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和将棋の「草かんむり隹(すい)歩」とは何者か(長さん)

和将棋は、江戸時代の将棋書、たとえば松浦大六氏筆写の、象戯図式
で駒の動かし方のルールや、初期配列が説明されている。日本将棋と
名前がほとんど、オーバーラップしない事で、有名である。駒名自体
は、概ね尤もらしいのだが、兵駒に当たる、表題の”草かんむり隹歩
(すいほ)”が、少し前に本ブログで取り上げた、大大将棋の奇犬と
並んで、意味の取りにくい駒名として有名である。ここでは、再び
諸橋大漢和辞典により、この”すいほ”の謎、すなわち、これはいっ
たい何者なのかについて、解明を試みたので報告する。
 回答を何時ものように、先に書くと、

”すいふ”は読みが間違いで、本当は”かんふ”。鳥の”みみづくの
一歩歩み”の意味である。

ここで大切な点は、

「草かんむり隹(すい)歩」は、”誤字”だという事である。

正しくは、”┤├かんむり”に隹と書いて”かん”と読む字に歩であ
ると言う事だ。つまり、”かんほ”の”かん”は、諸橋大漢和辞典に
よると、草かんむり(++や、サ)ではない。鳥の”みみづく”の毛
角が、耳のように出ているのを、”┤├かんむり”で、表現したもの
だという。だから、”┤├かんむり”に隹で、”みみづく”の意味で
ある。
 なお、松浦大六氏筆写の、象戯図式には、正しくこの字が書かれて
いる。なぜなら隹のかんむりが、収録された”将棋Ⅰ”で良く見ると、

松浦大六氏の筆跡では、”++”には、なって居無いからである。

つまりこの事から、松浦大六氏には、この字が正しく”みみづく”と
読めた事が判る。昔の人は、たいしたものである。
 ちなみに、表題の「草かんむり隹(すい)歩」の草かんむり隹は、
”草むら”等の意味であり、

「草かんむり隹歩(すいふ)」では、草むらの中をヨロケながら歩く

事になるので、歩兵の動きのイメージからは遠く、webに書いてあ
るように、確かに意味不明となる。本当は、この”かんふ”は、”鳥
の、『みみづく』が歩くように、ごく僅かしか進まない”との意味が、
こめられているのだろう。残念ながらweb上では、どちらの字も、
全く表現できない漢字だったと、いう事にはなるのだが。
 何れにしても、諸橋徹次著の大漢和辞典(西暦1958年発行)は、
レアーな漢字まで良く出ているものだと、今回はさすがに感心させら
れたのであった。(2018/06/14)

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