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福井県一乗谷朝倉氏遺跡で16C奔王墨書瀬戸皿(長さん)

今回は、福井県福井市の一乗谷朝倉氏遺跡で、
西暦1989年の寺院跡の発掘調査時に、
瀬戸物の底の破片とみられる遺物の底面に、
漢字で「奉」のようにも見える、字のはっき
りし無い模様が有るが、底面にやや薄く、
同じく漢字で「王」のようにも見える模様
も有るとの旨の紹介である。個人使用の皿と
発掘者に推定されたようだが、主神信仰用の

祭祀具の疑いも、有ると私見

する。神仏習合の、寺院の存在を示唆する
祭祀用の、容器皿ではないかという事である。
 遺物の写真がweb上に公開されて、
発掘報告書に載っている。発掘報告書が奈良
文化財研究所の発掘報告書データベース、
全国遺跡報告総覧に、登録・公開されている。
 pdfファイル名は以下の通りである。
一乗谷朝倉氏遺跡発掘調査報告12/
第64・65次調査(南陽寺跡)、2016、
福井県教育庁埋蔵文化財調査センター。
 発掘報告書末尾抄録により遺跡の場所は、
福井県福井市城戸ノ内町21字南陽寺。
 遺物が出土したのは、西暦1989年前後
の事のようである。
 遺物の成立年代は、発掘報告書第42ペー
ジ付近の記載より、16世紀戦国時代とされ
ていると、読取れるようである。
 遺物の写真は、発掘報告書写真図版(PL)
第10:”出土遺物(2)表土・耕土、
第64次黄色土面”の、最下段左から2番目
(右端)に在り、遺物番号第53番のBと
あるが、その発掘報告書の

第26ページ、下段左に挿図28:”墨書の
赤外線写真”が在り、こちらの方が見易い。

なお、第10図には”灰釉皿”との旨付記が
有る。底の破片の底面のようである。

一乗谷奔王.gif

 上図のように、底面の中央に、漢字で「奉」
のように見える、かなり濃い模様が在り、
その左下に、薄く同じく漢字で「王」のよう
にも見える、明らかに墨書が有る。発掘報告
書では、「何が書いてあるか不明だが2~3
字あり、もしかすると、所有者名ではないか」
との旨、第26ページ付近には、私には記載
が有るように読取れる。
 漢字に三角や台形の幾何学模様が組み合わ
されているようにも、私には見えることから、
神仏習合のなんらかの宗教施設で行う、呪い
用の供え物を置く、物品の破片の可能性も、
全く無いとは言い切れないのではないかと私
は思う。「王」とはこの場合付近の、主神の
事かとも思える。(2025/02/06)

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