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踊りのルール。”N踊”を”N升目まで走り”との解釈の当否(長さん)

web上の駒数多数将棋の駒の動かし方ルールで、たいへん普及したもの
に、表題の踊りのルールで、たとえば3踊りを、”3つ升目を走れる”と
と、解釈したものがある。wikipediaの踊り駒のルールは、獅子
や、狛犬を除けば、そのルールで、ほぼ統一されている。
 コンピュータ将棋ソフトでも、このルールを取る物が、実は主流である。
たとえば前に紹介したHachu将棋の、後期大将棋版でも、飛龍や猛牛
は、このルールになっている。が、言うまでも無く、この踊りの解釈は、

たとえば、大阪電気通信大学の踊り解釈とは、大きく違う。

大阪電気通信大学の踊りは、間相手駒の取れる跳びであって、飛車・角の
ような走りの類では、無いからである。ここでは、走り類似の踊りルール
が、存在する理由と、根拠を、私が知っている知識として書き、最後に、
私見を加えてみる。
 まず弱い走りが踊りになっている理由は、私は個人的には未調査なのだ
が、”世界の将棋”という近年の書が、そうなっているというのが根拠と
聞く。そこで”世界の将棋”が、”踊り弱走り説”をとった根拠だが。
「象棊纂圖部類抄の金剛の説明で、”或四方三目踊不踊一目二目越馬”の
部分を”それぞれ四方三目踊る。ただし1目めや2目めに、他の駒が
ある場合には、その駒を跳び越える事ができない。”と解釈した」という
話が、たぶんwebだけに、出ているようである。

上記読み下しが正しいとすると、大阪電気通信大学のように、将棋纂図
部類抄の、(実際には、更に限定されて、摩訶大大将棋口伝の)踊りを
間駒の取れる跳びと考えるのは、間違い

と、いう事になる。
 以上が、外部情報である。なお、世界の将棋の著者の、踊りの解釈の根
拠を、著者自らが、どこかで表明しているという話は、今の所私の耳には
入って来無い。
 そこで、次に”踊り弱走り説”についての、私の考えを述べてみる。

これが古文書の曲解であったとして、良いルールである

と思う。というのも、大阪電気通信大学流の、鳳凰の跳びに、少し色を付
けただけと、私は個人的に思っている、跳びの類の踊りの場合、それに対
する守り方(相手)が、囲いをいろいろ工夫した所で、終盤、多くの場合
は、踊り駒に、同じように踊られて、玉が取られることに、だいだいは変
わりが無くなってしまう。それに対して、走り型の踊りルールなら、

玉の囲いを工夫すると、終盤に変化が出やすいと考える

からである。個人的な推定だが、

世界の将棋の著者は、上記の事を知っていて、踊りを跳びの類にするのが、
嫌だったのだろう

と、私は思っている。では、走り型の踊りで行くと、全てが丸く収まるの
かと言えば、

将棋纂図部類抄の行然和尚まとめ部と、世界の将棋の走り型踊りは、残念
な事に、合って居無い

と、私は認識する。世界の将棋が、踊りを走りに弱めようとして考えた
根拠と私が見る

金剛の説明は、実質、将棋纂図部類抄には2箇所に、ミラーサイトのよう
に存在する

のである。つまり、同じ将棋纂図部類抄でも、

摩訶大大将棋口伝部の金剛の説明は漢文で書いてあるのだが、
行然和尚まとめ部の金剛の説明は、古文でカタカナでほぼ同じ内容がある

と、いう事である。しかも、摩訶大大将棋口伝部の金剛の説明を、web
の世界の将棋説の解説部のように、”それぞれ四方三目踊る。ただし1目
めや2目めに、他の駒がある場合には、その駒を跳び越える事ができない。”
と解釈する事が、行然和尚まとめ部からは、出来ない事は、明らかである。
ようするに、

”或四方三目踊不踊一目二目越馬”を、、”それぞれ四方三目踊る。ただ
し1目めや2目めに、他の駒がある場合には、その駒を跳び越える事がで
きない。”と読むのは、語訳

である。なぜなら、行然和尚まとめ部の漢文ではなくて古文から、

”或四方三目踊不踊一目二目越馬”の訳は、”(或イハ四方)三目ヲトル。
一目二目ハオトラズ(間の)馬(ヲ)越(ヘル)”

と読める事が判るからである。従って、webに一部意見が出ている、

大阪電気通信大学説に対する否定的な批判は、恐らく間違い

であって、将棋纂図部類抄にも、踊りが大阪電気通信大学の高見研究室の、
3踊りとは、3という数字(長さ)に、跳べる升目の限定された、跳び型
の説で正しいらしい事が、出ているようだと、私は解釈している。
 
私もゲームをするときには、踊りは弱い走り型が良いと考える人間の一人

だが、そうするには残念ながら、近代の改善という、カテゴリーでの変更
が必要だろうと、今の所思っている。(2018/01/19)

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