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9升目36枚制標準平安小将棋。二歩の禁手を止めても行き詰まるか(長さん)

本ブログでは、西暦1500年の戦国時代頃まで、9×9升目制標準平安
小将棋は指され、その時点まで200年間持ち駒ルールであったが、
”後手まね駒組み将棋により、仕掛け局面直前で、先攻め側に、合理的な
手が無くなる”という、将棋史研究家、旦代晃一氏の指摘した問題が、
存在し続けたとの立場を取っている。これが、西暦1080年~1110
年頃の、藤原摂関一族にとっては、”勿怪の幸い”の、院政派将棋すなわち、
標準的な、9升目の平安小将棋の弱点そのものであり、13×13升目
68枚制平安大将棋の発生の、主たる要因になったというのが、本ブログ
の根幹の推論である。ところで本ブログでは、西暦1300年頃の、
普通唱導集の時代に、平安小将棋は、持ち駒ルールが付与されたと、考え
ている。しかし、持ち駒ルールと言っても、西暦1300年頃の小将棋の
ルールが、はっきりと記録に残っている訳ではない。我々は、現代の感覚
で、持ち駒ルールといえば、”制限ない駒打ちができるタイプ”ではなく
て、”二歩”、”動き所の無い升目”、”打ち歩詰め”の持ち駒の使用は、
禁手のゲームを、ただちに連想しがちである。しかしよく考えて見ると、
たとえば、この中で最も影響の大きいと思われる、

”二歩の禁止”は、このルールが仮に無かったとすれば、持ち駒の歩兵の
価値が上がるのであり、先手を取る効果が上がり、旦代晃一問題を、軽減
する方向に作用する

と予想される。そこで、普通唱導集の時代の平安小将棋へ持ち駒ルール
が、導入されたとして、

たとえば、打ち所に関して、全く禁手の無い将棋でも、”勿怪の幸い”の
”仕掛け直前行き詰まり”が、依然起こるのかどうかチェックする必要が
特に、このブログのメインテーマになっている部分なので、おおいに有る

と考えられた。
 さてそこで、実際にチェックした結果だが、

二歩や動き所の無い所等への、持ち駒の禁止を解く程度では、効果が依然
弱く、旦代晃一の行き詰まりは、解消できない

ように、結果所私には思われた。
ただし、局面変化は、打ち所に対して禁手有りの将棋に比べて、より激し
さが増し、平安小将棋に関しては、二歩等もOKにした方が私には、より
面白いゲームになると感じられた。ひょっとすると、角・飛車が導入され
る前の小将棋は、

持ち駒ルールと言ってもその内容が、厳密には今とは同じでない可能性が、
有り得るのではなかろうか。

以上のテストについては、普通の、持ち駒ルールの将棋をチェックするわけ
だし、ほぼ誰でも出来るのではないかと、私は考えている。今後多くの方の、
この分野への参入を、大いに期待したいと考える所である。(2017/10/21)

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