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9升目42枚制朝倉小将棋は、なぜ指されたのか(長さん)

9升目42枚制の日本の小将棋の話題を出したからには、表題の件
の解明が、避けて通れないだろう。
 なお、ここで9升目42枚制朝倉小将棋というのは、小将棋とも
称される将棋で、以下の初期配列のゲームの事である。

三段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
二段目:口口角行口口口口酔象口口口口飛車口口
一段目:香車桂馬銀将金将玉将金将銀将桂馬香車

なお、酔象は、相手陣3段目を基準として、その将棋ルールで太子に
成り、太子は玉駒であって、

太子があれば、玉将が無くても、負けにならない

という、将棋である。
しかし、なぜこのようなゲームが発生したのかと言う問題を解くのは、

実は容易ではない。

そもそも、一乗谷朝倉氏遺跡から、これほど明解に、この将棋の存在
が証明され、前に述べたように、室町時代の謡曲「文禄本幸若(舞)
信太」でも唄われ、江戸時代の詰め将棋にも痕跡が残り、江戸時代
の将棋書でも、取り上げられるほど、存在は明確なのだが、この将棋が

これほど流行った理由が、少なくとも私には、さっぱり判らない

のである。朝倉小将棋を、室町時代の謡曲流に、取り捨てルールで指
しても、普通日本将棋のように、玉と太子の所有が、次々に入れ替わ
るのを承知で、持ち駒ルール有りで指しても、実際に指してみると、

「太子を作る」という戦術が、余りにも防御側にとって有利なため、
ゲームとしてのバランスが、全く取れない

のが、当たり前だと見る。この将棋を止めさせたと伝えられる、後奈良
天皇が、英雄視される所以である。
 実際この将棋を何度やっても、まともな将棋が出来るような気が、
私には全くしない。現在通常やられている、持ち駒ルールの禁手条件
を変えて、

酔象は打てないとする

というのが、西暦1500年以降の将棋のルールとして、全く不自然
だが、そうするより無いような気が、私にもした。(2018/03/22)

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