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「絵本大人遊型挟み碁」に4人制無し(長さん)

前に、近世の文献「絵本大人遊」に、「はさみ」
という名称の囲碁の碁石/盤を使用するボード
ゲームがあるらしいとの旨、本ブログで紹介した。
その際、4人制もあるのでは無いかとしたが、
ほぼ「絵本大人遊」型り挟み碁には、4人制が
有る可能性はないように考えられるようになった。
 4人制にしてしまうと、序盤に石の取り合いが
爆発し、後半、各々のプレーヤ毎の石数が少なく
なって、着手の選択肢が少なくなってしまうので、
面白みが無いと、思えるようになったからである。
 前後と左右で同盟を組んでどちらで挟んでも、
敵側の石が取れるようにすると、

両側から挟めるので、挟む着手の可能性が増加し
過ぎて、序盤に急激に石数が減少してしまう

であろう。よって4人で碁盤を使う挟み将棋、言
うならば「挟み碁」ゲームは、知られるほどに、
ポピュラーにプレーされたとは、考え難いように
思えた。
 さて、では何故「絵本大人遊」型挟み碁が2人
制で、将棋盤を使わなかったかだが。
 まずは古文書の挿し絵のように、プレーヤは
90°対面して左側はやや左に、右側はやや右に
座して、実際に挟み将棋ルールで碁を打つという
か、碁石を指したのであろう。こうしたのは、

挟み将棋のゲームとしての難点に、有る程度気が
付いた者によるデザインの「新作ゲーム」だった

からだと考えられる。
 プレーヤ同士の間と、その対角線の向こうの、
雪隠の角点には「碁石を置いても、次の着手で、
直ぐに移動し無ければならない」というルールに、
恐らく、改善されていたと考えられる。
 挟み将棋は、

日本将棋の穴熊囲いのように駒を置くと、勝負が
永久につかないから

である。初期配列では、隣同士に間の角の交点を
除いて、18個の石を、互いに色を変えて、各
プレーヤの手前に一列に並べて、ゲームをスター
トするのだろう。こうすると、挟み将棋では戦術
としてお馴染みの、斜めに駒を規則正しく並べる
配列が、2人のプレーヤの座る位置から最も遠い
対角線向こうの隅の交点にも石が置け無いので、
きれいに作れるし、互いの駒の向きが180°
違いでは無くて、90°違いなのも、将棋の駒と
違って碁石には向きが無いから気にならなくなる。
 とは言っても、左側のプレーヤは自陣の左の隅
の角に、右のプレーヤは自陣の右の角に、将棋の
穴熊陣を作ってしまい、盤中央で動かす石の数を、
ご愛想程度に減らしてしまうと、このゲームは、
永遠に終わら無いのだが。
 元々、イチャイチャしたい、男女カップル等が
暇な一日、ほとんど無意味なボードゲームをする
という嗜好のゲームだったと考えれば、これでも
一応、良い事になる。4隅のうちの2角に碁石を
置いても、直ぐに出なければならない交点のある
ゲームは、その点でも4人では無理だから、この
ゲームは、2人制が定番だったろう。「だから、
大人遊びのゲームだ」というのが、この古文書の
表題の意図だったのではないかと私は疑っている。
(2025/01/26)

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