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船霊(ふなだま)と、新安沖沈没船”将棋盤?”(長さん)

webで上記、船霊と検索すると、祈祷用で、今も船舶に乗せられる
物品が画像表示される。説明によると、航海の安全を祈願して、船舶
の操縦室の横等に、置かれるものらしい。”家型の中身をくり抜いて、
男女一柱づつの人形(ひとがた)、12枚の小銭、サイコロを2個、
五穀、女性の髪の毛を奉納する”とある。家型としては、立派な物は
神棚のように見えるものであるが、簡素なものは、五角形である。
そして、五角形の船霊の家モデルのケースについては、少なくとも
公開されている写真は全部、私は家と見ない。

将棋駒の形と、私は自信を持って見る。

理由は、柱の部分が、目の錯覚効果が大きいと見られるが、末広がり
に斜めに建つように、見えるようになっているからである。つまり、

家の柱は、真っ直ぐに立てるのが普通なのに、そう見えるような形に、
理由有って、敢えて工夫していないのではないか

と、その形を私は疑う。
そう思って、船霊に納める物品を、もう一度見直すと、霊が宿る女性
の髪の毛と、陰陽道に関連する、男女人形と、同じく12か月を暗示
させる小銭と、五行に対応すると見られる五穀、そして

遊戯具で代表的なサイコロが、盤双六で必要な2個

である。つまり、家型が5角形に変形した方の船霊は、

家ではなく将棋駒の中に、陰陽道や祈祷の道具、遊戯具を入れている

ように、見えると言う事である。
上記の通常”家”とされる船霊の格納容器も、複数の意味が恐らく込
められてはいるのだろう。そして五角形でも、実際に末広がり型の物
も明らかに有る事から、

船霊と将棋が関連付けられた事は、有る

と見るべきなのではないだろうか。そう考えてみると、船霊の容器等
のアイテムは、

将棋でも、駒ではなくて盤の方が、モデルで使われたケースも有り得

るような気がしてくる。一例としては、船員が手製で作成したらしい

1320年代に韓国の新安沖で沈没した、東福寺の難破船から出土し
た、従来、五目並べ盤とされた、

将棋盤(?)も、遊戯具ではなくて、こちらの方が呪術具のカテゴリー
の物品として使われた可能性も、考えに入れる必要がある

ように、私には思えてきた。根拠としては、

(1)15×15升目盤であり、5線ごとに、はっきりと聖目が打た
れている点が、気晴らしの道具にしては、意味ありげに見える事。
(2)左右辺の袖にだけ、升目のない空白部があり、これ自身を飾り
付けの際の関係で、そのようにする必要があったようにも、見える事。
(3)将棋駒が別途発見されているが、この盤の升目が少し細かく、
共出土の将棋駒が、使え無いものを、わざわざ作成している事。

は、挙げる事ができるように思う。
 将棋駒がしばしば、呪術具と区別がつきにくい場合が有るのと反対
で、ひょっとすると呪術具が、将棋の道具等をモデルにしているため
に、将棋道具と間違えられている例が、ひょっとしたら有るかも知れ
ないと、船霊の写真を見て私は考えるようになって来た。(2017/12/19)

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