普通唱導集時代の大将棋は、摩訶大大将棋も生んだ(長さん)
これまで本ブログでははっきり名言して来なかったが、
ひょっとすると、後期大将棋と摩訶大大将棋には、どち
らがどちらであるにしても、親子関係が無いのかもしれ
ないと思えてきた。今回は今述べた事について、説明す
る。
後期大将棋と摩訶大大将棋は、兄弟なのかもしれない。
なお、彼らは3人兄弟であって、中将棋が兄か弟として
存在する。
前に述べた、17升目168枚制の中間的プロト摩訶
大大将棋のモデルが正しいとして、更にそれを遡ると、
後期大将棋ではなくて15升目自陣5段の潰れた状態の、
プロト後期大将棋と類似の、以下のような潰れた、
17升156枚制潰5段自陣プロトプロト摩訶大大将棋
から、摩訶大大将棋が出来たと考えられるように、私に
は思えてきたのである。
17升156枚制潰れ5段自陣プロトプロト摩訶大大将棋
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,玉将,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
反車,猫叉,嗔猪,古猿,臥龍,猛豹,悪狼,盲虎,酔象,盲虎,悪狼,猛豹,蟠蛇,淮鶏,嗔猪,猫叉,反車
口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,口口,鳳凰,口口,麒麟,口口,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口
飛車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,獅子,奔王,狛犬,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,飛車
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
飛車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,狛犬,奔王,獅子,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,飛車
口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,口口,麒麟,口口,鳳凰,口口,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口
反車,猫叉,嗔猪,淮鶏,蟠蛇,猛豹,悪狼,盲虎,酔象,盲虎,悪狼,猛豹,臥龍,古猿,嗔猪,猫叉,反車
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,玉将,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
前に述べた、17升目168枚制6段自陣プロト摩訶大大
将棋へは、これに、金剛、力士、左車、右車、驢馬×2を、
両方の陣に加え、156枚に12枚足して、168枚にす
ると、到達する。
17升168枚制6段自陣プロト摩訶大大将棋
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,玉将,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
反車,猫叉,口口,古猿,口口,猛豹,口口,盲虎,酔象,盲虎,口口,猛豹,口口,淮鶏,口口,猫叉,反車
驢馬,口口,嗔猪,口口,臥龍,口口,悪狼,鳳凰,獅子,麒麟,悪狼,口口,蟠蛇,口口,嗔猪,口口,驢馬
口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,口口,金剛,狛犬,力士,口口,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口
飛車,右車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,奔王,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,左車,飛車
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
飛車,左車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,奔王,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,右車,飛車
口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,口口,力士,狛犬,金剛,口口,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口
驢馬,口口,嗔猪,口口,蟠蛇,口口,悪狼,麒麟,獅子,鳳凰,悪狼,口口,臥龍,口口,嗔猪,口口,驢馬
反車,猫叉,口口,淮鶏,口口,猛豹,口口,盲虎,酔象,盲虎,口口,猛豹,口口,古猿,口口,猫叉,反車
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,玉将,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
こう考えられる根拠は、
今小路西鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札が獅子と狛犬
との対称性を強く示唆
している点である。
狛犬は、獅子と右と左に並んだ形で最初に駒数多数将棋
に導入されると見るのが、
今や全く自然
だ。この狛犬と獅子の導入は、15升目から17升目化し
たときに、5段自陣のままの場合は、角行筋が、タスキで
相手の仲人に当たり、その先の堅行前の歩兵を、横飛で支
えるという形の陣を維持しようとすると、仲人間の列数の
増加が必然になり、よって、2列余計にある分、狛犬と獅
子が必要になるという仕組みで発生する。配列を良く見て
ほしい。
従って、車列でも無いのに、左右車が最初から有るのは
不自然だから、それは後入れであり、1列内にズレたと見
るべきだ。つまり、元々、
摩訶大大将棋で鉤行と摩羯が入っているパターンで、獅子
と狛犬が並んでいた時代が、進化の中途に有ると疑われる
と言う意味である。
ちなみに、この
17升156枚制潰5段自陣プロトプロト摩訶大大将棋は、
①陣の形が、同じ17×17升目の大大将棋に似ている
②17升168枚制6段自陣プロト摩訶大大将棋に比べて、
17升156枚制潰5段自陣プロトプロト摩訶大大将棋は、
駒数が12枚少ないので、後期大将棋が130枚である
理由に関する、本ブログの以前の議論とは合う。
③臥龍と古猿、淮鶏と蟠蛇が、全部同じ段になり、
完成した摩訶大大将棋と同じである。
④摩訶大大将棋で土将を作って、桂馬を上段にしたのが、
この段階で、後の4段目になる列の駒に不足が有った為で
ある事が良く判る。
という、特徴がある。ただし、一方78枚づつという駒数
は、前に述べたが、暦とは関連しない。
ちなみに、後期大将棋の成立のときに述べたが、
猛豹と悪狼、嗔猪と猫叉が、この
17升156枚制潰れ5段自陣プロトプロト摩訶大大将棋
に於いても逆で、後に入れ替えられた可能性が、高い。
この点については、ごちゃごちゃするので、上の説明図で
は、現在の配列になるように、予め入れ替えて作ってある。
何れにしても重要な点は、
13升の普通唱導集の大将棋を4段で潰れた自陣の形のま
まで、15升目化しようとしたときに、同様のパターンで、
3段目は新たに作ったものの、5段自陣の潰れた自陣の
17升目の将棋を作ると、摩訶大大将棋の元が出来そうだ
という点だろう。
つまり、冒頭で結論したように、
後期大将棋と摩訶大大将棋は、どちらがどちらにしても、
親子ではなくて、中将棋も入れて3人兄弟だった、
もしくは、
中将棋、後期大将棋、17升目168枚制6段自陣プロト
摩訶大大将棋が3人兄弟で、摩訶大大将棋は、
17升目168枚制6段自陣プロト摩訶大大将棋と、
どちらがどちらかは別にして、親子だった
という可能性がありそうだ。
大阪電気通信大学の高見友幸氏の先見と、
今小路西鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札の発掘で、
獅子と狛犬との対称性が、今や確定化したという事が、
以上の議論には、たいへん大きな影響を及ぼしたと考えら
れる。(2019/02/28)
ひょっとすると、後期大将棋と摩訶大大将棋には、どち
らがどちらであるにしても、親子関係が無いのかもしれ
ないと思えてきた。今回は今述べた事について、説明す
る。
後期大将棋と摩訶大大将棋は、兄弟なのかもしれない。
なお、彼らは3人兄弟であって、中将棋が兄か弟として
存在する。
前に述べた、17升目168枚制の中間的プロト摩訶
大大将棋のモデルが正しいとして、更にそれを遡ると、
後期大将棋ではなくて15升目自陣5段の潰れた状態の、
プロト後期大将棋と類似の、以下のような潰れた、
17升156枚制潰5段自陣プロトプロト摩訶大大将棋
から、摩訶大大将棋が出来たと考えられるように、私に
は思えてきたのである。
17升156枚制潰れ5段自陣プロトプロト摩訶大大将棋
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,玉将,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
反車,猫叉,嗔猪,古猿,臥龍,猛豹,悪狼,盲虎,酔象,盲虎,悪狼,猛豹,蟠蛇,淮鶏,嗔猪,猫叉,反車
口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,口口,鳳凰,口口,麒麟,口口,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口
飛車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,獅子,奔王,狛犬,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,飛車
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
飛車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,狛犬,奔王,獅子,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,飛車
口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,口口,麒麟,口口,鳳凰,口口,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口
反車,猫叉,嗔猪,淮鶏,蟠蛇,猛豹,悪狼,盲虎,酔象,盲虎,悪狼,猛豹,臥龍,古猿,嗔猪,猫叉,反車
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,玉将,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
前に述べた、17升目168枚制6段自陣プロト摩訶大大
将棋へは、これに、金剛、力士、左車、右車、驢馬×2を、
両方の陣に加え、156枚に12枚足して、168枚にす
ると、到達する。
17升168枚制6段自陣プロト摩訶大大将棋
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,玉将,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
反車,猫叉,口口,古猿,口口,猛豹,口口,盲虎,酔象,盲虎,口口,猛豹,口口,淮鶏,口口,猫叉,反車
驢馬,口口,嗔猪,口口,臥龍,口口,悪狼,鳳凰,獅子,麒麟,悪狼,口口,蟠蛇,口口,嗔猪,口口,驢馬
口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,口口,金剛,狛犬,力士,口口,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口
飛車,右車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,奔王,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,左車,飛車
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
飛車,左車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,奔王,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,右車,飛車
口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,口口,力士,狛犬,金剛,口口,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口
驢馬,口口,嗔猪,口口,蟠蛇,口口,悪狼,麒麟,獅子,鳳凰,悪狼,口口,臥龍,口口,嗔猪,口口,驢馬
反車,猫叉,口口,淮鶏,口口,猛豹,口口,盲虎,酔象,盲虎,口口,猛豹,口口,古猿,口口,猫叉,反車
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,玉将,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
こう考えられる根拠は、
今小路西鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札が獅子と狛犬
との対称性を強く示唆
している点である。
狛犬は、獅子と右と左に並んだ形で最初に駒数多数将棋
に導入されると見るのが、
今や全く自然
だ。この狛犬と獅子の導入は、15升目から17升目化し
たときに、5段自陣のままの場合は、角行筋が、タスキで
相手の仲人に当たり、その先の堅行前の歩兵を、横飛で支
えるという形の陣を維持しようとすると、仲人間の列数の
増加が必然になり、よって、2列余計にある分、狛犬と獅
子が必要になるという仕組みで発生する。配列を良く見て
ほしい。
従って、車列でも無いのに、左右車が最初から有るのは
不自然だから、それは後入れであり、1列内にズレたと見
るべきだ。つまり、元々、
摩訶大大将棋で鉤行と摩羯が入っているパターンで、獅子
と狛犬が並んでいた時代が、進化の中途に有ると疑われる
と言う意味である。
ちなみに、この
17升156枚制潰5段自陣プロトプロト摩訶大大将棋は、
①陣の形が、同じ17×17升目の大大将棋に似ている
②17升168枚制6段自陣プロト摩訶大大将棋に比べて、
17升156枚制潰5段自陣プロトプロト摩訶大大将棋は、
駒数が12枚少ないので、後期大将棋が130枚である
理由に関する、本ブログの以前の議論とは合う。
③臥龍と古猿、淮鶏と蟠蛇が、全部同じ段になり、
完成した摩訶大大将棋と同じである。
④摩訶大大将棋で土将を作って、桂馬を上段にしたのが、
この段階で、後の4段目になる列の駒に不足が有った為で
ある事が良く判る。
という、特徴がある。ただし、一方78枚づつという駒数
は、前に述べたが、暦とは関連しない。
ちなみに、後期大将棋の成立のときに述べたが、
猛豹と悪狼、嗔猪と猫叉が、この
17升156枚制潰れ5段自陣プロトプロト摩訶大大将棋
に於いても逆で、後に入れ替えられた可能性が、高い。
この点については、ごちゃごちゃするので、上の説明図で
は、現在の配列になるように、予め入れ替えて作ってある。
何れにしても重要な点は、
13升の普通唱導集の大将棋を4段で潰れた自陣の形のま
まで、15升目化しようとしたときに、同様のパターンで、
3段目は新たに作ったものの、5段自陣の潰れた自陣の
17升目の将棋を作ると、摩訶大大将棋の元が出来そうだ
という点だろう。
つまり、冒頭で結論したように、
後期大将棋と摩訶大大将棋は、どちらがどちらにしても、
親子ではなくて、中将棋も入れて3人兄弟だった、
もしくは、
