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アラブ・シャトランジと中国・シャンチーは駒の動かし方ルールが対応する(長さん)

今まで、判る人には当然と考えて、このブログでは明示しなかったのであるが、
今に残るアラブ・シャトランジの駒の動かし方のルールと、中国・シャン
チーのそれは、砲の存在と、兵の成りを除けば、良く対応する。以下、念のた
め、今回まとめてみた。

アラブ・シャトランジ 中国・シャンチーで、
玉駒は、九宮ルールが無ければ、本来動かし方ルールは同じであった可能性が
高い。中国シャンチーと類似するゲーム、朝鮮のチャンギの玉駒は、初手で、
八方へ移動できるからである。
副官駒は、猫叉の動きであって、全く同じ、動かし方ルールである。数が
倍化したのは、中国の官制を模したゲームに、変化したからに過ぎない。
象駒は、走りと跳びの違いだけで、その他は同じである。日本将棋の銀やマー
クルックの根が、5方向隣接升目動きと、全く違うのとは、対照的である。
馬駒は、塞馬脚のルールを無視すれば、八方桂で全く同じである。
車駒は、両方とも飛車の動きで同じである。
兵駒は、前に1歩が基本であり、ほぼ同じである。

特に他のゲーム種に比べて、少なくとも視覚的に目立つのは、象駒の一致であ
る。そして、以下私論だが、

兵の1升目ごとの隙間空けと、数の半減。4段配列、10段盤への変更は、砲駒
が加わったせいの調整のためで、全部説明できる

と私は思う。
 以上のような認識と論理で、中国シャンチー、朝鮮チャンギは、日本の将棋と
は異なり、アラブ・シャトランジ段階を経たゲームと、私は考えていると、言う
事になる。
 なお、現在中国には、四人制シャンチーという創作象棋があるとも聞くが、こ
れは、駒数を2倍に増やしたものであって、四人制チャトランガのように、競技
者一人分を、真っ二つにして二人に分けたようなゲームでは無い。また、シャン
チーという名称には、象棋が充てられていて、タイのマークルックの別名と見ら
れる、ジャドルングのように、四色とか四人制という意味があるとの情報もない。

その点、唐代、牛僧儒の怪奇小説、玄怪録で、将棋の駒の1隊と思われるものが、
四人制の残存を暗示させるかのように、4つの鼠の穴が変化した、門から出てく
るとの物語中の記載は、原文そのままであるとすれば、中国シャンチーの原型に
しては、かなり変だと私は思う。

以上の事からも、牛僧儒が玄怪録で下敷きにしていたのは、当時中国の首都長安
で指されていたと見られる、後の中国象棋のアラブ・シャトランジの類ではなく
て、雲南の、南詔国で指されていた、実は後の、玉と金に性能差が少ない、日本
の将棋の可能性が高いと、以上のように、私は個人的には考えているという訳な
のである。(2017/08/06)

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