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チャンギの駒の向きは、動く方向を示すためのものが有る(長さん)

前に、朝鮮チャンギの駒が八角形なのは、八卦思想が日本よりも強い
ためと述べた。しかし最近、チャンギの駒の製作者は、少なくとも
現代では、八卦の硬派主義者ばかりではないことは、確かとの証拠を
得た。日本の五角形将棋駒では、字が2短辺の角を真ん前に、それに
対して書かれるのが普通である。しかし、少なくともオモチャのレベ
ルの朝鮮チャンギ駒では、

角方向を上にして字を書くのは、駒のうち車と卒と恐らく兵の3種類
に限られる場合がある

らしい。私はこの事実は、日本海に面した秋田県能代海岸で、ビーチ
コーミングをされていた、杉原茂という方が、1988年頃に採集し
たという、日本で言えば、昭和の時代のチャンギの駒で知った。彼は
上記で示した駒種類のほか、象を採集しており、それは車や卒の字と
は違い、辺に垂線を立てた向きを上にして、

象や、恐らく馬は、車と兵卒とは、角度で22.5°回転させて、駒
名を書いている。

なおその他、楚と包の駒が拾われているが、これらは更に複雑で、
11.3°、つまり中間的になっているように、私には見える。
しかも、楚は角を真ん前にする状態で、字を右回転、包は左回転と、
逆であった。
 以上の駒は、一例でしかないので、恐らく韓国の駒の全部が全部、
上記のような、状況では無いとは思える。しかし、この事からは、

少なくとも現代の韓国で、チャンギ駒の生産者に、硬派の八卦思想家
が、余り多くは存在し無い事

は、確かではないかと思う。なお、硬派だとすれば、八卦と関連する
九星占いの図等からみて、上記の

象やおそらく馬の字の書き方が、正調

だとみられる。
 そしてこの例では、包や楚(玉駒)の向きは謎なのだが、

車と卒や恐らく兵を、日本の将棋のようにしているのは、進む向きが、
縦横である事を、表現しているのではないか

と、私には思える。つまり前回に述べたが、チャンギの駒の八角形は、
もともとは、八卦思想の影響で、その形になったのだが、少なくとも
一部では、

駒の動かし方と、更には進む向きを示すのにも、使われた証拠

ではないかと思う。ようするに、八卦の向きと合っているから、チャ
ンギの象駒と馬駒が、角の方向から22.5°回転させ、辺が相手面
と平行になるように、字を書いたのではなくて、

馬駒と象駒が、八方桂馬の動きである事を示すために、これらの駒だ
け、上記のような向きで字を書いている

場合がある、という事を示しているのではないか。以上のように、私
は韓国製の、オモチャのチャンギ駒を見て思うようになった。なお前
に、東京都台東区の日暮里駅前で開催された、世界の将棋まつりで、
私は本式の、チャンギ駒に接しているのだが。以上の点を不覚にも、
チェックせずに、終わってしまった。また参考までに、韓国国立国語
院編纂の、韓国伝統文化事典(2006)教育出版㈱のチャンギの項
に、盤駒の写真があり、やはり車が角を上、象や馬が、辺の垂線の向
きで、互いに22.5°ずれて、字が書いてある。他の調査も簡単だ
とみられるので、”回転したチャンギの車駒”等が、どの程度有るの
かについては、折を見て、更に調べてみようと考えている。

回転チャンギ駒.gif
駒の種類によって、駒名の字の向きが、一定していないチャンギ駒の例
(2017/12/27)

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