中将棋、後期大将棋、17升目168枚制6段自陣プロト
摩訶大大将棋が3人兄弟で、摩訶大大将棋は、
17升目168枚制6段自陣プロト摩訶大大将棋と、
どちらがどちらかは別にして、親子だった
という可能性がありそうだ。
大阪電気通信大学の高見友幸氏の先見と、
今小路西鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札の発掘で、
獅子と狛犬との対称性が、今や確定化したという事が、
以上の議論には、たいへん大きな影響を及ぼしたと考えら
れる。(2019/02/28)
大大将棋には、別バージョンは無かったのか(長さん)
いわゆる駒数多数将棋に関する六将棋をみてみると、大大将棋
の形が、大将棋と摩訶大大将棋の中間にしては、大きく形が違
う事が判る。摩訶大大将棋の19升目は、升目総数が361で、
一年の日数に近いからだと言えば、15升目の後期大将棋から、
17升目を飛ばして19升目の将棋が関連する事は、余り変で
は無いのかもしれないが。つまり、現行記録の残っている
大大将棋は、主な系統からは外れた、”後合わせ品”だったと
いう意味である。
しかしひょっとして、19升目から15升目を作るにしても、
その逆でも、17升目の将棋が有ったのだが、消滅してしまい
水無瀬兼成の安土桃山時代までは、残っていなかったという事
が、とにかく有りはしないのか。
今回は、その点をチェックしてみた。回答から書くと、
以下のような配列の将棋は、中間形として、一応相応しいも
のであるとみられる。
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,玉将,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
反車,猫叉,口口,古猿,口口,猛豹,口口,盲虎,酔象,盲虎,口口,猛豹,口口,淮鶏,口口,猫叉,反車
驢馬,口口,嗔猪,口口,臥龍,口口,悪狼,鳳凰,獅子,麒麟,悪狼,口口,蟠蛇,口口,嗔猪,口口,驢馬
口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,口口,金剛,狛犬,力士,口口,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口
飛車,右車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,奔王,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,左車,飛車
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
飛車,左車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,奔王,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,右車,飛車
口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,口口,力士,狛犬,金剛,口口,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口
驢馬,口口,嗔猪,口口,蟠蛇,口口,悪狼,麒麟,獅子,鳳凰,悪狼,口口,臥龍,口口,嗔猪,口口,驢馬
反車,猫叉,口口,淮鶏,口口,猛豹,口口,盲虎,酔象,盲虎,口口,猛豹,口口,古猿,口口,猫叉,反車
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,玉将,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
では、説明を加える。
どちらでも良いが、15から19の”小から大”の方が判り
易いだろうから、それで説明する。なお実際には、私は摩訶
大大将棋から出発して、上の配列の17升目将棋を作っている。
ともあれ、上の17升目×17升目将棋は、後期大将棋に、
臥龍、古猿、蟠蛇、淮鶏の非対称小駒で、12支風の駒を入れ、
仏教駒は、金剛と力士だけ入れで6段化し、足りない歩兵下列
駒として、横飛と左右車を入れ、更に驢馬を加えるとだいたい
できる。重要な事は、
驢馬で調整して、この17×17升目将棋は、片方の駒数が、
暦の72候と12月を足した84枚になる
という事である。つまり、一応は尤もらしい駒数総数だ。
ちなみに、摩訶大大将棋には、これに、
提婆、無明、夜叉、羅刹、鉤行、摩羯、盲熊×2、老鼠×2、
それに歩兵×2が入って到達する。12枚ずつで24枚なので、
合計は168枚から192枚になるのである。これらの駒は、
個人的感覚だが、後から入れたっぽい、駒の群のように見える。
摩羯が無いから、摩訶大大将棋では無いと言われればそれま
でだが。上記の17升目将棋が、中間型のような形をしている
事は確かだ。
なお、この将棋は、横飛の前升目の歩兵に、一応猛牛で繋ぎ
があるが、
桂馬が、大阪電気通信大学の高見友幸氏の言うように、跳ぶ
飛龍のルールの方が、桂馬跳びの桂馬よりも、陣が堅い。
また、この将棋も角行がタスキで仲人に当たり、そのため横飛
が導入されたと考えると、摩訶大大将棋と共通の特徴を持つ。
15から19だという仮定から出発しての話だが。この中間型
の17升目将棋に、たまたま金剛力士を入れたのが、後の
摩訶大大将棋の性質を、大きく決めたように、見えなくもない。
つまり、金剛力士が呼び水で、仏教駒が参入したという意味で
ある。
なお、この将棋は、前に述べた後期大将棋が130枚である
理由と、良く合っては居無い。升目対駒数のグラフを書くと、
中将棋、後期大将棋、摩訶大大将棋のプロットから作られる、
ラインに乗せるには、駒の数が12枚位余計だ。
しかし6枚づつ12枚減らすと、一方に78枚になり、天竺
大将棋と同じ数だが、暦には関連が薄い。72と84の中間は、
暦に合わせようがないからだ。
更なる深い考察は、次回以降にしようと思う。(2019/02/27)
の形が、大将棋と摩訶大大将棋の中間にしては、大きく形が違
う事が判る。摩訶大大将棋の19升目は、升目総数が361で、
一年の日数に近いからだと言えば、15升目の後期大将棋から、
17升目を飛ばして19升目の将棋が関連する事は、余り変で
は無いのかもしれないが。つまり、現行記録の残っている
大大将棋は、主な系統からは外れた、”後合わせ品”だったと
いう意味である。
しかしひょっとして、19升目から15升目を作るにしても、
その逆でも、17升目の将棋が有ったのだが、消滅してしまい
水無瀬兼成の安土桃山時代までは、残っていなかったという事
が、とにかく有りはしないのか。
今回は、その点をチェックしてみた。回答から書くと、
以下のような配列の将棋は、中間形として、一応相応しいも
のであるとみられる。
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,玉将,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
反車,猫叉,口口,古猿,口口,猛豹,口口,盲虎,酔象,盲虎,口口,猛豹,口口,淮鶏,口口,猫叉,反車
驢馬,口口,嗔猪,口口,臥龍,口口,悪狼,鳳凰,獅子,麒麟,悪狼,口口,蟠蛇,口口,嗔猪,口口,驢馬
口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,口口,金剛,狛犬,力士,口口,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口
飛車,右車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,奔王,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,左車,飛車
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
飛車,左車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,奔王,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,右車,飛車
口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,口口,力士,狛犬,金剛,口口,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口
驢馬,口口,嗔猪,口口,蟠蛇,口口,悪狼,麒麟,獅子,鳳凰,悪狼,口口,臥龍,口口,嗔猪,口口,驢馬
反車,猫叉,口口,淮鶏,口口,猛豹,口口,盲虎,酔象,盲虎,口口,猛豹,口口,古猿,口口,猫叉,反車
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,玉将,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
では、説明を加える。
どちらでも良いが、15から19の”小から大”の方が判り
易いだろうから、それで説明する。なお実際には、私は摩訶
大大将棋から出発して、上の配列の17升目将棋を作っている。
ともあれ、上の17升目×17升目将棋は、後期大将棋に、
臥龍、古猿、蟠蛇、淮鶏の非対称小駒で、12支風の駒を入れ、
仏教駒は、金剛と力士だけ入れで6段化し、足りない歩兵下列
駒として、横飛と左右車を入れ、更に驢馬を加えるとだいたい
できる。重要な事は、
驢馬で調整して、この17×17升目将棋は、片方の駒数が、
暦の72候と12月を足した84枚になる
という事である。つまり、一応は尤もらしい駒数総数だ。
ちなみに、摩訶大大将棋には、これに、
提婆、無明、夜叉、羅刹、鉤行、摩羯、盲熊×2、老鼠×2、
それに歩兵×2が入って到達する。12枚ずつで24枚なので、
合計は168枚から192枚になるのである。これらの駒は、
個人的感覚だが、後から入れたっぽい、駒の群のように見える。
摩羯が無いから、摩訶大大将棋では無いと言われればそれま
でだが。上記の17升目将棋が、中間型のような形をしている
事は確かだ。
なお、この将棋は、横飛の前升目の歩兵に、一応猛牛で繋ぎ
があるが、
桂馬が、大阪電気通信大学の高見友幸氏の言うように、跳ぶ
飛龍のルールの方が、桂馬跳びの桂馬よりも、陣が堅い。
また、この将棋も角行がタスキで仲人に当たり、そのため横飛
が導入されたと考えると、摩訶大大将棋と共通の特徴を持つ。
15から19だという仮定から出発しての話だが。この中間型
の17升目将棋に、たまたま金剛力士を入れたのが、後の
摩訶大大将棋の性質を、大きく決めたように、見えなくもない。
つまり、金剛力士が呼び水で、仏教駒が参入したという意味で
ある。
なお、この将棋は、前に述べた後期大将棋が130枚である
理由と、良く合っては居無い。升目対駒数のグラフを書くと、
中将棋、後期大将棋、摩訶大大将棋のプロットから作られる、
ラインに乗せるには、駒の数が12枚位余計だ。
しかし6枚づつ12枚減らすと、一方に78枚になり、天竺
大将棋と同じ数だが、暦には関連が薄い。72と84の中間は、
暦に合わせようがないからだ。
更なる深い考察は、次回以降にしようと思う。(2019/02/27)
27升目366枚制新延年大将棋のルール(長さん)
以下、前に紹介した、3×3×3の27升目一年日数
の切り上げ366枚制の、摩訶大大将棋類似の泰将棋
の大幅改善将棋のルールを、本当に口伝できるのかど
うかをチェックするため、何も見ないで試しに、二中
歴風に書いてみた。なお、既成のルールと、少し変え
た点の理由も、そのつど邪魔にならない程度に入れ込
んだ。実際に、前に紹介したこのゲームの、性能チェ
ックは、前に書いた付加したムダだった部分は別とし
て、残りは以下のルールに基づき行っている。ただし、
木将の成りは中将から、本来の白象に変えてある。
27升目366枚制新延年大将棋のルール
001.取捨てで、玉将、太子を全て取ったら勝ちになる。
002.盤は27升目×27升目、自陣9段。成り規則は末備参照。
003.玉将を最下段の中央に置き、8方に1升目歩む。不成。
004.横隣に、右に右将、左に左将を置く。玉将と動き同じ。
右将と左将は、8方に1升目歩む。
005.右将左将は成ると右軍と左軍になる。
右(左)軍は右(左)斜め前と後、右(左)横3方向走り。残り歩。
006.玉将一つ置いて隣に金将。斜後ろに行けない。
成ると奔金。元駒の歩む方向に走る。
007.最下段次に銀将。横と後ろへ行けない。成ると奔銀。
奔銀は元駒の歩む方向に走る。
008.次に銅将。前・斜め前三方と、後ろに歩む。成ると奔銅。
奔銅は元駒の歩む方向に走る。
009.次に鉄将。前・斜め前三方に歩む。成ると奔鉄。
奔鉄は元駒の歩む方向に走る。
010.次に瓦将(がらしょう)。斜め前と後ろ3方歩み。
成ると奔瓦。元駒の歩む方向に走る。
011.次に石将。斜め前2方歩み。成ると奔石。
奔石は元駒の歩む方向に走る。
012.次に土将。前後2方歩み。成ると奔土。
奔土は元駒の歩む方向に走る。
013.以下、踊りの動きが現われる。2踊り駒は、2升目
先に跳び越え、途中の相手駒を任意取り。また隣升目でも止まる。
”隣升目止め”はゲームの攻守バランスを安定化させるため付加。
3踊り駒は、同様に隣接升目へも行け、2目踊りも兼ねる。
以下、より大きな踊りも同様。
014.次に火将。前後2方向3踊り。斜め前に歩み。
成ると大将。制限のない、独特な跳び越えのみする。
015.大将・副将駒の跳び越えは、天竺大将棋に見られるもの
を採用。すなわち、その方向に幾つでも駒を跳び越えられるが、
着地は空いた升目で、必ずしなければならない。途中の相手の駒
が有れば任意に取れる。駒格等、跳越えや取りに例外はつけない。
016.大将の動きは八方に大将・副将型の升目数の制限の無い
跳び越えとする。跳び越えないと相手駒は、取れない。
017.火将の次に木将を置く。斜め前の2方向に2踊る。
成ると白象。
018.白象は、8方向に2踊りずつ。隣接8方へ歩みも可。
019.次に水将。斜め前の2方向に3踊り。前後に歩む。
水将は成ると副将。
020.副将の動きは斜め4方に大将・副将型の升目数の制限の
無い跳び越え、前後左右に、麒麟型で2升目先に跳び。
021.次に桂馬。前升目の更に斜め前に、桂馬跳び。金将成り。
022.次に香車。前方走り。金将成り。端列につき後で再掲。
031.2段目中央玉将の前に、太子を置く。玉将と同じ動き。
太子は不成り。太子が有れば、玉将を取られても負けにならない。
032.太子の横に近王。後ろへ行けない7方動き酔象と同じ。
近王は前旗に成る。前旗は中央直ぐ横筋の歩兵後ろに元からある。
前旗は前後左右に走り、斜め4方向に3踊り。
033.近王の次に左に提婆。右に無明。
034.提婆は銀将の反時計回り90°回転動き。斜めと左歩み。
035.提婆は教王に成る。7段目に元駒が有る。
036.教王は、八方狛犬の3踊りに加えて、奔王の動き。
成り代わりルールは、類似の駒が多いため、採用しない。
037.無明は銀将の順時計回り90°回転動き。斜めと右歩み。
038.無明は法性に成る。6段目中央に元駒が有る。
039.法性は、獅子の動きに加えて、奔王の動き。
成り代わりルールは、獅子系の駒が多いため、採用しなかった。
040.提婆と無明の隣は空き升目を置いて、踊鹿。
踊鹿は酔象の後退しない七方歩みに加えて、横は2升目踊り。
踊鹿は方行に成る。
041.方行は8段目に元駒が有る。
方行は飛車の動きに加えて、斜め前2方向歩み。
042.踊鹿の横は空升目で次に行鳥。
行鳥は酔象の後退しない七方歩み動きに加えて、前のみ2升目踊り。
行鳥は奔鬼に成る。
043.奔鬼は、前後に5踊り、その他斜めと横計6方向走り。
奔鬼は前後に隣接升目止まり、2踊り、3踊り、4踊りも可とする。
044.行鳥の次は空升目で次に馬麟。
馬麟は金将の動きに加えて、斜め前の2方向に2踊り。奔王に成る。
045.奔王は、8段目中央に元駒もあり、8方向何れも走る。
046.次に空升目で次に変狸。変狸は前と横3方向2踊り
変狸は成ると鳩盤。大局将棋の左の鳩盤。
この将棋には鳩槃が元からあるが、鳩槃と鳩盤は別種。
047.鳩盤は斜め4方向に走り、縦横4方向2踊り。
なお鳩槃は、斜め前に3升目先に跳び、その後2升目先まで走る。
鳩盤には、この斜め前の動きは無い。
