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「懐古主義者の新しもの好き」ブログ、A-KASAKAさんの拡張チェス紹介(長さん)

 ここのところしばらく、更新の止まっているブログで、駒数
多数系将棋も紹介されているサイトに、A-AKASAKA
さんの、表題のブログがある。このブログの特徴は、チェス
の駒数多数ゲームについて、特に詳しい事で、16×16升目
128枚前後制チェスの紹介と共に、日本の大将棋と駒数多数
系チェスの発展が、比較されている。桂馬類の発展が、日本の
駒数多数系の大将棋系ゲームには無かったという点が、特異的
であるとし、ルールの表現方法が古文書の著者にとって、煩雑
だったためではないかと、指摘されている。

 基本的に、安土桃山時代から江戸時代、将棋本を作るための、
駒数多数系将棋であったような所があり、定規と筆で升目を
作成するのが煩雑で、桂馬跳びの表現が難しかったために、
そのような駒種は、作らなかったのだろうというのが私の考え
のため、彼のこの認識には基本的に、私は賛成である。

そもそも西洋チェスの場合、盤升目が15を超えたのは、前世
紀になってからであり、どう遅く見積もっても、天竺大将棋の
歴史が400年を超え、また印刷術も大陸より遅かったわが国
とは、「桂馬跳びの図示のしやすさ」は、条件が全く違って
いたように、私には思える。また彼は、「チェスでは玉囲い戦
術が、余り発達しなかったために、日本将棋と異なり、ナイト
拡張駒が多くなった」と、指摘している。これについては、

彼の議論は、天竺大将棋クラスの駒数のゲームを対象にしてお
り、そのクラス駒数、盤升目数のゲームについては、彼の言う
とおりだと私も思う。

ただし、私の場合は、

駒数数千、盤升目数十×数十のゲームを、典型的駒数多数ゲー
ムとイメージするため、このクラスになると、彼の言う「ナイ
ト拡張駒」は、私の言い方だと「利き筋が1升目ズレた走り駒」
でしか無い。つまり、実質走り駒を増やしたのと、ほぼ同じで
あると言うのが、駒数千オーダーの、仮想のチェス拡張ゲーム
に関する私のイメージだ。そもそも私の認識によると、今の所
西洋の駒数多数チェスゲームで、ナイト拡張駒というのには、

「ナイト型の動きをしてから、走る」という駒が主流で、
「走ってから、最後にナイトの動きをする」という駒種が、
余り見あたら無い

と感じている。これは、玉囲いの侍従駒を、相手走り駒はかな
りのケースに跳び越せない、日本将棋と、盤升目がどんどん
増えてゆくと、実質ほぼ同じに、なってしまうのではないかと
私は思う。つまり、16升目×16升目程度のチェスでは、
升目の数が20も無いわけだから、桂馬跳び超えは、戦術とし
てかなり目立つのかもしれないが、これが例えば、81升目×
81升目のゲームともなれば、最初の跳びついで走りの動きは、
単なる走りとほとんど同じであって、せいぜい利き筋が、1升
目ズレる程度の、効果でしかないケースが多いように、私には
思えるというわけである。
よって、私に言わせると、

ナイト拡張駒がそれなりにある西洋チェスの駒数多数ゲームと、
走り駒等の大駒だけを増やし、小駒の数はもとのままの、
私言うところの、日本の
「鎌倉初期に、大将棋が本来目指したタイプの駒数多数将棋」
とは、
盤升目が、数十程度以上になると、結局ほとんど、同種のゲー
ムにしか、見えなくなってしまうのではないかと

いうのが、目下の所の私の予想と言う事になる。なお、A=
KASAKAさんのブログは、現在休止の状態が続いている。
一日も早い御再開を、心より祈りいたしたい。(2017/02/27)