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雲南博物館所蔵品を見て気がつく、その他の事(長さん)

少し前に、雲南博物館に所蔵されている大理市三塔出土のミニチュア仏が、
鎧等の武具の材料を名前にしていない、左将、右将を除いて、泰将棋の
将駒全種類について、素材が同じものが揃っている点を、指摘した。web
のサイトには、そのとき私が”現存しない”とした、塑製の仏(土仏)も、
出土していると記載されたものもある。今の所、カタログ等で、個人的に私
は、土将に対応する、大理国の土仏の像は確認していない。
 さてその他、雲南博物館の所蔵品カタログには、本ブログの言う、
(仮説)普通唱導集大将棋等に関連して、次の情報がある。すなわち、

青銅の鋳造品として、時代は宋よりずっと古いものだが、牛、虎、猪等が、
”獣同士の喰い争いをしている様子を描いた姿”として造形された物がある

というものである。時代は大理国の時代よりもずっと古く、物によっては、
漢代以前に遡るものであるとの話である。また、出土したのは大理市等では
なくて、全体として、雲南省か、中国南部で製作された物とされる。なお、
同一系統の鋳造品で、
人、特に簡単な武器を持つ群集のような集団が、多人数で争っている姿を、
彫ったように見える造形物も、雲南博物館カタログには併せて載っていて、
これらが将棋系のゲームとの関連性を、多少だが匂わせる。
 元に戻すと、今述べた”動物同士の争いの造形品”で大事な事は、少なく
とも日本に来ている、雲南博物館のカタログには、十二支のうちで、
鼠、兎、蛇、羊、猿、鶏、犬が、他の動物種と喰い争いをしている形のもの
の数は、目立たないという事である。
 この中では蛇が脇役で素材となり、ヤギはヤラレ役、猿が一例ある。が、

鼠、兎、鶏、犬は、今の所見当たらない。

つまり、龍と馬も実は無いので、これらは別格で加わっているとすれば、
普通唱導集時代の大将棋に有ったと、本ブログでは、独自に推定する、

猛牛、猛虎、嗔猪に対応する動物に関して、喰い争いの立体造形の数が多く

て、十二支で、その他の動物、たとえば鶏や犬が、他の動物と、喰い争い
しているものが、日本に来ている、雲南博物館の遺物の展示品に関して、
余り紹介されていないように、見えるのである。なお、十二支以外では、
ヤラレ役で鹿が多く、後期大将棋の狼と、虎と区別がつきにくいが豹が、
後二者についてはかなりの数、摩訶大大将棋等の熊と見られる物が、1つ
有り、猫は無い。
 つまり、時代は北宋より古いわけだから、こうした青銅品は、

置物として、たとえば大理国の宮中に、かつて飾ってあった可能性も有る

と、言う事だろう。どこで、どうして日本人が、それを知ったのかは謎だが、
普通唱導集大将棋や後期大将棋の作者は、大理国の宮中で、動物が闘争の図
として登場し、かつそうした造形物の美術品で使われている主な動物が、
虎、狼、豹、そして、やや

雲南博物館の出土遺物の、数の多さが不思議だが、牛と猪である

事を知っていたようだ。そして、既に平安大将棋に有った、龍や馬は別と
して、また虎は、だぶってしまうが、牛、猪、狼、豹だけを、新たに
選択的に、それ以前の大将棋に対して加えたことを、匂わせているようにも、
私には見える。
 そもそもどうして、中国南部にも、中央アジア起源との解説のある、
”動物闘争図”を、立体美術品の素材として使う文化が有るのか、私には
不明だが。雲南省博物館の、以上の展示品については一応、事実として記憶
だけは、しておこうかと、私は考えている。(2018/02/18)

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