048.次に空升目で次が驢馬。
驢馬は前後2升目麒麟型の跳び、左右に歩み。変狸同様鳩盤成り。
049.鳩盤は斜め4方向に走り、縦横4方向2踊り。
050.驢馬の隣が反車。端列駒。前後2方向走り。成ると金将。
061.三段目太子の前に、酔象。後ろに後退できない7方向歩。
酔象は成ると、玉将動きの太子。
062.太子は玉将が無くても、これが1枚でも有れば負けない。
063.酔象の横に盲虎。前に行けない7方向歩み、成ると奔虎。
奔虎は、盲虎の歩む方向に走る。
064.盲虎の横に猛豹。横に行けない6方向歩み。成ると奔豹。
奔豹は、猛豹の歩む方向に走る。
065.次に臥龍。斜め前に行けない、金将と天地逆の6方歩み。
臥龍は成ると奔龍。奔龍は、臥龍の歩む方向に走る。
066.臥龍の横は空升目で1置いて次に古猿。銀将と天地逆動。
すなわち古猿は、斜めと後ろの5方向歩み。成ると山母。
067.山母は、古猿の歩む方向に走るとともに、前に1歩進む。
大局将棋では、しばしば特定方向の歩みを止めてしまっているが、
同じ動きの駒が出来やすいため、採用しなかった。
068.古猿の横は空升目で次に蟠蛇。銅将と天地逆の動き。
蟠蛇は、前後と斜め後ろの計4方向歩み、成ると奔蛇。
069.奔蛇は、蟠蛇の歩む方向に走る。
大局将棋の蟠龍の名は、煩雑なため採用しなかった。
070.次も空升目で、その次が淮鶏。前に行けない金将動き。
淮鶏は、斜め前、左右横、後ろの5方向歩み。成りは仙鶴。
071.仙鶴は、淮鶏の歩む方向に走る。
072.次は空升目で次が猫叉。斜め4方向歩み。
奔猫(ほんみょう)に成る。奔猫は、角行の動き、斜め走り。
073.猫叉の次が空升目、次が牛車。端駒。前方走り香車と同じ。
牛車は成ると前牛。
074.前牛は、斜め4方向歩み、前後走り。
大局将棋の強い動き採用。端筋の駒については、後で再掲。
080.中央4段目、酔象の前に獅子を置く。2升目不性行度踊。
獅子は、2回、八方隣接升目のどれかへ行ってから、もう一度、
八方升目のどれかに、玉将のように2度行ったと仮定して、そこで
止まり、途中の相手駒も有れば任意に取れる。踊りの一種であり、
1歩目に自分の駒が居て、飛び越しても良い。また隣接升目でも
止まれる。
獅子は獅鷲に成るとする。
081.元の位置に戻り、かつ途中に相手駒が有って、取った場合、
別の駒種についても居喰いと表現する。
一般に居喰いする駒は、不正行度とは限らず、踊らない事がある。
082.獅子に関する特別な規則は、この将棋では採用しない。
083.獅鷲は、6段目中央から2列目に、元駒としても有る。
獅鷲は獅子の動きに加えて、角行の動きも兼ねる。
084.獅子の隣に、左に麒麟、右に鳳凰を置く。
085.麒麟は前後左右2升目先に跳び、斜め四方歩。成ると獅子。
086.鳳凰は斜めに2升目先に跳び前後左右に歩む。成ると奔王。
087.麒麟および鳳凰の隣の升目にそれぞれ悪狼を置く。
悪狼は、前、左右横、斜め前の計5方向に歩む。成ると奔狼。
奔狼は、悪狼の歩む方向に走る。水無瀬兼成摩訶大大ルールを採用。
088.悪狼の横は空升目で、その一つ先に飛龍。斜め4方2目踊。
089.飛龍は龍王に成る。大大将棋ルール採用。
龍王は前後左右に走り、斜め4方歩む。
090.飛龍の次は空升目、次に猛牛。猛牛は前後左右4方2踊り。
猛牛は飛牛に成る、大局将棋ルール採用。飛牛は斜めと前後6方走。
091.猛牛の次に空升目ついで盲熊。盲熊は横と斜め6方歩み。
盲熊は飛鹿に成る、大局将棋ルール採用。前後に走りその他6方歩。
092.次いで空升目次いで嗔猪。前後左右歩み。成ると奔猪。
元駒の動きは、江戸時代の嗔猪。成りの動きは中将棋の奔猪。
成りのパターンは、摩訶大大将棋を採用。元駒、成り駒の動きに
ついて、不規則であるため、大局将棋ルールは不採用とし使われる
事の多いパターンに、変えた。
093.奔猪は、横と斜めに6方向走り。動きは中将棋とする。
094.次いで空升目ついで老鼠。老鼠は前と斜め後ろ3方向歩み。
老鼠の成りは蝙蝠を採用。
095.蝙蝠は、老鼠の歩む方向、前と斜め後ろの計3方向に走る。
096.次いで端列で走車。走車の動きは飛車に加え斜め後歩。
走車は、前後左右の四方向に走り、斜め後ろに歩む。成ると砲車。
砲車は、走車の2升目前に居る。
097.砲車は、前後と斜め前の4方向走り、左右2方向に歩む。
101.5段目獅子の前升目に狛犬を置く、狛犬は八方3踊り。
狛犬は、隣接8方行き、2升目先踊り、3升目先踊り、全て可能。
大象成り。大象は7段目にも元駒で有る。
狛犬は、走る事はできない。走る事のできる大局将棋の動きは、教王
と区別がつきにくくしているので、採用しなかった。
102.大象は狛犬の動きに加えて、前後左右、斜め後ろ六方に走る。
大象の動きの方は、斜め前がわかりやすく、大局将棋を採用した。
103.狛犬の隣に鳩槃を置く。
104.鳩槃は斜め4方向に走り、縦横4方向2踊りに加えて更に、
斜め前に3升目先に跳び、そこから更に2升目先まで走る。不成。
鳩槃は大局将棋の、右鳩槃を採用した。
105.鳩槃の隣は空升目で、次に夜叉を置く。
106.夜叉は、前に行けない金将の動きに加えて、横2方向3踊り。
大局将棋の夜叉の動きを採用し防御力を強化した。大阪電気通信大学
の摩訶大将棋の現在のルールと、類似である。ただし横隣接升目へ行。
2踊りも可能。四天に成る。
107.四天は、8方4目踊りとする。大局将棋ルール採用。隣接升
目行き、2、3踊りも可能。
108.夜叉の隣は空升目で、次に羅刹を置く。
109.羅刹は、前に行けない金将の動きに加えて、斜め前2方向
3踊り。四天に成る。四天は、8方4目踊り。(夜叉の成の項目参照)
110.羅刹の隣は空升目で、次に金剛を置く。
111.金剛は、前後左右3踊り、斜め前2方向歩み。将棋纂図部類
抄とは異なり、前後左右隣接升目で止まれ、2目踊りも可能とする。
112.金剛は四天に成。四天は8方4目踊り(夜叉の成の項目参照)。
113.金剛の隣は空升目で、次に力士を置く。
114.力士は、斜め4方向3踊り。横2方向歩み。将棋纂図部類
抄とは異なり、斜め4方向は隣接升目で止まれ、2目踊りも可能。
115.力士は、大局将棋のルールと異なり、横へ行けるとした。
116.力士も四天に成。四天は8方4目踊り(夜叉の成の項目参照)。
117.力士の横は空升目で更に横に白象。
118.白象は、8方向2踊り。象王に成る。
119.象王は、斜めに走り、縦横に2踊り。鳩盤と同じ動き。
120.白象の隣は空升目でその隣が端列で強車。強車は前後左右斜め
前の6方走で不成。
131.狛犬の前升目6段目中央に、法性を置く。
132.法性は、獅子の動きと奔王の動きを兼ねる。不成り。
法性には摩訶大大将棋の、成代りルールは採用しない。(無明参照)
133.法性の隣に獅鷹を置く。獅子の動きと角行を兼ねる。不成り。
134.獅鷹の隣に奮迅を置く。獅子と狛犬の動きを兼ねる。不成り。
135.奮迅の隣は空升目で更に隣に飛鷲を置く。
136.飛鷲は、前後左右、斜め後ろの6方向走り、斜め前の2方向
2踊り、隣接升目行き可能で、8方向何れも、居喰いができるとする。
大鷲に成る。
137.中将棋の飛鷲に加えて、斜め前隣接升目に止まれ、居喰いは
煩雑な為2方向から8方向全部に、変えた。以下、角鷹、山鷲、山鷹
について、何れも同じパターンの変更をしている。
なお飛鷲の、斜め前に走る、大局将棋のルールは、跳びや踊りの混在
の問題があり、採用しなかった。
138.大鷲は、八方走りに加えて、斜め前へは幾らでも跳び越えら
れるとする。ただし、跳び越えたときには、相手の駒は取れない。
空升目で着地しなければならない。大鷲は7段目に元駒として存在。
139.大鷲、大鷹については、玉駒の即死を防ぐため、跳び越えた
ときには、相手駒を取れ無いと言う調整をした。天王も元の大局将棋
の四天王から、同じように変えた。
140.飛鷲の横は空升目で、更に横に角鷹。
角鷹は前を除く7方走り、前に2目踊りと歩、8方向居喰い。
141.角鷹は、大鷹に成る。大鷹は7段目に元駒として存在。
142.大鷹は、八方走りに加えて、前へは幾らでも跳び越えら
れるとする。ただし、跳び越えたときには、相手の駒は取れない。
空升目で着地しなければならない。大鷹は7段目に元駒として存在。
143.角鷹の横は空升目で次に、左辺が山鷲左で、右辺が山鷲右。
144.山鷲左は、前後左右と斜め右前の5方向走り、前後左斜めと
右斜め後ろ3方に2目踊りで、8方向居喰い。飛鷲に成る。(飛鷲前出)
山鷲左に大局将棋の、前後左斜めに走るルールは、採用しない。
145.山鷲右は、前後左右と斜め左前の5方向走り、前後右斜め
左斜め後ろ3方に2目踊りで、8方向居喰い。飛鷲に成る。(飛鷲前出)
山鷲右に大局将棋の、前後右斜めに走るルールは、採用しない。
146.左右の山鷲の横は空升目で、その更に向こうの升目に山鷹。
山鷹は、斜め前2方向と左右横と後ろの5方向に走りで、前と斜め後
ろの3方向に2踊り、8方向居喰い。角鷹に成る。(角鷹前出)
147.山鷹の隣は空升目で、その隣に摩羯。
148.摩羯は角行の動きを折り曲げて2回する。駒を取ったらその
向こうへは行けない。摩羯の成りは金将。
149.摩羯の隣が端列で砲車。
150.砲車は前後と両斜め前計4方走り、横2方向歩み。不成。
161.七段目中央、法性の前に自在を置く。
162.自在は、空いたどの升目にも行くに加え奔王の動きを兼ねる。
また自在は8方向隣接升目で居喰い。不成り。この駒は勝敗に無関係。
163.自在は自在王から、大きく跳んで、繋ぎ駒が無ければ相手駒
を取れる動きを、無くした。奔王動きか居喰いの場合を除いて、空升
目にだけ行ける。また駒を取った時に、この駒が取られても、反則に
はならない。この将棋では、この駒は玉駒では無いとした。不成り。
玉将の類が増えると、守備力が過大になり、駒が枯れるまで勝負が
付かないため、自在を、玉駒にする事自体を止めたのである。
164.自在の横に天王を置く。四天王に類する駒。奔王の動きの
ルールで、更に駒を跳び越える事も出来るが、
天王は、跳び越えたときには、空の升目にしか行けないとした。
ただし、8方向居喰いのルールを、新たに付けた。不成。
165.玉駒が即死するので、大局将棋のルールをこのように変えた。
166.天王の横に大鷲を置く。大鷲は8方向走りに加えて、斜め前
へは空の升目ならへ、幾らでも跳び越えて行ける。また、8方向に
居喰いが可能。大鷲は不成りとする。
167.即死してゲームが終わるので、大鷲の跳び越えにも制限をつ
けた。
168.大鷲の横に大鷹を置く、大鷹は8方向走りに加えて、前の升
目は空升目なら、その升目へ、幾らでも跳び越えて行ける。また、
大鷹は、8方向居喰いが可能。
大鷹も不成りとする。
169.即死してゲームが終わるので、大鷹の跳び越えにも制限をつ
けた。
170.大鷹の隣は空升目で、次に奔鷲を置く。
171.奔鷲は、8方向に4踊りができ、また奔王の動きを兼ねる。
また、隣接8升目について居喰いができる。不成り。
172.大局将棋のルールが、わかりやすいため、この駒について
は、大局将棋のルールを採用した。
173.奔鷲の隣は空升目で、次に教王を置く。
教王は、狛犬と奔王の動きを兼ねる。不成。
174.教王も、入れ替えルールは、類似の駒が多く削除した。
175.教王の隣は空で次に大象を置く。
大象は、狛犬の8方向3踊りに加えて、前後左右斜め下の6方向走。
176.大象は不成り。
177.大大将棋のルールで、3駒跳越えを狛犬踊りと解釈変えした。
178.大象の横は空升目でその横に大獏。大獏は8方向走り横3踊。
179.大局将棋の水牛の成りの大獏の動きのうち、横を3跳びでは
なくて、不明解なため3踊りと再解釈。この駒を元駒として加えた。
ただしこの大獏は、大局将棋の大獏のように、横に走れる。
180.大獏の横は空升目でその横に左端に左車、右端に右車を置く。
181.左車は、右斜め前、左斜め後ろ、前方3方走り、左横歩み。
182.左車は左鉄車に成る。
左鉄車は斜め右前、両斜後ろ3方走り左横歩み。
183.右車は、左斜め前、右斜め後ろ、前方3方走り、右横歩み。
184.右車は右鉄車に成る。
右鉄車は斜め左前、両斜後ろ3方走り右横歩み。
191.8段目中央、歩兵列の後ろ、自在の前に奔王を置く。8方走。
192.奔王は奔鷲に成る。奔王に加え4踊り8方居喰い。前出。
193.奔王の両横に前旗を置く。前後左右走り、斜め4方3目踊り。
194.前旗は大旗に成る。大旗は前後左右斜め前6方走り、斜後ろ
2方向3踊り。
195.前旗の隣に大鳩を置く。大鳩は斜め4方走、前後左右3踊り。
196.大鳩は鳩槃に成る。鳩槃は斜め4方走、前後左右2踊りに加
えて、斜め前に3升目先に跳んでから、更に2目走る(前出)。
197.大鳩の隣に龍王を置く。前後左右走り斜め4方向歩み。不成。
198.龍王の隣に龍馬を置く、斜め4方向走り前後左右歩み。不成。
199.龍馬の隣に角行を置く。斜め4方向走り。金将成り。
200.角行の隣に方行を置く。前後左右4方向走り、斜め前歩み。
方行は強車に成る。元駒方行は、大大将棋の斜め前歩み動き採用。
201.強車は、前後左右と斜め前の6方向走り。(端駒として前出)
202.方行の隣に堅行を置く。前後2方向走り横2方向歩み金将成。
203.堅行の隣に横行を置く。横2方向走り前後2方向歩み金将成。
204.横行の隣に鉤行を置く。飛車の動きを2回繰り返す。駒を取
ると、更にその先へは行けない。金将に成る。
205.鉤行の隣に堅兵を置く。前に走り後ろへ歩み、左右2目踊る。
堅兵は車兵に成る。
206.車兵は斜めと前後、6方向に走り、横2方向に2目踊る。
207.堅兵の隣に横兵。横2方向に走り、前に2踊り、後ろに歩む。
208.横兵は水牛に成る。水牛は斜めと横6方向走り、前後2目踊。
209.横兵の隣に車兵。
210.車兵は斜めと前後、6方向に走り、横2方向に2目踊る。
211.車兵は天王に成る。
212.天王は奔王の動きに加えて、8方の空いた升目に跳び越える。
また、隣接8升目に居喰いができる。(前出7段目駒)
213.車兵の横が端列で飛車を置く。飛車は前後左右に走る金将成。
221.9段目には、27枚歩兵を並べる。前に一歩歩む。金将成り。
222.角行の2升目前に、仲人を左右に1枚ずつ置く。
223.仲人は前後に歩む。成ると奔人。奔人は前後に走る。
231.車駒だけの端列について、再掲する。
一段目から、香車、反車、牛車、走車、強車、砲車、左車か右車、
飛車の8枚が、8段目まで来る。ただし7段目は左に左車。右に右車。
232.香車と前後走りの反車は金将成り。牛車は香車と同じ動きで、
前後走りの斜め歩みの前牛に成り。走車は飛車で斜め後ろ歩み砲車成、
強車は前後左右斜め前6方走り、不成り、砲車は前後斜め前4方走り、
横歩みで不成り。左車が右斜め前左後ろと前3方走り左歩みで、前を
右斜め後に変えた左鉄車成、右車が左斜め前右後ろと前3方走り右歩
みで、前を左斜め後ろに変えた右鉄車成。飛車は、前後左右走りで、
金将成りである。
241.成りは相手陣または、自陣(19~27段目、1~9段目)
に有る、相手の駒を取った時に強制成り。
245.歩兵は相手陣奥で、金将に強制成り。他は相手駒をどちらか
の陣内で取らない限り成れない。
251.千日手は、引き分けだが、連続王手と連続駒取りは、掛けて
いる方が負け。
255.入玉は、何枚しても勝敗に無関係。
261.駒枯れは引き分けだが、駒枯れの正確な定義は未確定。
以上のような、ルールになっている。
途中で、大局将棋の盲熊のルールが、大局将棋の
嗔猪と同じかどうかを、一回確かめたが、将棋の
ルール資料を見たのはそれ位で、その他は、全部
記憶で以上の文書は書けた。ナンバリングが、余
り正確ではないが、全部で150項目程度だろう。
”摩訶大大将棋の拡張”という枠組みがあるので、
泰将棋や大局将棋と異なり、
この将棋の駒の配列が、容易に連想できるから、
何も見なくても書けるのである。
何日かかかるだろうが。このゲームをルールを覚
えている者としての口伝で、プレーを希望する
他人に伝えるのは、私には一応可能だと結論した。
(2019/02/26)
の切り上げ366枚制の、摩訶大大将棋類似の泰将棋
の大幅改善将棋のルールを、本当に口伝できるのかど
うかをチェックするため、何も見ないで試しに、二中
歴風に書いてみた。なお、既成のルールと、少し変え
た点の理由も、そのつど邪魔にならない程度に入れ込
んだ。実際に、前に紹介したこのゲームの、性能チェ
ックは、前に書いた付加したムダだった部分は別とし
