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兵のチェスポーン式斜め駒取り。宝応~平安将棋の何処で消失したか(長さん)

木村義徳、元の将棋博物館館長の「持駒使用の謎」を読むと、日本の将棋
は上陸時には、平安小将棋とは、かなりルールが違い、その調整のために、
かなり早く伝来しないと、つじつまが合わないとの旨書いてある。それに
対し本ブログでは、もともと西暦850年前後の本ブログ独自の見解に
よれば、”雲南の王室で指されていた”宝応将棋が、飛車動きの上(象)
将を削除し、玉将を入れて、銀を2枚にすれば、平安将棋になるような
形をしていた。そしてまた、後の中国ウイグル自治区から、雲南への、ホー
タン玉(ネフライト)加工文化の伝来は、唐が五代に移り、吐蕃も弱れば
時間の問題だった。そこで、玉将の加入で上(象)将が追い出されるとい
った必要なゲームの変化は、現地、雲南に任せておいてよかった。だから
日本人は、宝応将棋が平安小将棋へ雲南で、現地の人間の手で進化してか
ら、結果だけを輸入すればよかった。ので、

指摘の日本国内での、進化の時間は不要のはず

だとの見解になっている。
 実際、これまでの本ブログの見解によれば、日本に雲南の大理国の原始
平安小将棋(片方酔象残り型)が、恐らく北宋交易商人の周文裔親子によ
って、酔象が取り除かれる形で伝来してから、大宰府の武家が中心と
みられる、日本人がした、ゲームのルールとしての改良は、”裸玉の自殺
手に対する優先ルール”の設定位ではなかったのか、というものであった。
 しかるに、宝応将棋の更に源流とみられる、インドの四人制時代の二人
制チャトランガには、歩兵のルールで、表題のように、現在のチェスのポー
ンのルールと同じく、これで相手の駒を取るときには、単に空升目上を前
進するだけの場合とは異なり、斜め前に進んで、相手の駒を取るという、
ルールになっていたと、推定されている。
 では、このチェスポーン型の相手駒、斜め前升目取りルールが、仮に、

宝応将棋には有ったとして、8升目原始平安小将棋(酔象なし。取り捨て)
に無いとしたら、どの段階で誰が、現行の、日本将棋の歩兵の動きに変えた

のだろうかというのが問題になるだろう。それが今回の論題という訳であ
る。
 そこで、さっそく結論から書くと、答えは驚くべきもので、実は

日本に平安時代の将棋が上陸してから、チェスポーン型の歩兵は、日本の
歩兵にルール変更された可能性も有り得る

よう、という事になるのだ。つまり、現行の歩兵のルールは

日本人が発明したもので、雲南ではいつも、歩兵は、相手駒を取るときに
は、斜め前に進んでいた可能性が、否定できない

というものである。根拠は、実際に指してみると判るというものだが、原
因は、

角行動きの、後に興福寺等で酔象と命名された象が、2枚とも銀に交換
された結果、歩兵の斜め取りルールがあると、序盤から繰り出される攻撃
駒としての、隣接升目にしか動けない銀将の、序盤での働きが、大いに
阻害され、駒の動きが全体に悪いだけでなく、歩兵が幾つも敵味方頭同士
で合い当たりした状態で、盤面に残ってしまい、駒捌きも、はなはだ悪く
なるので、歩兵は前で駒が取れるようにした

というものである。それに対して、仮説大理国将棋のように、右銀が、
角行動きの、推定興福寺11世紀ルール酔象に交換されると、角行は動き
が大きいために、

自身が、斜めに動く歩兵が邪魔にならないだけでなく、歩兵は象に喰われ
て、ポーン歩兵の斜め駒取りルールのために、頭同士が当たって固まって
しまった、敵味方計2枚の歩兵の対を、余り作らない

ようなのである。従って、周文裔から、兵駒のルールを正確に聞いた後に、
大宰府の警護役(刀伊の入寇のときには、主力部隊)の武士の溜まり場で、
写経所僧侶の発明作品の、五角形の経帙牌駒将棋を指しているときに、

日本人が、勝手に歩兵のルールを、前に進むだけに変えてしまった

可能性が、否定できないという事に、なってしまった。
 なお、ポーン型兵の中盤ぶち当たり、頭同士が当たって固まってしま
って生じた、無駄な歩兵駒の多発については、銀へ象を全部交換した当
の、周文裔親子が気が付いていて、

意識的に、歩兵のルールを、簡略化して、日本人に伝えている可能性も
有り得る

とは思う。何れにしても、歩兵のルールの変更は、道具を変えなくても
できるから、判ってしまえば、とっとと変えてしまったはずである。
ただし、これで将棋自体はかなり、様子が変わる。ので、どうしたらよ
いのか、解決策に気が付くのが、短期間であったかどうかは謎である。
上記のルール変更を、比較的短時間でしたとすれば、実際にした、プレー
ヤーやゲームデザイナーの能力は、とても高かったと言えると、私は
驚愕している。(2018/03/03)

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