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普通唱導集大将棋には、別解が有るようだ(長さん)

前回最後の方で述べたように、15×15升目124枚制の、130
枚制後期大将棋を、4段目までに、押しつぶしたような、
プレ後期大将棋でも、普通唱導集第2節、”仲人に、嗔猪と桂馬で、
紐をつける駒組”が、可能かどうかを、実際に15升目盤に、四段組
の駒を並べてチェックしてみた。
 結果を先に書くと、
 予め嗔猪を堅行で守りながら、七段目まで嗔猪を上げる、駒組の仕
方の工夫が、この124枚制のケースには要る。が、普通唱導集の、
第2節に書かれた、相手右角の、タスキがけ走りの攻撃を避けるため
と見られる、仲人位置で、利きを止める陣を組むのは、13升目で
108枚制の場合と同様、15升目124枚制でも、一応可能なよう
であった。つまり、普通唱導集大将棋には、普通唱導集の大将棋の古
文書の唱導内容の文言を満たす別解があり、

解が、ざっとで2つは有りそうだという

事になった。
 以下の写真は、124枚の駒を、前回の説明したように初期配列で
並べたものである。ぎっしりと、15升目に4段まで、駒が並ぶ。
前回説明したように、この124枚に、獅子2枚、悪狼4枚を加える
と、登場する駒は全部揃い、後期大将棋になるのである。

プレ大将棋.gif

続いて、下の写真が、普通唱導集の第2節を満たすように、”仲人と
嗔猪が腹を合わせ、桂馬を上げて支えた”ものである。
 ここで13升目モデルと違い、15升目モデルでは、仲人が守って
いるのが、横行ではなくて、袖の飛車になり、そのため仲人は、初期
位置から2升目上げて、角行筋に、当たるようにしているのである。
従って、前回の説明に加えて、後升目の歩兵も2歩動かしている。
 写真で赤い○で示したのが、両者の守りの右仲人、灰色の○が、仲
人と”腹を合わせ”ている嗔猪、青い○が”支え”ている桂馬である。

普通唱導集陣.gif

このケースは、以前示した13升目108枚制の仮説普通唱導集大将
棋と違い、成り麒麟を横行前の歩兵ではなくて、麒麟は、端筋から
真っ直ぐに進み、端列の飛車前の歩兵の地点で、獅子に成らせる作戦
になる。従って、飛龍は角行の動きではなく、”1目をば踊らず”の
踊りのルールに、なっていなければならない。飛車前の歩兵に、斜め
隣の飛龍が、更に利いていてはまずいのである。
 そこで、この将棋をさらに進めてゆくと、飛車を退けてしまうと
確かに成り麒麟を、飛車の前の歩兵の位置で、突入させる事ができる。

だから、普通唱導集の記載と、第1節の”飛車を退け”では、ドンピ
シャ

だ。ところが、13升目型から15升目型へ変えたときに、普通唱導
集から、小駒として導入された、猛豹と、恐らく中将棋の成立時に、
猛虎から改善されるはずの、盲虎という、小駒の改善が、このケース
には、当然だったかもしれないが、ディフェンスが、強くなりすぎる
という、効果をもたらす。特に、このゲームは、後期大将棋に近いわ
けであるから、後期大将棋型ゲームの守りに特徴的な、縦に2段目と
1段目に並んだ、下の写真の囲みの、猛豹と銅将の存在が大きい。

124終盤.gif

つまり、

飛車を退けても、成り麒麟攻撃だけでは、今回の将棋は通常、”勝ち
を取れ”ない、終わりにくいゲームになる

のである。その点だけがどうやら、

13升目108制型と、15升目124枚制型の違いによる、普通唱
導集の記載との、つじつまの合い方の差になる

ようだ。何れにしても、普通唱導集時代の大将棋が13升目の仮説
普通唱導集大将棋である事を証明するには、

”石将は無かった”等の、何らかの別の証拠が、更にあった方が良い

事は、ほぼ確実だとみられる。(2018/02/12)

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