て、残りは以下のルールに基づき行っている。ただし、
木将の成りは中将から、本来の白象に変えてある。
27升目366枚制新延年大将棋のルール
001.取捨てで、玉将、太子を全て取ったら勝ちになる。
002.盤は27升目×27升目、自陣9段。成り規則は末備参照。
003.玉将を最下段の中央に置き、8方に1升目歩む。不成。
004.横隣に、右に右将、左に左将を置く。玉将と動き同じ。
右将と左将は、8方に1升目歩む。
005.右将左将は成ると右軍と左軍になる。
右(左)軍は右(左)斜め前と後、右(左)横3方向走り。残り歩。
006.玉将一つ置いて隣に金将。斜後ろに行けない。
成ると奔金。元駒の歩む方向に走る。
007.最下段次に銀将。横と後ろへ行けない。成ると奔銀。
奔銀は元駒の歩む方向に走る。
008.次に銅将。前・斜め前三方と、後ろに歩む。成ると奔銅。
奔銅は元駒の歩む方向に走る。
009.次に鉄将。前・斜め前三方に歩む。成ると奔鉄。
奔鉄は元駒の歩む方向に走る。
010.次に瓦将(がらしょう)。斜め前と後ろ3方歩み。
成ると奔瓦。元駒の歩む方向に走る。
011.次に石将。斜め前2方歩み。成ると奔石。
奔石は元駒の歩む方向に走る。
012.次に土将。前後2方歩み。成ると奔土。
奔土は元駒の歩む方向に走る。
013.以下、踊りの動きが現われる。2踊り駒は、2升目
先に跳び越え、途中の相手駒を任意取り。また隣升目でも止まる。
”隣升目止め”はゲームの攻守バランスを安定化させるため付加。
3踊り駒は、同様に隣接升目へも行け、2目踊りも兼ねる。
以下、より大きな踊りも同様。
014.次に火将。前後2方向3踊り。斜め前に歩み。
成ると大将。制限のない、独特な跳び越えのみする。
015.大将・副将駒の跳び越えは、天竺大将棋に見られるもの
を採用。すなわち、その方向に幾つでも駒を跳び越えられるが、
着地は空いた升目で、必ずしなければならない。途中の相手の駒
が有れば任意に取れる。駒格等、跳越えや取りに例外はつけない。
016.大将の動きは八方に大将・副将型の升目数の制限の無い
跳び越えとする。跳び越えないと相手駒は、取れない。
017.火将の次に木将を置く。斜め前の2方向に2踊る。
成ると白象。
018.白象は、8方向に2踊りずつ。隣接8方へ歩みも可。
019.次に水将。斜め前の2方向に3踊り。前後に歩む。
水将は成ると副将。
020.副将の動きは斜め4方に大将・副将型の升目数の制限の
無い跳び越え、前後左右に、麒麟型で2升目先に跳び。
021.次に桂馬。前升目の更に斜め前に、桂馬跳び。金将成り。
022.次に香車。前方走り。金将成り。端列につき後で再掲。
031.2段目中央玉将の前に、太子を置く。玉将と同じ動き。
太子は不成り。太子が有れば、玉将を取られても負けにならない。
032.太子の横に近王。後ろへ行けない7方動き酔象と同じ。
近王は前旗に成る。前旗は中央直ぐ横筋の歩兵後ろに元からある。
前旗は前後左右に走り、斜め4方向に3踊り。
033.近王の次に左に提婆。右に無明。
034.提婆は銀将の反時計回り90°回転動き。斜めと左歩み。
035.提婆は教王に成る。7段目に元駒が有る。
036.教王は、八方狛犬の3踊りに加えて、奔王の動き。
成り代わりルールは、類似の駒が多いため、採用しない。
037.無明は銀将の順時計回り90°回転動き。斜めと右歩み。
038.無明は法性に成る。6段目中央に元駒が有る。
039.法性は、獅子の動きに加えて、奔王の動き。
成り代わりルールは、獅子系の駒が多いため、採用しなかった。
040.提婆と無明の隣は空き升目を置いて、踊鹿。
踊鹿は酔象の後退しない七方歩みに加えて、横は2升目踊り。
踊鹿は方行に成る。
041.方行は8段目に元駒が有る。
方行は飛車の動きに加えて、斜め前2方向歩み。
042.踊鹿の横は空升目で次に行鳥。
行鳥は酔象の後退しない七方歩み動きに加えて、前のみ2升目踊り。
行鳥は奔鬼に成る。
043.奔鬼は、前後に5踊り、その他斜めと横計6方向走り。
奔鬼は前後に隣接升目止まり、2踊り、3踊り、4踊りも可とする。
044.行鳥の次は空升目で次に馬麟。
馬麟は金将の動きに加えて、斜め前の2方向に2踊り。奔王に成る。
045.奔王は、8段目中央に元駒もあり、8方向何れも走る。
046.次に空升目で次に変狸。変狸は前と横3方向2踊り
変狸は成ると鳩盤。大局将棋の左の鳩盤。
この将棋には鳩槃が元からあるが、鳩槃と鳩盤は別種。
047.鳩盤は斜め4方向に走り、縦横4方向2踊り。
なお鳩槃は、斜め前に3升目先に跳び、その後2升目先まで走る。
鳩盤には、この斜め前の動きは無い。
048.次に空升目で次が驢馬。
驢馬は前後2升目麒麟型の跳び、左右に歩み。変狸同様鳩盤成り。
049.鳩盤は斜め4方向に走り、縦横4方向2踊り。
050.驢馬の隣が反車。端列駒。前後2方向走り。成ると金将。
061.三段目太子の前に、酔象。後ろに後退できない7方向歩。
酔象は成ると、玉将動きの太子。
062.太子は玉将が無くても、これが1枚でも有れば負けない。
063.酔象の横に盲虎。前に行けない7方向歩み、成ると奔虎。
奔虎は、盲虎の歩む方向に走る。
064.盲虎の横に猛豹。横に行けない6方向歩み。成ると奔豹。
奔豹は、猛豹の歩む方向に走る。
065.次に臥龍。斜め前に行けない、金将と天地逆の6方歩み。
臥龍は成ると奔龍。奔龍は、臥龍の歩む方向に走る。
066.臥龍の横は空升目で1置いて次に古猿。銀将と天地逆動。
すなわち古猿は、斜めと後ろの5方向歩み。成ると山母。
067.山母は、古猿の歩む方向に走るとともに、前に1歩進む。
大局将棋では、しばしば特定方向の歩みを止めてしまっているが、
同じ動きの駒が出来やすいため、採用しなかった。
068.古猿の横は空升目で次に蟠蛇。銅将と天地逆の動き。
蟠蛇は、前後と斜め後ろの計4方向歩み、成ると奔蛇。
069.奔蛇は、蟠蛇の歩む方向に走る。
大局将棋の蟠龍の名は、煩雑なため採用しなかった。
070.次も空升目で、その次が淮鶏。前に行けない金将動き。
淮鶏は、斜め前、左右横、後ろの5方向歩み。成りは仙鶴。
071.仙鶴は、淮鶏の歩む方向に走る。
072.次は空升目で次が猫叉。斜め4方向歩み。
奔猫(ほんみょう)に成る。奔猫は、角行の動き、斜め走り。
073.猫叉の次が空升目、次が牛車。端駒。前方走り香車と同じ。
牛車は成ると前牛。
074.前牛は、斜め4方向歩み、前後走り。
大局将棋の強い動き採用。端筋の駒については、後で再掲。
080.中央4段目、酔象の前に獅子を置く。2升目不性行度踊。
獅子は、2回、八方隣接升目のどれかへ行ってから、もう一度、
八方升目のどれかに、玉将のように2度行ったと仮定して、そこで
止まり、途中の相手駒も有れば任意に取れる。踊りの一種であり、
1歩目に自分の駒が居て、飛び越しても良い。また隣接升目でも
止まれる。
獅子は獅鷲に成るとする。
081.元の位置に戻り、かつ途中に相手駒が有って、取った場合、
別の駒種についても居喰いと表現する。
一般に居喰いする駒は、不正行度とは限らず、踊らない事がある。
082.獅子に関する特別な規則は、この将棋では採用しない。
083.獅鷲は、6段目中央から2列目に、元駒としても有る。
獅鷲は獅子の動きに加えて、角行の動きも兼ねる。
084.獅子の隣に、左に麒麟、右に鳳凰を置く。
085.麒麟は前後左右2升目先に跳び、斜め四方歩。成ると獅子。
086.鳳凰は斜めに2升目先に跳び前後左右に歩む。成ると奔王。
087.麒麟および鳳凰の隣の升目にそれぞれ悪狼を置く。
悪狼は、前、左右横、斜め前の計5方向に歩む。成ると奔狼。
奔狼は、悪狼の歩む方向に走る。水無瀬兼成摩訶大大ルールを採用。
088.悪狼の横は空升目で、その一つ先に飛龍。斜め4方2目踊。
089.飛龍は龍王に成る。大大将棋ルール採用。
龍王は前後左右に走り、斜め4方歩む。
090.飛龍の次は空升目、次に猛牛。猛牛は前後左右4方2踊り。
猛牛は飛牛に成る、大局将棋ルール採用。飛牛は斜めと前後6方走。
091.猛牛の次に空升目ついで盲熊。盲熊は横と斜め6方歩み。
盲熊は飛鹿に成る、大局将棋ルール採用。前後に走りその他6方歩。
092.次いで空升目次いで嗔猪。前後左右歩み。成ると奔猪。
元駒の動きは、江戸時代の嗔猪。成りの動きは中将棋の奔猪。
成りのパターンは、摩訶大大将棋を採用。元駒、成り駒の動きに
ついて、不規則であるため、大局将棋ルールは不採用とし使われる
事の多いパターンに、変えた。
093.奔猪は、横と斜めに6方向走り。動きは中将棋とする。
094.次いで空升目ついで老鼠。老鼠は前と斜め後ろ3方向歩み。
老鼠の成りは蝙蝠を採用。
095.蝙蝠は、老鼠の歩む方向、前と斜め後ろの計3方向に走る。
096.次いで端列で走車。走車の動きは飛車に加え斜め後歩。
走車は、前後左右の四方向に走り、斜め後ろに歩む。成ると砲車。
砲車は、走車の2升目前に居る。
097.砲車は、前後と斜め前の4方向走り、左右2方向に歩む。
101.5段目獅子の前升目に狛犬を置く、狛犬は八方3踊り。
狛犬は、隣接8方行き、2升目先踊り、3升目先踊り、全て可能。
大象成り。大象は7段目にも元駒で有る。
狛犬は、走る事はできない。走る事のできる大局将棋の動きは、教王
と区別がつきにくくしているので、採用しなかった。
102.大象は狛犬の動きに加えて、前後左右、斜め後ろ六方に走る。
大象の動きの方は、斜め前がわかりやすく、大局将棋を採用した。
103.狛犬の隣に鳩槃を置く。
104.鳩槃は斜め4方向に走り、縦横4方向2踊りに加えて更に、
斜め前に3升目先に跳び、そこから更に2升目先まで走る。不成。
鳩槃は大局将棋の、右鳩槃を採用した。
105.鳩槃の隣は空升目で、次に夜叉を置く。
106.夜叉は、前に行けない金将の動きに加えて、横2方向3踊り。
大局将棋の夜叉の動きを採用し防御力を強化した。大阪電気通信大学
の摩訶大将棋の現在のルールと、類似である。ただし横隣接升目へ行。
2踊りも可能。四天に成る。
107.四天は、8方4目踊りとする。大局将棋ルール採用。隣接升
目行き、2、3踊りも可能。
108.夜叉の隣は空升目で、次に羅刹を置く。
109.羅刹は、前に行けない金将の動きに加えて、斜め前2方向
3踊り。四天に成る。四天は、8方4目踊り。(夜叉の成の項目参照)
110.羅刹の隣は空升目で、次に金剛を置く。
111.金剛は、前後左右3踊り、斜め前2方向歩み。将棋纂図部類
抄とは異なり、前後左右隣接升目で止まれ、2目踊りも可能とする。
112.金剛は四天に成。四天は8方4目踊り(夜叉の成の項目参照)。
113.金剛の隣は空升目で、次に力士を置く。
114.力士は、斜め4方向3踊り。横2方向歩み。将棋纂図部類
抄とは異なり、斜め4方向は隣接升目で止まれ、2目踊りも可能。
115.力士は、大局将棋のルールと異なり、横へ行けるとした。
116.力士も四天に成。四天は8方4目踊り(夜叉の成の項目参照)。
117.力士の横は空升目で更に横に白象。
118.白象は、8方向2踊り。象王に成る。
119.象王は、斜めに走り、縦横に2踊り。鳩盤と同じ動き。
120.白象の隣は空升目でその隣が端列で強車。強車は前後左右斜め
前の6方走で不成。
131.狛犬の前升目6段目中央に、法性を置く。
132.法性は、獅子の動きと奔王の動きを兼ねる。不成り。
法性には摩訶大大将棋の、成代りルールは採用しない。(無明参照)
133.法性の隣に獅鷹を置く。獅子の動きと角行を兼ねる。不成り。
134.獅鷹の隣に奮迅を置く。獅子と狛犬の動きを兼ねる。不成り。
135.奮迅の隣は空升目で更に隣に飛鷲を置く。
136.飛鷲は、前後左右、斜め後ろの6方向走り、斜め前の2方向
2踊り、隣接升目行き可能で、8方向何れも、居喰いができるとする。
大鷲に成る。
137.中将棋の飛鷲に加えて、斜め前隣接升目に止まれ、居喰いは
煩雑な為2方向から8方向全部に、変えた。以下、角鷹、山鷲、山鷹
について、何れも同じパターンの変更をしている。
なお飛鷲の、斜め前に走る、大局将棋のルールは、跳びや踊りの混在
の問題があり、採用しなかった。
138.大鷲は、八方走りに加えて、斜め前へは幾らでも跳び越えら
れるとする。ただし、跳び越えたときには、相手の駒は取れない。
空升目で着地しなければならない。大鷲は7段目に元駒として存在。
139.大鷲、大鷹については、玉駒の即死を防ぐため、跳び越えた
ときには、相手駒を取れ無いと言う調整をした。天王も元の大局将棋
の四天王から、同じように変えた。
140.飛鷲の横は空升目で、更に横に角鷹。
角鷹は前を除く7方走り、前に2目踊りと歩、8方向居喰い。
141.角鷹は、大鷹に成る。大鷹は7段目に元駒として存在。
142.大鷹は、八方走りに加えて、前へは幾らでも跳び越えら
れるとする。ただし、跳び越えたときには、相手の駒は取れない。
空升目で着地しなければならない。大鷹は7段目に元駒として存在。
143.角鷹の横は空升目で次に、左辺が山鷲左で、右辺が山鷲右。
144.山鷲左は、前後左右と斜め右前の5方向走り、前後左斜めと
右斜め後ろ3方に2目踊りで、8方向居喰い。飛鷲に成る。(飛鷲前出)
山鷲左に大局将棋の、前後左斜めに走るルールは、採用しない。
145.山鷲右は、前後左右と斜め左前の5方向走り、前後右斜め
左斜め後ろ3方に2目踊りで、8方向居喰い。飛鷲に成る。(飛鷲前出)
山鷲右に大局将棋の、前後右斜めに走るルールは、採用しない。
146.左右の山鷲の横は空升目で、その更に向こうの升目に山鷹。
山鷹は、斜め前2方向と左右横と後ろの5方向に走りで、前と斜め後
ろの3方向に2踊り、8方向居喰い。角鷹に成る。(角鷹前出)
147.山鷹の隣は空升目で、その隣に摩羯。
148.摩羯は角行の動きを折り曲げて2回する。駒を取ったらその
向こうへは行けない。摩羯の成りは金将。
149.摩羯の隣が端列で砲車。
150.砲車は前後と両斜め前計4方走り、横2方向歩み。不成。
161.七段目中央、法性の前に自在を置く。
162.自在は、空いたどの升目にも行くに加え奔王の動きを兼ねる。
また自在は8方向隣接升目で居喰い。不成り。この駒は勝敗に無関係。
163.自在は自在王から、大きく跳んで、繋ぎ駒が無ければ相手駒
を取れる動きを、無くした。奔王動きか居喰いの場合を除いて、空升
目にだけ行ける。また駒を取った時に、この駒が取られても、反則に
はならない。この将棋では、この駒は玉駒では無いとした。不成り。
玉将の類が増えると、守備力が過大になり、駒が枯れるまで勝負が
付かないため、自在を、玉駒にする事自体を止めたのである。
164.自在の横に天王を置く。四天王に類する駒。奔王の動きの
ルールで、更に駒を跳び越える事も出来るが、
天王は、跳び越えたときには、空の升目にしか行けないとした。
ただし、8方向居喰いのルールを、新たに付けた。不成。
165.玉駒が即死するので、大局将棋のルールをこのように変えた。
166.天王の横に大鷲を置く。大鷲は8方向走りに加えて、斜め前
へは空の升目ならへ、幾らでも跳び越えて行ける。また、8方向に
居喰いが可能。大鷲は不成りとする。
167.即死してゲームが終わるので、大鷲の跳び越えにも制限をつ
けた。
168.大鷲の横に大鷹を置く、大鷹は8方向走りに加えて、前の升
目は空升目なら、その升目へ、幾らでも跳び越えて行ける。また、
大鷹は、8方向居喰いが可能。
大鷹も不成りとする。
169.即死してゲームが終わるので、大鷹の跳び越えにも制限をつ
けた。
170.大鷹の隣は空升目で、次に奔鷲を置く。
171.奔鷲は、8方向に4踊りができ、また奔王の動きを兼ねる。
また、隣接8升目について居喰いができる。不成り。
172.大局将棋のルールが、わかりやすいため、この駒について
は、大局将棋のルールを採用した。
173.奔鷲の隣は空升目で、次に教王を置く。
教王は、狛犬と奔王の動きを兼ねる。不成。
174.教王も、入れ替えルールは、類似の駒が多く削除した。
175.教王の隣は空で次に大象を置く。
大象は、狛犬の8方向3踊りに加えて、前後左右斜め下の6方向走。
176.大象は不成り。
177.大大将棋のルールで、3駒跳越えを狛犬踊りと解釈変えした。
178.大象の横は空升目でその横に大獏。大獏は8方向走り横3踊。
179.大局将棋の水牛の成りの大獏の動きのうち、横を3跳びでは
なくて、不明解なため3踊りと再解釈。この駒を元駒として加えた。
ただしこの大獏は、大局将棋の大獏のように、横に走れる。
180.大獏の横は空升目でその横に左端に左車、右端に右車を置く。
181.左車は、右斜め前、左斜め後ろ、前方3方走り、左横歩み。
