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狛犬中将棋はなぜ、先狛犬の規則が問題にならないのか(長さん)

前に述べたように、獅子中将棋とは異なり狛犬の中将棋では、
先狛犬の規則を作ったとしても、使われる局面がほぼ表れな
いと考えられる。
 以下に実例として、狛犬中将棋の仕掛局面の例を示す。

01_05_1.gif

 蛇足だが今回の狛犬中将棋では、
1.元の駒で獅子に当たる駒を、狛犬に変えただけで、残り
の駒は同じ。
2.成りも獅子の中将棋と同じ
である場合を示す。
 以下に、序盤から中盤への変わり目となる、狛犬中将棋の
局面の一例を示す。
 獅子の中将棋と、大きく異なる点は、

狛犬は居喰いは出来ないとするので、前出しする意味が無く、
仕掛局面で、最上段に出て居無い

事である。つまり居喰いできないと、無理に相手駒を取ろう
として高跳びすれば、相手駒の餌食になるから、そのような
手を指す準備をしないのである。
 また、良く見ると、歩兵列の駒が、狛犬に居喰いされる心
配がほぼ無いので、獅子の中将棋のように、横一線に最前列
の兵駒を並べるような指し方を、する必要も無い。
 以上の2つの理由で、先狛犬の規則が適用されるような、
相手走り駒に、狛犬が当てられる事が、ほぼ無いと考えられ
るのである。なお、歩兵を横一線に並べると、狛犬は進むか
後退するしかなく、横に跳んで逃げにくくなるので、相手の
攻め駒に、取られやすくなる。むろん、獅子の2升目跳びに
比べて、狛犬は3升目跳びと、跳ぶ距離が長いので、逃げ足
自体も速い。以上3つの理由で、獅子の中将棋のように、狛
犬の中将棋は、先狛犬の規則を作っても、面白みがほとんど
変わらないと見られる。
 なお以下も蛇足だが、狛犬中将棋の玉囲いは、獅子中将棋
のように、玉の逃げ道を、全く塞いではいけない。なぜなら、
狛犬は獅子よりも1升目、射程距離が長いので、終盤、玉将
をギッチリ囲って、動けなくすると、生き埋め詰めの、トン
死筋が発生するからだ。
 写真のように、先手陣で金将、後手陣で麒麟が、予め動い
て玉の周りに、空き升目を作っているのはそのためである。
 なお、写真の例では、この局面までに▲6七龍馬と狛犬取
りを掛け、それを後手が△7六龍馬と防いだ所である。斜め
走り駒同士が、日本将棋と同じく、獅子の中将棋とは異なり、
狛犬中将棋では、たいてい最初にぶつかり合うケースが多い
のだろう。なお、先手は次の手で、▲1九横行(1十)と、
端筋を固めてくると見られる。(2019/01/05)

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