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日本将棋と同等の性能を持つ、9升目38枚制将棋の作成(長さん)

前回・前々回と、9升目42枚制朝倉小将棋について、その発生要因を
問題にした。何れにしても、朝倉小将棋の存在は、42枚制の将棋ゲー
ムが、ありきたり、との印象を与えるものである。なお以前に、本ブロ
グでは同じ9升目で、持駒有りルールでも、40枚制の馬将棋、42枚
制の大局将棋の駒を加えた新将棋ゲームを、作成した旨だけを報告した。
 そこで今回は、40枚でも42枚でも無い、加える駒が双方に1枚づ
つだけの38枚制で、日本将棋と、性能的に同等のゲームが、出来ない
かどうかを考えて見たので、結果を報告する。
 いつものように、まず結論を書く。以下の9升目38枚制将棋は、日本
将棋に比べて、ゲームの進行度、攻撃防御のバランス、ゲームとしての
難易度等で、余り遜色が無いように、思われるという結果となった。
すなわち、その将棋の初期配列は、以下のようになる。

三段目:歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵歩兵
二段目:口口口口口口口口車兵口口口口口口口口
一段目:香車桂馬銀将金将玉将金将銀将桂馬香車

また、成ると各駒は、次のようになる。
三段目:金将金将金将金将金将金将金将金将金将
二段目:口口口口口口口四天王口口口口口口口口(四天王は隣接居喰型)
一段目:金将金将金将不成不成不成金将金将金将

前の2タイプの将棋同様、標準型平安小将棋部である、1段目と3段目
のルールは、全く変えて居無い。なお、成り条件、持駒ルールとその禁
手条は、現行の日本将棋と同じとする。問題は、四天王成り車兵のルー
ルであろう。この駒は、wikipediaに記載されたルールの通り
の四天王に、敵陣3段目を基準として、日本将棋のルールで成る、
比較的良く知られた、天竺大将棋の車兵とした。
 すなわち、元の駒の車兵は、前後と斜めの6方向に走り、横へは2升
目だけ走る。横は3升目以上へは行けない、走りであって、駒は普通
の走りと同じで隣接升目を飛び越せないが、その左右の隣接升目でも、
元駒は、止まる事もできる。
 次に成り駒の四天王は、このケースは、天竺大将棋の車兵の成りとし
た。すなわち、元駒の車兵に有った、前後と斜めの6方向への動きにつ
いて、隣接升目で停止が出来なくなる。なおその隣接升目については、
それに限り、今度は跳び越えができるようになる。すなわち、隣接升目
を跳び越えるが、そこで停止出来ないと言う2点で異なる、ほぼ走りに
近い駒とした。
 次に、左右横へは今度は3升目まで、2升目、3升目と、2通りの場
合について停止ができる条件で走る。また、特別に隣接升目の駒は飛び
越せる。だから、2升目先には跳べ、3升目先には、隣接升目を跳び越
えてから、2升目先に着地し、次いで走ることが出来る。ただし横は、
4升目以上へは行けず、2升目先からは、跳び越えもできない。つまり、
横への升目制限走りも、隣接升目では停止はできない。

その代わりに、停止出来なかった計8方向の隣接升目へは、相手駒を
居喰いして、元の升目へ戻れる、獅子のような動きが新たに発生する。

即ちwikipediaの天竺大将棋の四天王は、隣接升目へは、居喰
い型であって、前に本ブログで、古文書の、より自然な解釈として紹介
した、相手駒凍結型にはしない。なお、wikipediaの四天王
(天竺大)ルールは、成書「世界の将棋」と、ルールが等しいと、聞い
ている。ここで、成りの四天王を、隣接居喰い・非停止型にしたのは、
相手駒凍結型では、攻めが強すぎ、即詰みになるので、止めるという
調整の結果である。また、

四天王が隣接升目で停止できない等というルールにより、この将棋は、
寄せが複雑になり、ゲームの良い性能は、ほぼその点だけで発生

する。
 実際にゲームをしてみると、今述べたように、四天王が隣升目で止ま
れない事だけで、ゲームの面白さが出ているという、印象の強いもので
ある。天竺大将棋を指しなれていて、四天王の取り扱いに慣れている方
には、さほどの目新しさは、あるいは感じられないのかもしれないが。
もっとも、天竺大将棋では、火鬼の活躍に隠れて、四天王の存在は、幾
分地味である。だから日本将棋系に、この元駒の車兵を、一点豪華な
大駒として導入すると、意外に面白いという点に、気が付いた方は、
過去、恐らくほとんど居無いだうと私は思う。
 以上のように、日本将棋とほぼ同等の性能があるとみられる、持ち駒
ルールの小将棋系は、日本将棋とは別に、38枚制、40枚制、42枚
制と、3通り存在できそうであった。にもかかわらず、現実に日本将棋
が40枚制なのは、たくさんの将棋種の中で、淘汰が行われたのではな
くて、

やはり、日本は龍の守る国という信仰が、大衆にも朝廷にもあったせい

で、最初から成り龍王飛車と、成り龍馬角行が平安小将棋(持駒ルール
有り)に加わった、40枚制の日本将棋、ありきだったのではないかと、
私には、いよいよもって、疑われてきたのである。(2018/03/24)

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