182.左車は左鉄車に成る。
左鉄車は斜め右前、両斜後ろ3方走り左横歩み。
183.右車は、左斜め前、右斜め後ろ、前方3方走り、右横歩み。
184.右車は右鉄車に成る。
右鉄車は斜め左前、両斜後ろ3方走り右横歩み。
191.8段目中央、歩兵列の後ろ、自在の前に奔王を置く。8方走。
192.奔王は奔鷲に成る。奔王に加え4踊り8方居喰い。前出。
193.奔王の両横に前旗を置く。前後左右走り、斜め4方3目踊り。
194.前旗は大旗に成る。大旗は前後左右斜め前6方走り、斜後ろ
2方向3踊り。
195.前旗の隣に大鳩を置く。大鳩は斜め4方走、前後左右3踊り。
196.大鳩は鳩槃に成る。鳩槃は斜め4方走、前後左右2踊りに加
えて、斜め前に3升目先に跳んでから、更に2目走る(前出)。
197.大鳩の隣に龍王を置く。前後左右走り斜め4方向歩み。不成。
198.龍王の隣に龍馬を置く、斜め4方向走り前後左右歩み。不成。
199.龍馬の隣に角行を置く。斜め4方向走り。金将成り。
200.角行の隣に方行を置く。前後左右4方向走り、斜め前歩み。
方行は強車に成る。元駒方行は、大大将棋の斜め前歩み動き採用。
201.強車は、前後左右と斜め前の6方向走り。(端駒として前出)
202.方行の隣に堅行を置く。前後2方向走り横2方向歩み金将成。
203.堅行の隣に横行を置く。横2方向走り前後2方向歩み金将成。
204.横行の隣に鉤行を置く。飛車の動きを2回繰り返す。駒を取
ると、更にその先へは行けない。金将に成る。
205.鉤行の隣に堅兵を置く。前に走り後ろへ歩み、左右2目踊る。
堅兵は車兵に成る。
206.車兵は斜めと前後、6方向に走り、横2方向に2目踊る。
207.堅兵の隣に横兵。横2方向に走り、前に2踊り、後ろに歩む。
208.横兵は水牛に成る。水牛は斜めと横6方向走り、前後2目踊。
209.横兵の隣に車兵。
210.車兵は斜めと前後、6方向に走り、横2方向に2目踊る。
211.車兵は天王に成る。
212.天王は奔王の動きに加えて、8方の空いた升目に跳び越える。
また、隣接8升目に居喰いができる。(前出7段目駒)
213.車兵の横が端列で飛車を置く。飛車は前後左右に走る金将成。
221.9段目には、27枚歩兵を並べる。前に一歩歩む。金将成り。
222.角行の2升目前に、仲人を左右に1枚ずつ置く。
223.仲人は前後に歩む。成ると奔人。奔人は前後に走る。
231.車駒だけの端列について、再掲する。
一段目から、香車、反車、牛車、走車、強車、砲車、左車か右車、
飛車の8枚が、8段目まで来る。ただし7段目は左に左車。右に右車。
232.香車と前後走りの反車は金将成り。牛車は香車と同じ動きで、
前後走りの斜め歩みの前牛に成り。走車は飛車で斜め後ろ歩み砲車成、
強車は前後左右斜め前6方走り、不成り、砲車は前後斜め前4方走り、
横歩みで不成り。左車が右斜め前左後ろと前3方走り左歩みで、前を
右斜め後に変えた左鉄車成、右車が左斜め前右後ろと前3方走り右歩
みで、前を左斜め後ろに変えた右鉄車成。飛車は、前後左右走りで、
金将成りである。
241.成りは相手陣または、自陣(19~27段目、1~9段目)
に有る、相手の駒を取った時に強制成り。
245.歩兵は相手陣奥で、金将に強制成り。他は相手駒をどちらか
の陣内で取らない限り成れない。
251.千日手は、引き分けだが、連続王手と連続駒取りは、掛けて
いる方が負け。
255.入玉は、何枚しても勝敗に無関係。
261.駒枯れは引き分けだが、駒枯れの正確な定義は未確定。
以上のような、ルールになっている。
途中で、大局将棋の盲熊のルールが、大局将棋の
嗔猪と同じかどうかを、一回確かめたが、将棋の
ルール資料を見たのはそれ位で、その他は、全部
記憶で以上の文書は書けた。ナンバリングが、余
り正確ではないが、全部で150項目程度だろう。
”摩訶大大将棋の拡張”という枠組みがあるので、
泰将棋や大局将棋と異なり、
この将棋の駒の配列が、容易に連想できるから、
何も見なくても書けるのである。
何日かかかるだろうが。このゲームをルールを覚
えている者としての口伝で、プレーを希望する
他人に伝えるのは、私には一応可能だと結論した。
(2019/02/26)
獣辺の狛は、平安時代中期以前の字(長さん)
経緯は不明であるが、日本将棋連盟関西本部の水無瀬の間
に”狛犬の駒”が飾ってあり、狛犬の狛が、獣辺になって
いるのは、最近のwebの、プロ棋士の藤井聡太氏の画像
等でなじみがある。ところで、
今小路西鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札には、狛犬を
指すと見られる”志ろいぬ”の文字が見え、獅子の獅の字
を師と変えて書く事に、対応付けた下世話言葉と考えられ
ている。従って、この木札が作成された時点で、
狛犬の狛は、獣辺ではなくて犬辺が使われる事が多かった
はずである。
日本将棋連盟関西本部の水無瀬の間の狛犬の字は、将棋が
伝来して居なかった、10世紀以前の字を、取り越し苦労
で使ってしまったもの
とも予想される。ただし、そう考える事ができるのは、
犬辺の狛犬の狛の字が、かなり前から使われていたとの
証拠がある場合だけ
だ。一応これまでの本ブログの認識では、旧字体の旧は、
将棋史の感覚から見ると、飛鳥時代頃のより古い時代の事
を指すのではないかと、疑われると言うわけであった。
そこで今回は、証拠の一例として、12世紀に成立した、
色葉字類抄の2巻物バージョンで、狛犬の狛の字の字体を
念のためチェックしてみた。
国会図書館の電子書籍に、色葉字類抄の2巻物バージョ
ンがあるので、web上でチェックができ、以下のような
字が”こ”の”動物”類の字の所で見つかった。
確かに、平安時代末までには、狛犬の狛は獣辺は使われ
なくなり、犬辺の現在の字体に近いものも、使われるよう
になっていた
ようだ。今小路西鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札が、
少なくとも、14世紀の鎌倉時代末以降のものであれば、
駒名の狛犬が、将棋のゲーマーの間で、通称で”志ろいぬ”
と呼ばれるようになっていても、一応矛盾は、無さそうだっ
た。(2019/02/25)
に”狛犬の駒”が飾ってあり、狛犬の狛が、獣辺になって
いるのは、最近のwebの、プロ棋士の藤井聡太氏の画像
等でなじみがある。ところで、
今小路西鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札には、狛犬を
指すと見られる”志ろいぬ”の文字が見え、獅子の獅の字
を師と変えて書く事に、対応付けた下世話言葉と考えられ
ている。従って、この木札が作成された時点で、
狛犬の狛は、獣辺ではなくて犬辺が使われる事が多かった
はずである。
日本将棋連盟関西本部の水無瀬の間の狛犬の字は、将棋が
伝来して居なかった、10世紀以前の字を、取り越し苦労
で使ってしまったもの
とも予想される。ただし、そう考える事ができるのは、
犬辺の狛犬の狛の字が、かなり前から使われていたとの
証拠がある場合だけ
だ。一応これまでの本ブログの認識では、旧字体の旧は、
将棋史の感覚から見ると、飛鳥時代頃のより古い時代の事
を指すのではないかと、疑われると言うわけであった。
そこで今回は、証拠の一例として、12世紀に成立した、
色葉字類抄の2巻物バージョンで、狛犬の狛の字の字体を
念のためチェックしてみた。
国会図書館の電子書籍に、色葉字類抄の2巻物バージョ
ンがあるので、web上でチェックができ、以下のような
字が”こ”の”動物”類の字の所で見つかった。
確かに、平安時代末までには、狛犬の狛は獣辺は使われ
なくなり、犬辺の現在の字体に近いものも、使われるよう
になっていた
ようだ。今小路西鎌倉市福祉センター遺跡中将棋木札が、
少なくとも、14世紀の鎌倉時代末以降のものであれば、
駒名の狛犬が、将棋のゲーマーの間で、通称で”志ろいぬ”
と呼ばれるようになっていても、一応矛盾は、無さそうだっ
た。(2019/02/25)
摩訶大大将棋が中世流行らなかった原因とその対策(長さん)
今回は、摩訶大大将棋は指されたのかという論題については
①流行らなかった、
と結論し、原因は、
②五角形の将棋駒を多数作るのが、面倒だったから
という話をしよう。その上で、
③現代的には、エクセル表で摩訶大大将棋を指せば解決する
と対策の提案を更にする。
さて遊戯史学会では、後期大将棋以上の駒数の多い将棋が、
長年には流行らなかったというのが定説であり、理由は”ゲー
ムが複雑すぎたので、より単純なルールで、奥が深いものに、
取って代わられた”と、今の所、みなされている。
先行研究としては、増川宏一氏の将棋Ⅰが定説の源である
とみられ、遊戯史学会では、定説が正しいとする、空気が強
いと、個人的には認識する。
それに対して、反対する立場に、大阪電気通信大学の
高見友幸氏の研究があり”摩訶大将棋は短時間で勝負が付く”
との旨、ブログ上で、定説を否定するための根拠も述べられ
ている。
本ブログでは増川氏の原因説には、反対する。理由は、
中将棋が日本で流行った経緯があり、92枚を192枚に、
より多くすると流行らなくなるという説は、根拠が非の打ち
所がないという程度には、少なくとも磐石とは言えない
と考えるからである。つまり
毒を喰らわば皿までも
という諺も、成り立つのではないかという事である。
実際に、摩訶大大将棋をしようとして障害になるのは、む
しろこのゲームの道具である
将棋駒を192枚作るのが、めんどくさい事
であったのではないか。よりマズイことには、途中で駒作り
に頓挫してしまうと、日本将棋なり、中将棋なり、より少数
の五角形駒の木地を使って、ゲーム具を作るのが簡単なゲー
ムが、漢字で書く、駒の種類を行き先変更するだけで、別に
出来てしまう事だ。結局、それで途中で転向して、
摩訶大大将棋を指さなかっただけの疑いも、増川説の反対論
の根拠には、残っていると私は思う。
道具を作るのがめんどうな為に、作らなかったという説は、
デジタルゲームを作るのが、学科の本職の高見友幸氏にとっ
ては、彼の現在置かれた環境が特殊であるために、彼が強調
はして居無いように認識する。
そこで、以下にほとんど指摘された事が無いが、道具が
作りやすい事は大切だと言う根拠として、エクセル表にコピー
すればゲームが出来る、という方法を実際にしてみて、その
傍証を得ようと、以下試みた。
まずは初期配列の駒字をエクセルコピー用に、本ブログで
も、それで通常文面が表示されるが、テキストファイルとし
て作ってみた。
上の方は中央列までであり、右袖はその下に書いてみた。
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,無明,玉将
反車,口口,猫叉,口口,古猿,口口,臥龍,猛豹,盲虎,酔象
口口,老鼠,口口,嗔猪,口口,盲熊,口口,悪狼,鳳凰,獅子
驢馬,口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,夜叉,金剛,狛犬
飛車,右車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,鉤行,奔王
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
飛車,左車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,摩羯,奔王
驢馬,口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,羅刹,力士,狛犬
口口,老鼠,口口,嗔猪,口口,盲熊,口口,悪狼,麒麟,獅子
反車,口口,猫叉,口口,淮鶏,口口,蟠蛇,猛豹,盲虎,酔象
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,提婆,玉将
提婆,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
盲虎,猛豹,蟠蛇,口口,淮鶏,口口,猫叉,口口,反車
麒麟,悪狼,口口,盲熊,口口,嗔猪,口口,老鼠,口口
力士,羅刹,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口,驢馬
摩羯,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,左車,飛車
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
鉤行,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,右車,飛車
金剛,夜叉,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口,驢馬
鳳凰,悪狼,口口,盲熊,口口,嗔猪,口口,老鼠,口口
盲虎,猛豹,臥龍,口口,古猿,口口,猫叉,口口,反車
無明,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
読者の皆さんには、適宜、マイクロソフトのエクセル
表に、上記テキストをファイルとしてコピーしてもら
おう。予め駒が並んだだけの部分で、
ファイルを別に作ってもらって、それをエクセルで
読み込む
ようにしてほしい。ただし、口口は空升目だから、
プレー中に上書きして、
消して良い。
コピーしてエクセル表形式にして、左右をつなげて列
幅を4.0程度にすると、以下のようになるはずだ。
このケースは、表計算ソフトとして、マイクロソフト
のエクセルが一応必須だ。理由は、マウスをカラムの
右上隅に当てて、駒を動かしたい升目へスライドさせ
ると、ソフト・エクセルでは、字が上書きされるから
だ。類似の、互換性のあるとされる表計算ソフト、
Apache OpenOfficeに、エクセル表
計算ソフトの互換ソフトが、付帯されては居るが、
この”カラムの、すくい上げ移動機能”が見当たらな
いのである。だから、上記簡易の表計算ソフトは、
取捨て将棋用には使えない。他のソフトは、試したこ
とが私には無いので、使えるかどうか今の所なんとも
言えない。
ともあれ上の図では、マイクロソフトのエクセルを
使って、先手が中央の歩兵を、初手で動かそうとして
いる所を例示している。なお、
取捨て将棋なので、敵味方の駒は、色分け
すれば良い。また、持ち駒台が無いので、持ち駒台を
作ったり、テスト中に、整理したり、色を自分の側に
変えたりしなくても良い。成りは、フォントの調整で、
そのつど好きな色を変えればよい。
後は、将棋のルールを、人間が覚えるだけ
だ。
対ソフトAIの対局用ソフトも、高見研究室で摩訶
大将棋用に作ったのを、以前頂いた事があるが、
ルールが変わると、バージョンの新しい物を手に入れ
ないといけないのが、かえって不便
だ。フリーハンドにして、エクセルで、そのときのバー
ジョンで手指しした方が、
将棋具の用意が、とても簡単だ。
今回は、本ブログで駒名を書いた表を上に作ったが、
新たに自分で作成するとして、体裁を気にしなければ、
どうぶつ将棋の将棋具を、売り場まで買いに行くより
時間が掛からない事だけは、確か
だろう。実際、用意したエクセル表さえ有れば、この
ケース、摩訶大大将棋は出来てしまう。道具を用意す
る手間が、日本将棋に比べて格段にかかるとは、とて
も言えない。
実際に使った例を、以下示す。
以下は、後手の提婆や無明の早繰り作戦を、獅子か
奮迅で受ける戦法の研究例である。
後手は、無明を無理目に繰り出して、法性作りを目
指している。先手として、
獅子の成った奮迅で、止められるかどうかをチェック
した所
である。後手は、先手の奮迅の繰り出しに対し、狛犬
で△9九狛犬(8八)として対抗してきた。先手は、
2九位置の飛車で▲9九飛車として狛犬を払い、
△同羅刹とされてから、
”▲12十金将なり代わり法性”と、後手の無明を取
れば、奮迅が一枚守りに利いている分、この局面は、
先手が受かっているとみられる。
無明早繰りには、おしげなく獅子で対応すべし
という格言を作ると、それが正しいと言う事だろう。
なお、上の図では、二人で指すにしても、並んで
指す必要がある。向かい合って指すには、後手の駒が
ひっくり返しの字に、なっていないといけない。
マイクロソフトの表計算ソフトのエクセルの場合、
セルの書式設定のフォントで”表示フォントの種類”
の頭に、アット(@)マークを付けておいてから、
次にフォントの表示方向を90°に先手と後手とで
