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砲筋が車筋の内側の、11×11路34枚制北宋象棋を指してみた(長さん)

少し前、11路の北宋将棋(プロト・シャンチー)について、車筋の外に、
更に砲筋を付け足した形の、32枚制のバージョンのチェックをした。その
際、少なくとも岡野伸氏の自費出版書「世界の主な将棋」には、プロトシャ
ンチーが、もう一タイプ記載されているとの旨も、紹介した。そしてそれは、
下の写真のように、

34枚制北宋象棋.gif

砲筋が車筋の、今度は内側に有って、兵卒が1枚づつ増加し、11×11路
34枚制北宋将棋(②)と、呼べるようなものであった。玉駒の頭が、32
枚制北宋将棋(①)に比較して、がら空きなため、こちらの方が、更に攻め
が単調になるだろうと、①タイプのチェックのときに述べた。だが、気に
なったので、今回、あり合わせのもので、兵卒駒を1枚づつ作成し、写真の
ように並べて、実際に指してみた。
 結果を先に述べると、①と同じく、砲による横兵卒取りが、最初から
▲2四砲△10八砲以下出来、そのために歩兵を取り合った後で、既に述べた
ように、それぞれの帥・将駒の下の升目に、残ったもう一方の砲を移動させ
て、王手を掛けると、自明な急戦展開になって、

この象棋も、通常のシャンチーとは、似ても似つかない、展開が単調で、
出来の悪いゲームになってしまっている

事が判った。
 なお、初期の玉形が、シャンチーというよりは、チャンギに似ていたし、
玉形が危ないことは明らかだったので、帥将の動きは、シャンチーではなく
てチャンギの漢楚の動きに、変えてみた。結果は、焼け石に水だったと思わ
れた。また、少なくとも岡野伸氏の著書では、実際には、左辺”士”駒が、
wikipediaの後期大将棋の嗔猪の動きである、”偏”になっている。
しかしながら、このオリジナルルールは、他方の士(または裨)との連関が、
士が2個の場合よりも、更に悪くなって、囲いが一層崩れるので、今回は、
余計にひどくなるだろうと見て、採用しなかった。
 砲と車による寄せという、余りに単純なゲーム展開になるので、私の棋力
のせいかと疑い、ためしにその後、普通のシャンチーもチェックした。しか
し、相変わらず、こちらは駒が相乱れて、面白いゲームと感じられた。
 結果を見てしまえば、何でも無い事だったのだろうが、恐らく、

 ”砲筋を、独立には作らない、一定の位置に置いた配列に変える”という
最終的な答えに、シャンチーのゲーム・デザイナーが到達するのに、この
ゲーム成立のケースは、相当長い年月の混乱が有った

のかもしれないと、私には疑われた。(2018/02/03)

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