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中将棋の「師子に関する特別な規則」の未来(長さん)

前にこのブログで、中将棋が成立した時点で「取り返されるとき、師子は師子
で取れない」という内容の、”師子に関する特別な規則”は、存在したと述べ
た。現在では、これに更に、先師子の規則と、付け喰い則、付け喰いの直後に
前師子の規則が適用されないという師子討ち則の、3つが加わって、師子の規
則と呼ばれていると、私は認識している。ただし、そもそも先師子則は、前の
手で師子が取られたケースを、例外にするような内容なため、”繋ぎ駒”とい
う概念に、複雑化をもたらし、中将棋のルールの標準化をしようとする団体に
は、煩雑で頭の痛い内容になっているような、気がしてならない。ここは、
個人のブログで、本来言いたい放題が書ける場なので、個人的意見をまず、
ずばり書くと、

先師子則は、繋ぎ駒のある師子に適用が限定される等、比較的出現がレアーな
ため、いっそ廃止してしまってはどうか

と、私は思っている。また、そもそも取り返せる師子を師子で取れる規則も、

「実際に取り返されたら、取り返された側を負け」にしてしまえば、”繋ぎ駒”
という言葉の、曖昧さからも解放されるような気もする。

ただし最近、上記の単純に”師子を師子で取った後、その師子が取り返された
ら負け”の私説の単純化したはずのルールでも、合否判断が、なおも、よく判
らない、煩雑な例があるのに気が付いた。以下のように盤面に

相手成麒麟、空升目、相手師子、空升目、味方師子、味方飛車

と1列に続いているケースで、相手成り麒麟は、相手師子の”繋ぎ駒”と言え
るのかどうか、と言う問題である。ただし、このケースの次の手番は、味方と
する。このケース、味方の師子で、はたして相手の師子は取れるのか。
取ると、相手成り麒麟で取り返されるが、味方飛車で更に取り返せるケースな
ので、相手の成り麒麟が、そもそも相手師子の、”繋ぎ駒”だったのかどうか
が、謎と言う事である。

上の例では、私の示した元々の表現のように、取り返された時点で終局として
しまうと味方の反則負けなのだが、もう一手進めて良ければ、相手の師子が、
味方飛車で取られた事が重視されるので、もともとの手が合法のはずである。
 個人的には上のケースは、相手成り麒麟は、相手師子の繋ぎ駒とは言えない
ような感じが、私にはする。という事は、”実際に取り返されたら、取り返さ
れた側を負け”ではなくて、

”実際に取り返されたら、師子で取り返されたかどうかをチェックし、師子で
無い場合は、取り返された側を反則負け。師子である場合は、特別に次の手ま
で進んで、更に取り返した師子が、他の駒で取り返されるかどうかチェックす
る。取り返されない場合は、師子で取り返された側が反則負け。更に、もとの
方の別駒で、取り返した師子が、取られてしまう場合は、もともとの手は合法。
必要なら、後半の手続きを順次繰り返し、合否はそのたびに反転する。”

と、長々とルールを、書き換える必要があると言う事になろう。
 以上をまとめると、恐らく次のように結論付けられようか。
 もともと、師子に関する特別な規則を、初めからひっさげて、中将棋のデザ
イナーは、この将棋を作成したのであろう。そして、中将棋は、現実には流行
ったのである。しかし中将棋には、その前の、普通唱導集大将棋の時代からの
流れで、麒麟が師子に成って、師子が二枚できる可能性があった。だから、
師子に関する特別な規則が、次の手を問題にする形のため、師子が合計で4枚
有ると、最大4手先を問題にしなければならなかった。そのため特別なルール
の中心部分である、師子を師子で取るルールを、歯切れのよい表現に、簡略化
するなり手直しするのは、永遠に無理なように、私には思われてた。せいぜい、
上記の、かなり煩雑なルール表現が、最も短くなる例の、ひとつにすぎないの
では、ないのだろうかと思われる。(2017/08/26)

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