反対に変えると、字が後手の分だけひっくり返り、
下の写真のように、向かいあって、対局できるように
なる。ただしパソコンでは、後手のマウスの向きが、
いつもと逆になってしまう。馴れるしかないのかもし
れないが、ゲーム用のインターフェースが、有れば便
利だろう。
このように、現代なら、マイクロソフトの表計算ソ
フトのエクセルを使って、摩訶大大将棋は、容易に始
められるので、五角形の将棋駒を、192枚用意しな
くて一応済む。
実際には、中将棋を指すほどの人間が、中世にはた
くさんいて、それでも摩訶大大将棋が、余り指された
形跡が無いというのは、むしろおかしな話である。
今でもそうなのだから、昔もいっしょだったのでは
ないか。
五角形駒を作るのが、結構、ゲームをしようとすると
めんどう
だった。それだけが、摩訶大大将棋を、中世の将棋指
しが指さなかった本当の訳のように、私には疑われる
という事に、一応なったのである。(2019/02/24)
①流行らなかった、
と結論し、原因は、
②五角形の将棋駒を多数作るのが、面倒だったから
という話をしよう。その上で、
③現代的には、エクセル表で摩訶大大将棋を指せば解決する
と対策の提案を更にする。
さて遊戯史学会では、後期大将棋以上の駒数の多い将棋が、
長年には流行らなかったというのが定説であり、理由は”ゲー
ムが複雑すぎたので、より単純なルールで、奥が深いものに、
取って代わられた”と、今の所、みなされている。
先行研究としては、増川宏一氏の将棋Ⅰが定説の源である
とみられ、遊戯史学会では、定説が正しいとする、空気が強
いと、個人的には認識する。
それに対して、反対する立場に、大阪電気通信大学の
高見友幸氏の研究があり”摩訶大将棋は短時間で勝負が付く”
との旨、ブログ上で、定説を否定するための根拠も述べられ
ている。
本ブログでは増川氏の原因説には、反対する。理由は、
中将棋が日本で流行った経緯があり、92枚を192枚に、
より多くすると流行らなくなるという説は、根拠が非の打ち
所がないという程度には、少なくとも磐石とは言えない
と考えるからである。つまり
毒を喰らわば皿までも
という諺も、成り立つのではないかという事である。
実際に、摩訶大大将棋をしようとして障害になるのは、む
しろこのゲームの道具である
将棋駒を192枚作るのが、めんどくさい事
であったのではないか。よりマズイことには、途中で駒作り
に頓挫してしまうと、日本将棋なり、中将棋なり、より少数
の五角形駒の木地を使って、ゲーム具を作るのが簡単なゲー
ムが、漢字で書く、駒の種類を行き先変更するだけで、別に
出来てしまう事だ。結局、それで途中で転向して、
摩訶大大将棋を指さなかっただけの疑いも、増川説の反対論
の根拠には、残っていると私は思う。
道具を作るのがめんどうな為に、作らなかったという説は、
デジタルゲームを作るのが、学科の本職の高見友幸氏にとっ
ては、彼の現在置かれた環境が特殊であるために、彼が強調
はして居無いように認識する。
そこで、以下にほとんど指摘された事が無いが、道具が
作りやすい事は大切だと言う根拠として、エクセル表にコピー
すればゲームが出来る、という方法を実際にしてみて、その
傍証を得ようと、以下試みた。
まずは初期配列の駒字をエクセルコピー用に、本ブログで
も、それで通常文面が表示されるが、テキストファイルとし
て作ってみた。
上の方は中央列までであり、右袖はその下に書いてみた。
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,無明,玉将
反車,口口,猫叉,口口,古猿,口口,臥龍,猛豹,盲虎,酔象
口口,老鼠,口口,嗔猪,口口,盲熊,口口,悪狼,鳳凰,獅子
驢馬,口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,夜叉,金剛,狛犬
飛車,右車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,鉤行,奔王
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
飛車,左車,横行,横飛,堅行,角行,龍馬,龍王,摩羯,奔王
驢馬,口口,桂馬,口口,猛牛,口口,飛龍,羅刹,力士,狛犬
口口,老鼠,口口,嗔猪,口口,盲熊,口口,悪狼,麒麟,獅子
反車,口口,猫叉,口口,淮鶏,口口,蟠蛇,猛豹,盲虎,酔象
香車,土将,石将,瓦将,鉄将,銅将,銀将,金将,提婆,玉将
提婆,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
盲虎,猛豹,蟠蛇,口口,淮鶏,口口,猫叉,口口,反車
麒麟,悪狼,口口,盲熊,口口,嗔猪,口口,老鼠,口口
力士,羅刹,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口,驢馬
摩羯,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,左車,飛車
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口,口口
口口,口口,口口,仲人,口口,口口,口口,口口,口口
歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵,歩兵
鉤行,龍王,龍馬,角行,堅行,横飛,横行,右車,飛車
金剛,夜叉,飛龍,口口,猛牛,口口,桂馬,口口,驢馬
鳳凰,悪狼,口口,盲熊,口口,嗔猪,口口,老鼠,口口
盲虎,猛豹,臥龍,口口,古猿,口口,猫叉,口口,反車
無明,金将,銀将,銅将,鉄将,瓦将,石将,土将,香車
読者の皆さんには、適宜、マイクロソフトのエクセル
表に、上記テキストをファイルとしてコピーしてもら
おう。予め駒が並んだだけの部分で、
ファイルを別に作ってもらって、それをエクセルで
読み込む
ようにしてほしい。ただし、口口は空升目だから、
プレー中に上書きして、
消して良い。
コピーしてエクセル表形式にして、左右をつなげて列
幅を4.0程度にすると、以下のようになるはずだ。
このケースは、表計算ソフトとして、マイクロソフト
のエクセルが一応必須だ。理由は、マウスをカラムの
右上隅に当てて、駒を動かしたい升目へスライドさせ
ると、ソフト・エクセルでは、字が上書きされるから
だ。類似の、互換性のあるとされる表計算ソフト、
Apache OpenOfficeに、エクセル表
計算ソフトの互換ソフトが、付帯されては居るが、
この”カラムの、すくい上げ移動機能”が見当たらな
いのである。だから、上記簡易の表計算ソフトは、
取捨て将棋用には使えない。他のソフトは、試したこ
とが私には無いので、使えるかどうか今の所なんとも
言えない。
ともあれ上の図では、マイクロソフトのエクセルを
使って、先手が中央の歩兵を、初手で動かそうとして
いる所を例示している。なお、
取捨て将棋なので、敵味方の駒は、色分け
すれば良い。また、持ち駒台が無いので、持ち駒台を
作ったり、テスト中に、整理したり、色を自分の側に
変えたりしなくても良い。成りは、フォントの調整で、
そのつど好きな色を変えればよい。
後は、将棋のルールを、人間が覚えるだけ
だ。
対ソフトAIの対局用ソフトも、高見研究室で摩訶
大将棋用に作ったのを、以前頂いた事があるが、
ルールが変わると、バージョンの新しい物を手に入れ
ないといけないのが、かえって不便
だ。フリーハンドにして、エクセルで、そのときのバー
ジョンで手指しした方が、
将棋具の用意が、とても簡単だ。
今回は、本ブログで駒名を書いた表を上に作ったが、
新たに自分で作成するとして、体裁を気にしなければ、
どうぶつ将棋の将棋具を、売り場まで買いに行くより
時間が掛からない事だけは、確か
だろう。実際、用意したエクセル表さえ有れば、この
ケース、摩訶大大将棋は出来てしまう。道具を用意す
る手間が、日本将棋に比べて格段にかかるとは、とて
も言えない。
実際に使った例を、以下示す。
以下は、後手の提婆や無明の早繰り作戦を、獅子か
奮迅で受ける戦法の研究例である。
後手は、無明を無理目に繰り出して、法性作りを目
指している。先手として、
獅子の成った奮迅で、止められるかどうかをチェック
した所
である。後手は、先手の奮迅の繰り出しに対し、狛犬
で△9九狛犬(8八)として対抗してきた。先手は、
2九位置の飛車で▲9九飛車として狛犬を払い、
△同羅刹とされてから、
”▲12十金将なり代わり法性”と、後手の無明を取
れば、奮迅が一枚守りに利いている分、この局面は、
先手が受かっているとみられる。
無明早繰りには、おしげなく獅子で対応すべし
という格言を作ると、それが正しいと言う事だろう。
なお、上の図では、二人で指すにしても、並んで
指す必要がある。向かい合って指すには、後手の駒が
ひっくり返しの字に、なっていないといけない。
マイクロソフトの表計算ソフトのエクセルの場合、
セルの書式設定のフォントで”表示フォントの種類”
の頭に、アット(@)マークを付けておいてから、
次にフォントの表示方向を90°に先手と後手とで
反対に変えると、字が後手の分だけひっくり返り、
下の写真のように、向かいあって、対局できるように
なる。ただしパソコンでは、後手のマウスの向きが、
いつもと逆になってしまう。馴れるしかないのかもし
れないが、ゲーム用のインターフェースが、有れば便
利だろう。
このように、現代なら、マイクロソフトの表計算ソ
フトのエクセルを使って、摩訶大大将棋は、容易に始
められるので、五角形の将棋駒を、192枚用意しな
くて一応済む。
実際には、中将棋を指すほどの人間が、中世にはた
くさんいて、それでも摩訶大大将棋が、余り指された
形跡が無いというのは、むしろおかしな話である。
今でもそうなのだから、昔もいっしょだったのでは
ないか。
五角形駒を作るのが、結構、ゲームをしようとすると
めんどう
だった。それだけが、摩訶大大将棋を、中世の将棋指
しが指さなかった本当の訳のように、私には疑われる
という事に、一応なったのである。(2019/02/24)
大大将棋の馬麟~踊鹿の成りの奔王~方行。何を根拠に決めた(長さん)
大大将棋の成りはユニークである。ただし、近王の成りの
前旗は位置から、変狐と変狸は化狐、化狸の意味とすれば、
成りの夜叉と鳩槃は、イメージだったとみられる。
しかし、表題のように馬麟、水牛、行鳥、飛龍、猫叉、
踊鹿の成りが、それぞれ、奔王、奔獏、奔鬼、龍王、龍馬、
方行である理由は、飛龍の龍王は別として、少なくとも自
明では無い。大大将棋のデザイナーは、何を考えて、この
ような、元駒成駒の対応付けをしたのだろうか。以上を、
今回の論題とする。
最初に回答から書く。
奔王、奔獏、奔鬼、龍王、龍馬、方行という成りの系列が
先にあって、この元駒の馬麟、水牛、行鳥、飛龍、猫叉、
踊鹿は、これに合わせて後で考えた。前者は単なる序数詞
の代わりに過ぎない。
後者は、陰陽道の思想に従い、12支の方角で、五芒星を
象っている。
すなわち、方位の馬(午)からだいたい144°づつ、
反時計回りにまわして、馬牛鶏龍と対応させ、その後、
36禽の副動物である、恐らく猪の代わりの猫、馬の代わ
りの鹿とした上で、修飾詞等の、麟、水、行、飛、叉、踊
をつけて駒名にし、序数詞の代わりの前記の成りにした。
では、以下に説明を加える。
馬麟、水牛、行鳥、・・これらの大大将棋駒の、元駒の名
称の付け方も、
陰陽道や五行説、風水と言った系統の、占いから来たもの
だろう。大大将棋のゲームデザイナーも、中世の人間らし
く、陰陽道に傾倒していたに違いない。
まず最下段の袖へ向かって3列目を、左右左右へ見て行
くと、奔王、奔獏、奔鬼、龍王、龍馬、方行、走車、飛車
の8つの種類の駒は、走り駒を、強さの順番で、左右に分
けて2枚づつではなくて、1枚だけづつ、互い違いに置い
たものである事は一目だ。
この8つの走り駒のうち、成り駒名には最初の6種だけ
使用している。飛車が龍王に成る等は、この将棋種では、
採用されて居無い。そこで、奔王から始まる系列は、1番、
2番・・という、順序数詞の代わりとも取れる。
そこで、たまたまだったろうが、妙見菩薩でも、デザイ
ナーは信仰していたのだろうか。仏の全面に配置される、
十二支の馬から始めて、馬で最初に馬麟を作ったようだ。
次に、反時計回りに正確ではないが、方角でだいたい
1回転の2/5公転づつ、角度で144°回った所の動物
を、馬、牛、鶏、龍、猪、馬と対応させたようだ。恐らく
この種の占いに、そのようなシステムのものが、有るのだ
ろう。図に描いて線で結ぶと、五芒星型になるので、その
形を、デザイナーは考えたのかもしれない。
ただし、豚将等、猪駒を嗔猪とは別に考えるのは、めん
どうだったのか、あるいは36禽の対応で、亥に猪のほか
に、副動物として猫が来るバージョンが、摩訶止観とは
別の文献に有るのか。猫は翌日着たので、猪の後のその所
なのか、私には良く判らないが。猪と最後の馬は、恐らく
36禽の副動物である猫と鹿に変えたようだ。ちなみに、
私が調べた限りでは、36禽で猫は、猿か鼠の類になって
いる。真ん中を取って犬猪付近にしたとも思えないのだが。
だから、猪の所には入らないはずだが。
この点は不明として、今後の解明を待つ
として、その結果次の段階で、
馬、牛、鶏、龍、猫、鹿
という、元駒系列の固有詞が出来たと見られる。その中で、
龍と猫は、飛龍と猫叉が、元々あったので、それを使った
のだろう。その結果、大大将棋では
飛龍の成りが龍王、猫叉の成りが龍馬になった
とみられる。猫叉が斜め歩みだったし、飛龍、龍王に、ど
ちらも龍が入っていたので、大大将棋のゲームデザイナー
は、順序数詞の4番目と5番目の対応には、満足したに違
いない。
そして、残りの馬、牛、鶏、鹿を、試行錯誤で、修飾詞
として、麟、水、行、踊を考えた上で、それらの動物駒名
に付け、
馬麟、水牛、行鳥、踊鹿にたまたま、した
とみられる。これらは、順番で1、2、3、6なので、
成りがそれぞれ奔王、奔獏、奔鬼、方行になったのだろう。
なお、元々は元駒が弱く、成ると大きく強くなるように
動かし方ルールは、作られていたはずだ。
行鳥は、大局将棋や、水無瀬兼成の将棋纂図部類抄の泰将
棋の行鳥が正しく、後のは作り物。
水牛も天竺大将棋から強くなっただけで、もともとは、
将棋纂図部類抄の泰将棋や大大将棋のように弱いのが正調。
以上のようだったのであろう。
猫が猪類にしたで合っているかどうか、多少気になるが。
大大将棋に特徴的な成りのパターンも、以上の事から
陰陽道や風水等、中近世の占い信仰から来ているように、
私には思える。(2019/02/23)
前旗は位置から、変狐と変狸は化狐、化狸の意味とすれば、
成りの夜叉と鳩槃は、イメージだったとみられる。
しかし、表題のように馬麟、水牛、行鳥、飛龍、猫叉、
踊鹿の成りが、それぞれ、奔王、奔獏、奔鬼、龍王、龍馬、
方行である理由は、飛龍の龍王は別として、少なくとも自
明では無い。大大将棋のデザイナーは、何を考えて、この
ような、元駒成駒の対応付けをしたのだろうか。以上を、
今回の論題とする。
最初に回答から書く。
奔王、奔獏、奔鬼、龍王、龍馬、方行という成りの系列が
先にあって、この元駒の馬麟、水牛、行鳥、飛龍、猫叉、
踊鹿は、これに合わせて後で考えた。前者は単なる序数詞
の代わりに過ぎない。
後者は、陰陽道の思想に従い、12支の方角で、五芒星を
象っている。
すなわち、方位の馬(午)からだいたい144°づつ、
反時計回りにまわして、馬牛鶏龍と対応させ、その後、
36禽の副動物である、恐らく猪の代わりの猫、馬の代わ
りの鹿とした上で、修飾詞等の、麟、水、行、飛、叉、踊
をつけて駒名にし、序数詞の代わりの前記の成りにした。
では、以下に説明を加える。
馬麟、水牛、行鳥、・・これらの大大将棋駒の、元駒の名
称の付け方も、
陰陽道や五行説、風水と言った系統の、占いから来たもの
だろう。大大将棋のゲームデザイナーも、中世の人間らし
く、陰陽道に傾倒していたに違いない。
まず最下段の袖へ向かって3列目を、左右左右へ見て行
くと、奔王、奔獏、奔鬼、龍王、龍馬、方行、走車、飛車
の8つの種類の駒は、走り駒を、強さの順番で、左右に分
けて2枚づつではなくて、1枚だけづつ、互い違いに置い
たものである事は一目だ。
この8つの走り駒のうち、成り駒名には最初の6種だけ
使用している。飛車が龍王に成る等は、この将棋種では、
採用されて居無い。そこで、奔王から始まる系列は、1番、
2番・・という、順序数詞の代わりとも取れる。
