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普通唱導集小将棋、銀桂馬交換により相手が困惑顔をする将棋の再現(長さん)

前に述べたが、普通唱導集の小将棋の第2節は、持ち駒ルールを示唆するもの
の、銀桂交換により、銀を失った側にほんとうに、大きな評価点のマイナスが
あるのかどうか、謎という問題が有る。話を8×8升目32枚制の原始平安
小将棋に限ると、香車や歩兵の持ち駒が、有る程度有る状態で、一方に桂馬、
他方に銀が、持ち駒として加わった時点で、形勢が大きく傾く局面は、持ち駒
ルールとして、常識的なイメージのものを採用する限り、なかなか作りにくい。
 この問題を前に指摘したときには、金銀は持ち駒にできるが、桂馬や香車は
持ち駒にはできない、病的な”持ち駒条件”を考えない限り、普通唱導集の
小将棋の、銀を失った側の慌て方をみて、興じるような場面は、作れないので
はないかと、このブログでは述べた。そこで今回は、そのような病的な持ち駒
ルールを持ち込まないで、なんとか、8×8升目32枚制普通唱導集小将棋
(持ち駒有りタイプ)を、作り出す努力をしてみたので、一例を紹介したい。
 すなわち持ち駒条件、および成り条件を、現行の日本将棋とは、次のように
大きく変えてみた。

持ち駒禁手条件:2歩は禁止。打ち歩詰め、行き所の無い所への駒打ちは良い。
以下が特徴的であり、次にその駒を動かして、成る位置にはその駒は打てない。

成り条件:中将棋と同じ物を採用する。すなわち、敵陣3段目の外から3段目
の内に、その手番で進入したときには、任意成り。突入後は、日本将棋と異な
り、相手陣内で、相手の駒を取らないと成れない。

以上のルールにすると、この8升目制の小将棋では次の事が起こる。
歩兵:自陣から数えて5段目には打てない。6~8段目には、2歩にならない
限り打てるが、相手の駒を取らない限り、最奥の8段目で身動きできなくなる。
香車:自陣の1段目から5段目までは無条件に、この駒は打てない。6~8
段目には打てるが、相手の駒を取らない限り、最奥の8段目で身動きできなく
なる。
桂馬:成桂を自然に作ろうとしたら、自陣にしか打てない。6段目だけでなく、
7~8段目にも打てるが、動けない。6段目に打ったときは、次に動かしたと
きに、相手の駒を取らない限り、最奥段で身動きが取れなくなる。持ち駒とし
ての価値は、従って通常のルールに比べて、香車とともに桂馬が、最も大きく
後退する。
銀将:自陣から数えて5段目には打てない。6~8段目にも打てるが、相手の
駒を取るまで、不成りのままである。自陣から4段目までに打って、相手陣の
6段目に突入した時には、通常通り成れる。このルールによる通常の日本将棋
のルールに比べての支障は、成る駒としては、従って最も少ない。
金将:もともと不成りなため、日本将棋と同様に、自由に打てる。
玉将:この駒は日本将棋同様、持ち駒にはできない。

つまり、このルールでは、銀将だけが、もともと動きの自由度が、玉将や金将
に比べて遜色が無く、前進後退可能なために、他の持ち駒に比べて、相対的に
価値が上がるという事

である。
試しに、このルールで指してみたが、持ち駒香車・桂馬の影は薄くなり、銀将
が中心になって玉を詰める将棋に、確かに大きく変化するのが、確認できた。
 以上はルール調整の一例で、実際にも、こうだったとまでは、今の所敢えて
主張はしない。が、もともとゲームのルールは、人為的な取り決めなので、
いっけん、今のゲームと違う景色の小将棋であっても、少なくとも、古文書に
書いて有るのに近い、状況を作り出せるようなルールを想定する事は、不可能
では無い場合が多いように、私には以前よりも思えてきた。(2017/10/17)

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