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和将棋は、持ち駒ルール有りとされている(長さん)

江戸時代に作られた将棋で、禽将棋が持ち駒ルール有りである事は
著名である。が、おなじ江戸の将棋である和将棋も、持ち駒ルール
であるとの説がある。唱えている古典将棋の識者の中に、私の知る
範囲だが、スティーブ=エバンスという名の、オーストラリア人が
含まれる事までは判っている。スティーブ=エバンスの業績の全貌
を私は知らないが、コンピュータ将棋ソフト、”将棋類”の作者で
ある事は知っている。その中に、”和将棋のコンピュータソフト”
が含まれ、持ち駒ルールでも、指せるように調整されているからで
ある。
 最近になり、スティーブ=エバンスが、何を根拠に、和将棋の持
ち駒ルール有りを割り出したのか、ようやく私にも判るようになっ
てきた。知る者の多い、増川宏一著書の、ものと人間の文化史23-
1将棋の、松浦大六氏所蔵の、象戯図式の、和将棋の、隠狐の動か
し方ルールに、横を除く六方向が2升目づつ動きで、

合駒が効かない

と書いてあるのである。当たり前だったが”合い駒”は、主に持駒
ルーのときに使う、持ち駒の打ち方の一種である。うかつだったが、
スティーブ=エバンスの、コンピュータ将棋ソフトに接してから、
上の以前から所持していた、成書の内容に気がつくまで、私の場合、
10年以上もかかってしまった。その間に、技術は進歩し、今紹介
した、32ビットコンピュータ上でしか、どうやっても動かない
コンピュータ将棋ソフトは、webのソフトライブラリーからは、
まともに動くものが、ほぼ完全に消滅してしまった。
 スティーブ=エバンスが、現在どうしているのかは、私には全く
判らない。江戸時代の将棋本に、”古時鳥とは仙鶴の事である”と
間違って書いてあるのを、漢文として彼は正確に読み、大大将棋の
老鼠の成りを、ソフトで仙鶴に変える等、彼自身が日本の古文書に
精通しているか、あるいは傍らに、精通した人間が居るとしか思え
ないような、古文書の解釈が正確なソフトの作成者であった。
 以上は、大将棋の話題とはかなり離れるが、和将棋に関する重要
な説が、たった20年程度の歳月で、パーソナルコンピュータの、
64ビット化により完全に、風化してしまったのを見て、敢えて一
ページ、今回保存のために、加えてみた次第である。(2017/12/11)

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