そこで、たまたまだったろうが、妙見菩薩でも、デザイ
ナーは信仰していたのだろうか。仏の全面に配置される、
十二支の馬から始めて、馬で最初に馬麟を作ったようだ。
次に、反時計回りに正確ではないが、方角でだいたい
1回転の2/5公転づつ、角度で144°回った所の動物
を、馬、牛、鶏、龍、猪、馬と対応させたようだ。恐らく
この種の占いに、そのようなシステムのものが、有るのだ
ろう。図に描いて線で結ぶと、五芒星型になるので、その
形を、デザイナーは考えたのかもしれない。
ただし、豚将等、猪駒を嗔猪とは別に考えるのは、めん
どうだったのか、あるいは36禽の対応で、亥に猪のほか
に、副動物として猫が来るバージョンが、摩訶止観とは
別の文献に有るのか。猫は翌日着たので、猪の後のその所
なのか、私には良く判らないが。猪と最後の馬は、恐らく
36禽の副動物である猫と鹿に変えたようだ。ちなみに、
私が調べた限りでは、36禽で猫は、猿か鼠の類になって
いる。真ん中を取って犬猪付近にしたとも思えないのだが。
だから、猪の所には入らないはずだが。
この点は不明として、今後の解明を待つ
として、その結果次の段階で、
馬、牛、鶏、龍、猫、鹿
という、元駒系列の固有詞が出来たと見られる。その中で、
龍と猫は、飛龍と猫叉が、元々あったので、それを使った
のだろう。その結果、大大将棋では
飛龍の成りが龍王、猫叉の成りが龍馬になった
とみられる。猫叉が斜め歩みだったし、飛龍、龍王に、ど
ちらも龍が入っていたので、大大将棋のゲームデザイナー
は、順序数詞の4番目と5番目の対応には、満足したに違
いない。
そして、残りの馬、牛、鶏、鹿を、試行錯誤で、修飾詞
として、麟、水、行、踊を考えた上で、それらの動物駒名
に付け、
馬麟、水牛、行鳥、踊鹿にたまたま、した
とみられる。これらは、順番で1、2、3、6なので、
成りがそれぞれ奔王、奔獏、奔鬼、方行になったのだろう。
なお、元々は元駒が弱く、成ると大きく強くなるように
動かし方ルールは、作られていたはずだ。
行鳥は、大局将棋や、水無瀬兼成の将棋纂図部類抄の泰将
棋の行鳥が正しく、後のは作り物。
水牛も天竺大将棋から強くなっただけで、もともとは、
将棋纂図部類抄の泰将棋や大大将棋のように弱いのが正調。
以上のようだったのであろう。
猫が猪類にしたで合っているかどうか、多少気になるが。
大大将棋に特徴的な成りのパターンも、以上の事から
陰陽道や風水等、中近世の占い信仰から来ているように、
私には思える。(2019/02/23)
金剛力士。”3目踊るが1目2目は踊らず”のルール作成者等(長さん)
安土桃山時代の、水無瀬兼成の将棋纂図部類抄の、行然和尚
まとめ部と、摩訶大大将棋口伝に、表題の内容が書いてある。
今回はこのルールの作成者は、将棋のヘビーゲーマーとは考
えにくく、ボードゲームに、広く浅い博学知識を持つ人間の
指示で、中世に始まったもので、ルールとして現時点で問題
がある
との旨について述べる。
将棋天国社の世界の将棋の時代には、大将棋の猛牛・飛龍
から始まる、それより上位の将棋で発生する、ある方向に2
升目以上の、複数升目動くととれる駒の、動かし方ルールは、
幾らでもは行けない、上限数に制限の有る走り
とみなされた時代があった。上限数までは、任意の歩数で走
れるという内容を、これは含有している。
その後、大阪電気通信大学の高見友幸氏の功績が大きかっ
たが、
中抜きにその升目数、跳び越えて、任意に途中の相手駒が取
れる動き
であると、だんだん判ってきた。いわゆる
”踊る”という動きの正体に関する議論
だ。
本ブログでは、この大阪電気通信大学高見友幸氏の解釈が
水無瀬兼成の将棋纂図部類抄の行然まとめ部、摩訶大大将棋
口伝に関して、狛犬、猛牛、金剛、力士等について正しい
とみる。
が、このルールが、いわゆる大将棋系のゲームの熟達者が
作ったものであるかどうかに関しては、
大いに疑問
であると思っている。
疑問なのは、踊りの全体的解釈についてではなく、表題の
ように、将棋纂図部類抄内の、踊りルールの作者の聞き伝え
と見られる、
金剛力士。”3目踊るが1目2目は踊らず”の、
1目2目は踊らずという後半の部分についてが、
将棋ゲームとして、余り良くない
と私は見るのである。ただし繰り返すが、
表現がおかしいのではなくて、”1目2目も踊”った方が良
いのではないか
という意味である。
理由は、現行の大阪電気通信大学ルールでは、仮にだが、
夜叉や鳩槃を大大将棋の5踊りにして、1~4目は、将棋纂
図部類抄流に”踊らず”にすると、強力になるのではなくて、
ひどい筋違い駒になる
からである。つまり、45°別方向の2升目踊りの存在で、
ある程度は、より小刻みな動きがあるので、多少は改善され
るのだが、まっしぐらに、5踊りで相手陣に切り込んだとき
に、到達できる升目が、夜叉・鳩槃の大大将棋踊りでは限定
されるという意味である。
特に、5の倍数でしか踊れないので、盤升目を変えたり、
初期配列の夜叉・鳩槃の位置を変えると、摩訶大大将棋では
最奥の段に到達できるが、大大将棋ではできないといった
問題
が出て来る。
小型の将棋なら、玉位置は中盤の初期から移動できるが、
摩訶大大将棋のように、玉回りに守り駒の多い将棋では、
中盤も終わりに差し掛からないと、玉将の移動は、あまり
起こらないのが普通とみられる。
踊り駒が、中抜き型だと、筋違いの升目に移動した場合の
玉に、相手のこれらの踊り駒が当たる確率がゼロになる
ので、玉位置の少しの違いで、トン死筋が出来たり出来な
くなったり、
ゲームの攻守バランスが、微細なルール変動に対して
不安定性を示す
ようになってしまうのである。それが問題になった他の例は、
中国シャンチーから、朝鮮チャンギに転換したときだと、
私は予想する。
象駒を、朝鮮チャンギで1升目行ってから、2升目限定走り
止まりにしたのは、相手陣へ象駒が入れるようにしたら、
漢・楚の位置で、象に当たったり、当たらなかったりして、
ゲームの調子が狂ってしまったから
だと思われるのである。
また摩訶大大将棋のような大型将棋が、厳密に復刻できる
のであれば問題がないのかもしれないが。以上の問題は、
誰がどうあがいても、残って居無い記録は復元しようがない
というときに、摩訶大大将棋が、僅かな駒の配置のルールの
間違いで、攻守バランスが不安定化する原因になってしまう
だろう。
既存の知られたルールの範囲内の史料で、かろうじてバラ
ンスを保っていた、復刻将棋が、ルールに間違いありと見ら
れて更新された結果、
踊り駒の筋違い問題で、相手玉に対する、該踊り駒を攻め込
んだ時の当たりが変わって、バランスが大きく崩れ、復刻に
失敗したのでは、もともこもない
ように見るというのが、このルールの最も懸念される点だ。
そもそも、踊りは現行のように”5目踊る。そのうち1~
4目は踊らず”にしたとしても、”5目踊る。そのうち1~
4目も狛犬のごとくに踊るなり”にしたとしても、他の駒の
ルールを調整するなどして、バランスを取り直せばよいだけ
なのであり、どちらでも、本来出来る作業のはずである。
後者の方が、これからじょじょに、該大型将棋を流行らそう
というのなら、出来るのならばその方が良い
ように私は思う。
そもそも、この将棋纂図部類抄記載の中抜き踊りは、駒の
個別強弱調整を目的にしたものなのではあろうが。この将棋
を指す、充分に差し込んだゲーマーが提案したものだとは、
上記のように、筋違い問題が大きく、私には思えない。
狛犬との差にこだわったと言うのなら、成りを金将ではな
く大象にして、更に大象の駒の動かし方ルールを、きちんと
強くして、金剛や力士と、差を付ければよかっただけのはず
だ。そもそも、この踊る数が限定されて、1からその下の数
の、踊りの出来ないルールは、
サイコロで出た目きっちりに駒を動かす、盤双六が好きな
ご隠居さん型タイプの、ボードゲームに、広く浅い博学知識
を持つ人間の指示で始まったルール
のようにも思える。しかし、将棋は盤双六と違い、
あるサイコロ目で、着手の評価関数が大きく動くルールでは
なくて、王手が出来るかどうかで、評価関数が大きく動く
ゲームである事を、前記ご隠居さんは、うっかり忘れていた
のだろう。そのため筋違い動きの問題に、大きな関心が、た
ぶん行かなかったのだろう。しかし、それを継承する者とし
ては、問題点をそのままに残すと、ゲームが完全壊滅・滅亡
する、直接原因にも、なりかねないように思う。
従って、このケースに限っては、
復刻版の将棋では、中抜き踊りにしておくが、ゲームが自立
して進化、継続する”若い世代の物”になってきたという時
点で、少なくともルールをどうするかは、若い世代自身に任
すという姿勢が大切
なように、私は考えるのである。恐らく若い世代は、私より
も更に、ゲームのゲーム性能にこだわって、するかどうかを
選択するはずだと、私は予想するからだ。(2019/02/22)
まとめ部と、摩訶大大将棋口伝に、表題の内容が書いてある。
今回はこのルールの作成者は、将棋のヘビーゲーマーとは考
えにくく、ボードゲームに、広く浅い博学知識を持つ人間の
指示で、中世に始まったもので、ルールとして現時点で問題
がある
との旨について述べる。
将棋天国社の世界の将棋の時代には、大将棋の猛牛・飛龍
から始まる、それより上位の将棋で発生する、ある方向に2
升目以上の、複数升目動くととれる駒の、動かし方ルールは、
幾らでもは行けない、上限数に制限の有る走り
とみなされた時代があった。上限数までは、任意の歩数で走
れるという内容を、これは含有している。
その後、大阪電気通信大学の高見友幸氏の功績が大きかっ
たが、
中抜きにその升目数、跳び越えて、任意に途中の相手駒が取
れる動き
であると、だんだん判ってきた。いわゆる
”踊る”という動きの正体に関する議論
だ。
本ブログでは、この大阪電気通信大学高見友幸氏の解釈が
水無瀬兼成の将棋纂図部類抄の行然まとめ部、摩訶大大将棋
口伝に関して、狛犬、猛牛、金剛、力士等について正しい
とみる。
が、このルールが、いわゆる大将棋系のゲームの熟達者が
作ったものであるかどうかに関しては、
大いに疑問
であると思っている。
疑問なのは、踊りの全体的解釈についてではなく、表題の
ように、将棋纂図部類抄内の、踊りルールの作者の聞き伝え
と見られる、
金剛力士。”3目踊るが1目2目は踊らず”の、
1目2目は踊らずという後半の部分についてが、
将棋ゲームとして、余り良くない
と私は見るのである。ただし繰り返すが、
表現がおかしいのではなくて、”1目2目も踊”った方が良
いのではないか
という意味である。
理由は、現行の大阪電気通信大学ルールでは、仮にだが、
夜叉や鳩槃を大大将棋の5踊りにして、1~4目は、将棋纂
図部類抄流に”踊らず”にすると、強力になるのではなくて、
ひどい筋違い駒になる
からである。つまり、45°別方向の2升目踊りの存在で、
ある程度は、より小刻みな動きがあるので、多少は改善され
るのだが、まっしぐらに、5踊りで相手陣に切り込んだとき
に、到達できる升目が、夜叉・鳩槃の大大将棋踊りでは限定
されるという意味である。
特に、5の倍数でしか踊れないので、盤升目を変えたり、
初期配列の夜叉・鳩槃の位置を変えると、摩訶大大将棋では
最奥の段に到達できるが、大大将棋ではできないといった
問題
が出て来る。
小型の将棋なら、玉位置は中盤の初期から移動できるが、
摩訶大大将棋のように、玉回りに守り駒の多い将棋では、
中盤も終わりに差し掛からないと、玉将の移動は、あまり
起こらないのが普通とみられる。
踊り駒が、中抜き型だと、筋違いの升目に移動した場合の
玉に、相手のこれらの踊り駒が当たる確率がゼロになる
ので、玉位置の少しの違いで、トン死筋が出来たり出来な
くなったり、
ゲームの攻守バランスが、微細なルール変動に対して
不安定性を示す
ようになってしまうのである。それが問題になった他の例は、
中国シャンチーから、朝鮮チャンギに転換したときだと、
私は予想する。
象駒を、朝鮮チャンギで1升目行ってから、2升目限定走り
止まりにしたのは、相手陣へ象駒が入れるようにしたら、
漢・楚の位置で、象に当たったり、当たらなかったりして、
ゲームの調子が狂ってしまったから
だと思われるのである。
また摩訶大大将棋のような大型将棋が、厳密に復刻できる
のであれば問題がないのかもしれないが。以上の問題は、
誰がどうあがいても、残って居無い記録は復元しようがない
というときに、摩訶大大将棋が、僅かな駒の配置のルールの
間違いで、攻守バランスが不安定化する原因になってしまう
だろう。
既存の知られたルールの範囲内の史料で、かろうじてバラ
ンスを保っていた、復刻将棋が、ルールに間違いありと見ら
れて更新された結果、
踊り駒の筋違い問題で、相手玉に対する、該踊り駒を攻め込
んだ時の当たりが変わって、バランスが大きく崩れ、復刻に
失敗したのでは、もともこもない
ように見るというのが、このルールの最も懸念される点だ。
そもそも、踊りは現行のように”5目踊る。そのうち1~
4目は踊らず”にしたとしても、”5目踊る。そのうち1~
4目も狛犬のごとくに踊るなり”にしたとしても、他の駒の
ルールを調整するなどして、バランスを取り直せばよいだけ
なのであり、どちらでも、本来出来る作業のはずである。
後者の方が、これからじょじょに、該大型将棋を流行らそう
というのなら、出来るのならばその方が良い
ように私は思う。
そもそも、この将棋纂図部類抄記載の中抜き踊りは、駒の
個別強弱調整を目的にしたものなのではあろうが。この将棋
を指す、充分に差し込んだゲーマーが提案したものだとは、
上記のように、筋違い問題が大きく、私には思えない。
狛犬との差にこだわったと言うのなら、成りを金将ではな
く大象にして、更に大象の駒の動かし方ルールを、きちんと
強くして、金剛や力士と、差を付ければよかっただけのはず
だ。そもそも、この踊る数が限定されて、1からその下の数
の、踊りの出来ないルールは、
サイコロで出た目きっちりに駒を動かす、盤双六が好きな
ご隠居さん型タイプの、ボードゲームに、広く浅い博学知識
を持つ人間の指示で始まったルール
のようにも思える。しかし、将棋は盤双六と違い、
あるサイコロ目で、着手の評価関数が大きく動くルールでは
なくて、王手が出来るかどうかで、評価関数が大きく動く
ゲームである事を、前記ご隠居さんは、うっかり忘れていた
のだろう。そのため筋違い動きの問題に、大きな関心が、た
ぶん行かなかったのだろう。しかし、それを継承する者とし
ては、問題点をそのままに残すと、ゲームが完全壊滅・滅亡
する、直接原因にも、なりかねないように思う。
従って、このケースに限っては、
復刻版の将棋では、中抜き踊りにしておくが、ゲームが自立
して進化、継続する”若い世代の物”になってきたという時
点で、少なくともルールをどうするかは、若い世代自身に任
すという姿勢が大切
なように、私は考えるのである。恐らく若い世代は、私より
も更に、ゲームのゲーム性能にこだわって、するかどうかを
選択するはずだと、私は予想するからだ。(2019/02/22)
将棋史はモンゴル帝国の来襲時の史実を解明するのに役立つ(長さん)
通俗書で比較的昔の物だけだが、鎌倉時代にモンゴル帝国が
日本の九州に来襲したとき、
見たこともない鉄砲という兵器に日本の守備隊は翻弄された
といった事が記載されている。なお鉄砲の実体については、
火薬を使った火砲の一種で、包みが紙から鉄に改良されもの
である点は、前に本ブログでも述べた。
実の所、この記載は
間違いである
と、私は考えている。
日本人は、朝鮮半島にモンゴル軍が攻めてきた頃から、
砲を使う事自体は知っていた
と見る。
鉄包みに改善され、機動力も増しているのに驚いただけ
であろうと見ると言う事である。答えを先に書いてしまうと、
普通唱導集の大将棋の唱導唄を、将棋史流で解析しているの
で、シャンチーとチャンギの砲は、日本の将棋士が蒙古来襲
の恐らくその少し前に知っていた
と考えられるからである。
では、以下に説明しよう。西暦1300年頃成立したこの
史料に、仲人と嗔猪が腹を合わせて、桂馬を上げると陣は支
えられると記載されているのであるから、相手陣には角行が
有るのであり、よって竪行も有るから、横行は端筋方面に、
平安大将棋から移動していなければならない。つまり、龍王、
龍馬が有る可能性が高く、少なくとも釈迦の太子に成る酔象
が、普通唱導集時代の大将棋の中央に、入っているのは確実
だ。つまり象駒を、中国か朝鮮半島の、包や砲の有る外国の
ゲームを見て、大将棋に入れたと結論されるのである。
またそもそも、仲人と嗔猪が腹を合わせるという戦法は、
