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普通唱導集の大将棋唱導。何故堅行奥の嗔猪を繰り出しているのか(長さん)

普通唱導集の大将棋第2節は、15升目の後期大将棋を当てるにしても、
本ブログのように、13升目の仮説その時代の大将棋を仮定するにして
も、仲人を支える嗔猪は、縦走りの堅行の下から、繰り出してゆく事に
なる。そこで、常識的にそうするには、堅行の前の歩兵を、わかり易く
は、自陣の仲人より2段上、すなわち、将棋種は13升目だろうが、
15升目だろうが、中央段まで、上げておかなければならない。ついで、
堅行をその下の升目に走らせてから、嗔猪を1歩づつ上げ、仲人の横で、
腹を合わせるのである。一見するとこのとき、もし、嗔猪の上段に、
初期配列で、堅行がもともと居なかったとしたら、陣地を作るのが3手
早くて、更には歩兵・堅行のでっぱりが無く、自然なようにも見える。
当初、これが多少、

13升目普通唱導集大将棋のモデルの難点になりはしないか

と、私には気になっていた。つまり、角行・堅行・横行の行駒3つ組は
必要不可欠な角行と、平安大将棋にも有る横行の存在が確実なら、確か
に存在が自然なのであるが、

間違いなく堅行は、13升目の仮説普通唱導集大将棋に存在したのだろ
うかか

という、疑念が有ったのである。しかしその後、この疑念は少しずつ
晴れてきた。理由は、普通唱導集型の斜め走り駒の、タスキがけ攻撃に
は、龍馬2枚と角行2枚を、同じ筋で攻める、少し前に説明したやり方
とは別に、下の写真のように、龍馬の筋を角行とは筋違いにして、隣の
嗔猪の筋に当て、龍馬で、相手の守り駒の嗔猪を取り、嗔猪の仲人への
守りから外してしまう手が有るのに、気が付いたからである。

第2節.gif

すなわち、そのとき、

嗔猪には、焦点の仲人ではなくて、別の、この場合は堅行で、紐を
つけておく必要があった

のだった。写真のように、攻撃側の後手は、少し前の15升目の後期大
将棋で説明したように、角行×2、龍馬×2で、普通唱導集、大将棋の
第1節型の攻撃の準備を仕掛けてきている。先手はここでは普通唱導集、
大将棋の第2節型の陣を、仲人の回りに作成して、守りを固めたところ
である。ただし前とは違って、後手は、4つの斜め走り駒を、同一筋に
置いて、焦点・先手仲人位置には、攻撃を掛ないで、2枚の龍馬をその
筋を変えずに進めて、角行の筋とは、一つ筋違いになるようにし、仲人
の隣の、嗔猪に当てた所である。このとき、先手の嗔猪には、変則的な
形だが、上段の堅行が、繋ぎ駒になっている。実は、この堅行が無いと、
先手の端は破れる。しかしながら実際には、この堅行の存在のおかげで、
後手の斜め走りの龍馬が、1枚余計に消耗するので、先手の陣は破れな
い。むろん、このようなケースに、

先手の右嗔猪を取った後手の龍馬を、右仲人で取り返すのは、たとえ
仲人が、”「或説」では無い正しい説で、傍へ行けるルール”であった
としても、写真の後手二枚角で、先手陣が崩されるので論外

である。仲人はそもそも、この攻め側の作戦では、守り方は動かせない
のではないか。つまり、少なくとも普通唱導集時代の大将棋に関しては、

仲人は、平安大将棋の注人の、前後歩みのみのルールのままでも、平気

と私は見る。
 すなわち、写真より以下は、次のように進行すると見られる。
△3九龍馬▲同堅行△同龍馬▲9九歩兵△4九角行▲同歩兵△同角行
▲同桂馬△同龍馬▲3十二鉄将△3十一龍馬▲同鉄将。
このように12手進むと、後手は、斜め走り駒を4枚使いきったが、
それでも先手の袖は、かろうじてだが、破れてはいないのである。
 以上の事から、

普通唱導集大将棋の13升目モデルでも、嗔猪の前の自然な堅行の存在
は、陣を組むには手間がかかるが、役に立つ場合がありうる

と、結論される。そこで、この堅行の存在自体が、自然なものであると、
今度は逆に仮定すると、それが嗔猪の前方で、その繋ぎ駒になるから、
普通唱導集の大将棋第2節の、仲人陣戦法が成立すると言う事になる。
という事は逆に、角行の内隣に、それが無ければ、嗔猪が喰われて陣が
崩れてしまう、

龍馬という駒が、西暦1300年頃の鎌倉時代後期に既に、存在する事
の方を、確定付けている

と私は考えるのである。(2018/03/15)

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