報告した、表題の富山県の
遺跡で、山岳信仰用「奉山」祭祀土器も、
出土しているらしいとの旨の紹介である。
 本品も遺物の写真がweb上に公開され、
発掘報告書に載っている。奈良文化財研究所
の発掘報告書データベースに載っている文献
のpdfファイル名と、発掘報告書表題は、
以前紹介したものと同一である。
 pdfファイル名は以下の通りである。
14570_1_出来田南遺跡発掘調査報告.pdf
 発掘報告書の名称は、以下の通りである。
富山県文化振興財団埋蔵文化財発掘調査報告第66集、
出来田南遺跡発掘調査報告、2015年、
公益財団法人富山県文化振興財団埋蔵文化財調査事務所。
 以前に紹介したが、発掘報告書の末尾の
抄録によると遺跡の場所は、富山県高岡市
出来田。遺物が出土したのは西暦2011
年から2013年の間のように読取れる。
 遺物の成立年代は発掘報告書第21ページ
付近の記載によると、遺物は大溝から出土し、
8世紀後半~9世紀の奈良時代頃とみられ、
以前紹介した蛮鬼墨書遺物とほぼ同一である。
 遺物の写真は、発掘報告書の写真図版第
35の下段「大溝包含層」カラムの、下から
3段目左から2つ目に在り遺物番号第331
番との旨、ナンバリングされている。皿型の
土器の底の写真のように思われる。

出来田南331大山泰.gif

 上図のように、写真は全体として反時計回
りに、少し回転しているが、下中央に大きく、
富士山のような形の山の絵の、山頂少し下に、
「山」と書いて在るようにも見え、その上に、
空の部分に、左から右へ横に「大奉」ないし、
「犬奉」と読めるような煤模様が在る。「大」
の字が、端に寄っていて上手ではやや見難い。
1~2字目で大奉であろう。つまり「大奉山」
と読めるとう意味である。この事から、この
遺物は、山岳信仰の祭祀用であるとまず、考
えられる。
 ただし、更によく見ると、山の字の下、山
の絵の裾野に、何か別の模様がある。良くわ
からないが、

人の顔のようにも見える。

 この遺跡では、病気回復の祭祀用の土器が
出土していると私にも認識されるので、その
兼用なのかもしれない。なお明確ではないが、
発掘報告書によると、この遺物には”線刻”
が在るとされる。煤模様が多く、墨書として
は確かに明確性が無いが、その疑いも有るの
ではないかと、私的に結論されるという意味
である。(2022/11/27)

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