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袖の方に向かって小駒が増えない、15×15升目将棋のチェック(長さん)

今年の3月1日前後に、私は新作の将棋をこのブログで紹介した。
それは15×15升目142枚制の理想の後期大将棋ゲームと
仮称したもので、悪狼と猫叉が無い代わりに、白象、馬麟、踊鹿
という2升目動き駒と、走り駒として方行、横龍を加えたもので
ある。
つまり、以下の後期大将棋、

玉将、金将、銀将、銅将、鉄将、石将、桂馬、香車
酔象、盲虎、空升、猛豹、空升、猫刃、空升、反車
師子、麒鳳、悪狼、空升、嗔猪、空升、猛牛、空升
奔王、龍王、龍馬、角行、竪行、横行、飛龍、飛車
歩兵、歩兵、歩兵、歩兵、歩兵、歩兵、歩兵、歩兵
空升、空升、空升、仲人、空升、空升、空升、空升
(ただし以上は、相手側を見る形で、6段目までの左辺だけ
 を中央から示したもの。
 3段目中央隣列の”麒鳳”と表現された駒は、左辺に麒麟を、
 右辺に鳳凰を配列するものとする。なお、水無瀬兼成の将棋
 部類抄によると、成りは酔象が太子、麒麟が師子、鳳凰が奔
 王である。)

を、初期配列に関して、

玉将、金将、銀将、銅将、鉄将、石将、桂馬、香車
酔象、盲虎、空升、猛豹、空升、嗔猪、空升、反車
師子、麒鳳、白象、踊鹿、馬麟、猛牛、飛龍、横龍
奔王、龍王、龍馬、角行、方行、竪行、横行、飛車
歩兵、歩兵、歩兵、歩兵、歩兵、歩兵、歩兵、歩兵
空升、空升、空升、仲人、空升、空升、空升、空升

(ただし表現方法は、上で示した、
15升目130枚制の後期大将棋と同じで、
3段目中央隣列の”麒鳳”と表現された駒は、左辺に麒麟を、
右辺に鳳凰を配列するものとする。)
と、変更したものである。ここで、踊鹿は大局将棋、横龍・
方行は泰将棋等の動きとした。2升目動きの駒は、踊りの動き
をし、具体的には、大阪電気通信大学ルールの”八方塞ぎでも
じっとの出来る、ちょびっと拡張型師子の踊り”と、隣接一升
目行きが、両方できるとした。つまり踊りの升目数に、幅を持
たせるタイプで、踊りの性格は大阪電気通信大学型である。
 成りは、中将棋が無い中で、実際にゲームとして面白いよう
に、進化するという想定なので、中将棋並に、元の駒より成り
駒の動かし方の性能は、極端に大きくしている。つまり、各駒
の成りは、次のようにした。

不成、飛車、竪行、横行、竪兵、白象、横兵、白駒
太子、飛鹿、空升、角行、空升、奔猪、空升、鯨鯢
不成、師奔、象王、方行、奔王、飛牛、龍王、走龍
不成、飛鷲、角鷹、龍馬、強車、飛牛、奔猪、龍王
金将、金将、金将、金将、金将、金将、金将、金将
空升、空升、空升、酔象、空升、空升、空升、空升

(上手で3段目中央隣列の”師奔”と表現された駒は、左辺の
麒麟が師子に、右辺の鳳凰が奔王に成る事を表すものとする。)
なお象王、走龍、強車は、大局将棋の動き、それに対して飛鷲、
角鷹は、中将棋の動きとした。

つまり、この新作の”理想の後期大将棋”は、実際の後期大将棋
と異なり、袖に向かうと中段や前段に、中心部に比べて弱い駒を、
配列する傾向が少ないだけでなく、全体として、強い駒の割合が
オリジナルに比べて多くなり、オフェンスがディフェンスに比べ
て、より勝った傾向が強くなるゲームである。つまり侍従駒の素
材を、平安大将棋に比べて、極力増やさないようにしている点が、
オリジナルの後期大将棋とは、基本的に異なる。なお私は、オリ
ジナルの15×15升目130枚制後期大将棋に、上記欠陥があ
るのは、中将棋の安泰な存在下で、この将棋が辞書的に大将棋の
語を説明するために、12升目の中将棋に比べて13×13升目
と、少ししか大きくない、それまでの大将棋を体裁上、また大陸
のゲームとの、関連付けによる権威付けを理由として、15升目
に拡張したが、その際実質、小駒を水増しして作成されただけ、
という誕生経緯から来る、「手抜き」が根本原因であると、推定
している。
 そこでこれで実際に4月7日、新作142枚制将棋をプレイし
て、その様子をチェックしてみたが、

改良版となる新作”理想の後期大将棋”は、攻守の駒構成のバラ
ンスが取れていて、その点では、ほぼ問題の無い将棋なのでは
ないかと、私には満足できた。

ただ、難をいえば最下段の将駒が、ほとんど手付かずに近い状態
で、ゲームが終わる傾向が当初強かった。これは今回最初は、

5段目までを自陣とし、日本将棋と同じパターンの成り規則

としたためである。こうすると、金、銀、銅、鉄、石は、余り動
かされずに、ゲームが終わってしまう。そこで更に成りの規則を、
5段目までを自陣とし、日本将棋と同様、動かす前か後の何れか
に敵陣に居る場合に、どの駒も成れるだけではなくて、例外的に

隣接升目にのみ行く小駒と、踊鹿については、それらの駒種に
ついての、初期配列位置以外の位置から出発して、相手駒を取っ
た場合にも成れる

にして、テスト指しをやり直してみた。すると、特に成り鉄将と
成り石将を作るため、この駒が動かされること、および攻撃力が
竪兵と白象の増加分増して、陣がより崩されるため、上記の難点
が、ほぼ解決されたように思えた。
 何れにしても、上記新作の後期大将棋は、オリジナルの後期
大将棋に比べて、見違えるほど、ゲームの性能が上がっていて、
中将棋が、室町時代前期に確立されていなくても、このゲームが
ありさえすれば、ひょっとして済んだのではないかと、思えるほ
ど、私にしては上出来だと、自分では満足出来るゲームとなって
いた。(2017/04/09)