朝鮮チャンギの卒同士の守りの手として良く出てくるし、桂
馬を上げて、仲人に紐をつけるのは、中国シャンチーで、卒
に馬の紐をつけるのと、類似の戦法である。つまり、普通唱
導集時代の大将棋の棋士は、しばしば戦法を、外国のゲーム
の戦法から、借りてきているという事で、それも、外国のゲー
ムを知っていないと出来ない。よって、モンゴル来襲時の頃
に、少なくとも大将棋のゲームデザイナーや、棋士は、シャ
ンチーかチャンギか、恐らく両方とも知っていると見られる。
だから、モンゴル帝国の来襲の頃に、
日本人が、火砲自体を全く知らないという論は成り立たない。
なお、大将棋に砲を入れなかったのは、調整しても、攻撃
側過多になって、ゲームが作れない事が判ったからのはずで
ある。この点については、だいぶん前に本ブログで、
天竺大将棋に跳越え将駒が有り、砲駒を日本人が使いこなせ
ないわけがないので、鎌倉時代の大将棋に、砲が無いのは、
砲が日本人には異形で、理解出来ないと言うのが、原因では
無い旨を述べた記憶が有る。
恐らく、中国古代・中世の戦法を、全く知らなかったら、
日本は来襲のときに、モンゴル帝国に勝てていたかどうか謎
だと私は思う。大掛かりな架台に、火薬の入った紙の塊を
セットして、城砦等に投げ込むトレビュシェットを使う中国
の戦法位は、北条時宗等も知っていたはずだ。
通常の歴史の本は、通俗書ばかりで、専門書や、論文を読
んだ事が私には余り無いのではっきりしないが。”てつはう”
に関して、どの程度の事前知識が、日本の将クラスの人間に
有ったのか、論じたものは簡単には見つからない。史料が無
いと考えられている疑いが、あると思う。
しかし、本ブログに言わせると、合戦と関連の大きい将棋
ゲームに、その情報が隠れて居無いわけが無いと思う。
普通唱導集の大将棋の唱導唄は、少なくともヒントなのでは
ないか。
以上の事から判るように、単なる遊びの歴史の研究に留ま
らず、遊戯史の研究は、他の歴史分野の研究と、いろいろな
所で、繋がっていると知るべきなのであろう。(2019/02/21)
日本の九州に来襲したとき、
見たこともない鉄砲という兵器に日本の守備隊は翻弄された
といった事が記載されている。なお鉄砲の実体については、
火薬を使った火砲の一種で、包みが紙から鉄に改良されもの
である点は、前に本ブログでも述べた。
実の所、この記載は
間違いである
と、私は考えている。
日本人は、朝鮮半島にモンゴル軍が攻めてきた頃から、
砲を使う事自体は知っていた
と見る。
鉄包みに改善され、機動力も増しているのに驚いただけ
であろうと見ると言う事である。答えを先に書いてしまうと、
普通唱導集の大将棋の唱導唄を、将棋史流で解析しているの
で、シャンチーとチャンギの砲は、日本の将棋士が蒙古来襲
の恐らくその少し前に知っていた
と考えられるからである。
では、以下に説明しよう。西暦1300年頃成立したこの
史料に、仲人と嗔猪が腹を合わせて、桂馬を上げると陣は支
えられると記載されているのであるから、相手陣には角行が
有るのであり、よって竪行も有るから、横行は端筋方面に、
平安大将棋から移動していなければならない。つまり、龍王、
龍馬が有る可能性が高く、少なくとも釈迦の太子に成る酔象
が、普通唱導集時代の大将棋の中央に、入っているのは確実
だ。つまり象駒を、中国か朝鮮半島の、包や砲の有る外国の
ゲームを見て、大将棋に入れたと結論されるのである。
またそもそも、仲人と嗔猪が腹を合わせるという戦法は、
朝鮮チャンギの卒同士の守りの手として良く出てくるし、桂
馬を上げて、仲人に紐をつけるのは、中国シャンチーで、卒
に馬の紐をつけるのと、類似の戦法である。つまり、普通唱
導集時代の大将棋の棋士は、しばしば戦法を、外国のゲーム
の戦法から、借りてきているという事で、それも、外国のゲー
ムを知っていないと出来ない。よって、モンゴル来襲時の頃
に、少なくとも大将棋のゲームデザイナーや、棋士は、シャ
ンチーかチャンギか、恐らく両方とも知っていると見られる。
だから、モンゴル帝国の来襲の頃に、
日本人が、火砲自体を全く知らないという論は成り立たない。
なお、大将棋に砲を入れなかったのは、調整しても、攻撃
側過多になって、ゲームが作れない事が判ったからのはずで
ある。この点については、だいぶん前に本ブログで、
天竺大将棋に跳越え将駒が有り、砲駒を日本人が使いこなせ
ないわけがないので、鎌倉時代の大将棋に、砲が無いのは、
砲が日本人には異形で、理解出来ないと言うのが、原因では
無い旨を述べた記憶が有る。
恐らく、中国古代・中世の戦法を、全く知らなかったら、
日本は来襲のときに、モンゴル帝国に勝てていたかどうか謎
だと私は思う。大掛かりな架台に、火薬の入った紙の塊を
セットして、城砦等に投げ込むトレビュシェットを使う中国
の戦法位は、北条時宗等も知っていたはずだ。
通常の歴史の本は、通俗書ばかりで、専門書や、論文を読
んだ事が私には余り無いのではっきりしないが。”てつはう”
に関して、どの程度の事前知識が、日本の将クラスの人間に
有ったのか、論じたものは簡単には見つからない。史料が無
いと考えられている疑いが、あると思う。
しかし、本ブログに言わせると、合戦と関連の大きい将棋
ゲームに、その情報が隠れて居無いわけが無いと思う。
普通唱導集の大将棋の唱導唄は、少なくともヒントなのでは
ないか。
以上の事から判るように、単なる遊びの歴史の研究に留ま
らず、遊戯史の研究は、他の歴史分野の研究と、いろいろな
所で、繋がっていると知るべきなのであろう。(2019/02/21)
室町時代末16C初厩馬図。囲碁盤・双六盤有って囲碁は蓮座(長さん)
以前に本ブログでも、狩野派初期、室町時代から戦国
時代にかけての、西暦1500年頃の作である、表題
の厩(馬)図の将棋盤について、言及した事があった。
将棋史では、将棋駒が書いておらずゲームのバージュ
ンがはっきりしないが9×9升目である事が、将棋盤
の升目の形が鮮明であって、良く判る。その他、増川
宏一氏が、対局している僧侶の手つきから、駒を持っ
ているのではないかと推定し、西暦1500年頃に、
持ち駒ルール発生かと述べたとか、将棋盤の足の形に
ついて、言及した事がある。幾つかの成書に絵画が図
版で載っていて、将棋盤の足は、逆L字型である事は、
自明であるように、本ブログでは見ている。
最近まで知らなかったが、厩図には双六盤が将棋盤
の左の横の方に、囲碁盤が、右側の屏風に書いてある
という事実を、遅ればせながら私も知った。こんかい
は、その結果、
囲碁盤については、線の数が正確では無い事と、足は
驚いたことに、この絵でも蓮座型になっていて、将棋
とは違う事が判った
と言う説明を以下する。
さっそくだが、囲碁盤は、以下のようなものである。
まず、盤上の路の数が、こちらも鮮明だ。列が19路
である事は直ぐ判るが、段数の方は左側の人物の、袖
に隠れてはっきりしない。しかし、数えてみると、
段が22段程度ありそう
だ。隠れている部分も入れると、25路程度になり、
絵師が、将棋盤と異なり、囲碁の路数は正確に書かな
かったと推定される。体裁から、段を多めに書いたの
であろう。なお奥の方に、碁石が書いてあるようにも
私には見えるが、はっきり断定できない。
次に、足の形が重要だが、将棋盤の逆L型と違い、
明らかに蓮座型に近いように見える。
囲碁・将棋盤には、少なくとも戦国時代には、蓮座型
のものが有った事を示すのであろう。
将棋盤と異なる理由であるが、
将棋の伝来が中国、特に華北部の当時の都に在住する
商人からの取得物であるという記憶が、その500年
後のだいたい西暦1500年時点で、薄く残っている
事を示唆している
ようにも見えた。華南の、禅宗寺から近い地域の人間
が、持ってきたものではないので、その時点の囲碁よ
りも、中国の禅宗仏教からは遠いという情報が、将棋
盤には含まれているように、淡くだが、見え無くも無
いという事かもしれない。
ちなみに、厩図にも盤双六の盤も描いてあった。こ
ちらは、箱型の普通の盤で、升目が20升目程度描か
れていて、こちらも指している人物の左腕に隠れてい
て、4~5升目程度、向こう側に有る感じの絵である。
双六盤の絵は囲碁盤と異なり、将棋盤程度にリアルだ。
従って結論としては、少なくとも足に関しては、
厩図の将棋盤と囲碁盤とでは、形が合っていなかった
という事になる。
遊戯史では、増川宏一氏の尽力で、厩図の将棋盤は、
厩図の囲碁盤や双六盤よりも、著名なように思う。し
かし、今回述べた状況が、どうやら客観的には、正し
いらしい。すなわち、厩図には囲碁盤の絵も有り、
厩図の囲碁盤とされるものには、蓮座型の足がある。
そして、はっきりとした理由は、私には今の所、結局
の所は良く判らない。
何故なら同時代で、逆L型足の囲碁盤の絵も有ると、
個人的には、認識しているからである。(2019/02/20)
時代にかけての、西暦1500年頃の作である、表題
の厩(馬)図の将棋盤について、言及した事があった。
将棋史では、将棋駒が書いておらずゲームのバージュ
ンがはっきりしないが9×9升目である事が、将棋盤
の升目の形が鮮明であって、良く判る。その他、増川
宏一氏が、対局している僧侶の手つきから、駒を持っ
ているのではないかと推定し、西暦1500年頃に、
持ち駒ルール発生かと述べたとか、将棋盤の足の形に
ついて、言及した事がある。幾つかの成書に絵画が図
版で載っていて、将棋盤の足は、逆L字型である事は、
自明であるように、本ブログでは見ている。
最近まで知らなかったが、厩図には双六盤が将棋盤
の左の横の方に、囲碁盤が、右側の屏風に書いてある
という事実を、遅ればせながら私も知った。こんかい
は、その結果、
囲碁盤については、線の数が正確では無い事と、足は
驚いたことに、この絵でも蓮座型になっていて、将棋
とは違う事が判った
と言う説明を以下する。
さっそくだが、囲碁盤は、以下のようなものである。
まず、盤上の路の数が、こちらも鮮明だ。列が19路
である事は直ぐ判るが、段数の方は左側の人物の、袖
に隠れてはっきりしない。しかし、数えてみると、
段が22段程度ありそう
だ。隠れている部分も入れると、25路程度になり、
絵師が、将棋盤と異なり、囲碁の路数は正確に書かな
かったと推定される。体裁から、段を多めに書いたの
であろう。なお奥の方に、碁石が書いてあるようにも
私には見えるが、はっきり断定できない。
次に、足の形が重要だが、将棋盤の逆L型と違い、
明らかに蓮座型に近いように見える。
囲碁・将棋盤には、少なくとも戦国時代には、蓮座型
のものが有った事を示すのであろう。
将棋盤と異なる理由であるが、
将棋の伝来が中国、特に華北部の当時の都に在住する
商人からの取得物であるという記憶が、その500年
後のだいたい西暦1500年時点で、薄く残っている
事を示唆している
ようにも見えた。華南の、禅宗寺から近い地域の人間
が、持ってきたものではないので、その時点の囲碁よ
りも、中国の禅宗仏教からは遠いという情報が、将棋
盤には含まれているように、淡くだが、見え無くも無
いという事かもしれない。
ちなみに、厩図にも盤双六の盤も描いてあった。こ
ちらは、箱型の普通の盤で、升目が20升目程度描か
れていて、こちらも指している人物の左腕に隠れてい
て、4~5升目程度、向こう側に有る感じの絵である。
双六盤の絵は囲碁盤と異なり、将棋盤程度にリアルだ。
従って結論としては、少なくとも足に関しては、
厩図の将棋盤と囲碁盤とでは、形が合っていなかった
という事になる。
遊戯史では、増川宏一氏の尽力で、厩図の将棋盤は、
厩図の囲碁盤や双六盤よりも、著名なように思う。し
かし、今回述べた状況が、どうやら客観的には、正し
いらしい。すなわち、厩図には囲碁盤の絵も有り、
厩図の囲碁盤とされるものには、蓮座型の足がある。
そして、はっきりとした理由は、私には今の所、結局
の所は良く判らない。
何故なら同時代で、逆L型足の囲碁盤の絵も有ると、
個人的には、認識しているからである。(2019/02/20)
27升目1年の日数駒数型将棋のチェック結果(長さん)
前に述べた、27升目366枚制の1年の日数駒数
将棋を、1局テスト指しして、ゲーム性能をチェック
してみた。
結果を先に書くと、
この将棋が、攻撃力過多だというのは、取り越し苦労
だった。木将の成りを、中将にするアイディアと、
玉将の成りを考える、
追加のアイディアだけ、不要で無駄
だった。
玉将や太子は成らなくても良く、普通の大局将棋の
ように、木将は大局将棋の白象に成るルールを選択す
るだけで充分だった。
後で小細工した、私的な工夫を抜くと、問題のない
良いゲームになっている
と見られた。
では、以上の結論について、説明を加える。
この将棋は、木将が成るまでは、調子よく進んだ、
以下に、木将が中将に成ってしまった局面を示す。
本来なら、じわじわ両方の陣が崩されつつある状態で、
よい感じで進んだのだが、
横への大跳び越え駒を、大将のほかにもう一種類作っ
て調整したつもりが、これがマズかった。
いっきに、後手の陣が崩れて、次の図のように、瞬く
間に先手により後手玉、太子を寄せる局面になり、簡
単に終わってしまった。
なお、寄せの時点で、後手の玉将や太子が、先手の
攻め駒を取る余裕は無かった。
従って、”玉将が成ると城玉に成る”というルールは、
作ってもこの将棋では、ほぼ無駄
だとみられた。
普通に基本は摩訶大大将棋、足りない部分を大局
将棋という駒の動かし方ルールで、27升目化すると、
全体としては、この将棋に入れた366枚の駒の、構
成で、攻守のバランスは取れていたようであった。
踊り駒で4踊りを1種、残りを全部3踊り以下にし
たし、制限無く跳び越える大鷲や大鷹、自在王につい
て、跳び越えた時には、空き升目にしか行けないので、
守られた相手駒を、なかなか取れないようにしたので、
極端な攻撃力の増加は、防げた
ようだ。
だから、この将棋は成りについては、以下の、大局
将棋までで、普通に出てくるパターンで充分だったよ
うだ。
27×27升目将棋成り配列(中央より右側。11段目以降
”口”のみ。)
口口口口口口口口口口奔人口口口口口口口口口口口口口口口口
金将金将金将金将金将金将金将金将金将金将金将金将金将金将
奔鷲大旗鳩槃不成不成金将強車金将金将金将車兵水牛天王金将
不成不成不成不成口口不成口口不成口口不成口口不成口口鉄車
不成不成不成口口大鷲口口大鷹口口飛鷲口口角鷹口口金将不成
大象不成口口四天口口四天口口四天口口四天口口象王口口不成
獅鷹獅奔奔狼口口龍王口口飛牛口口飛鹿口口奔猪口口蝙蝠砲車
太子奔虎奔豹奔龍口口山母口口奔蛇口口仙鶴口口奔猫口口前牛
不成前旗教法口口方行口口奔鬼口口奔王口口鳩盤口口鳩盤金将
不成右軍奔金奔銀奔銅奔鉄奔瓦奔石奔土大将白象副将金将金将
大将、副将型の制限のない踊りだけが、飛びぬけて破
壊力が強かったのであり、特に大将の、”縦横跳越え
全て取り、空いた升目で着地”のルールの駒を、倍の
数に増やすのは、そこだけが、特にマズかったようだっ
た。(2019/02/19)
将棋を、1局テスト指しして、ゲーム性能をチェック
してみた。
結果を先に書くと、
この将棋が、攻撃力過多だというのは、取り越し苦労
だった。木将の成りを、中将にするアイディアと、
玉将の成りを考える、
追加のアイディアだけ、不要で無駄
だった。
玉将や太子は成らなくても良く、普通の大局将棋の
ように、木将は大局将棋の白象に成るルールを選択す
るだけで充分だった。
後で小細工した、私的な工夫を抜くと、問題のない
良いゲームになっている
と見られた。
では、以上の結論について、説明を加える。
この将棋は、木将が成るまでは、調子よく進んだ、
以下に、木将が中将に成ってしまった局面を示す。
本来なら、じわじわ両方の陣が崩されつつある状態で、
よい感じで進んだのだが、
横への大跳び越え駒を、大将のほかにもう一種類作っ
て調整したつもりが、これがマズかった。
いっきに、後手の陣が崩れて、次の図のように、瞬く
間に先手により後手玉、太子を寄せる局面になり、簡
単に終わってしまった。
なお、寄せの時点で、後手の玉将や太子が、先手の
攻め駒を取る余裕は無かった。
従って、”玉将が成ると城玉に成る”というルールは、
作ってもこの将棋では、ほぼ無駄
だとみられた。
普通に基本は摩訶大大将棋、足りない部分を大局
将棋という駒の動かし方ルールで、27升目化すると、
全体としては、この将棋に入れた366枚の駒の、構
成で、攻守のバランスは取れていたようであった。
踊り駒で4踊りを1種、残りを全部3踊り以下にし
たし、制限無く跳び越える大鷲や大鷹、自在王につい
て、跳び越えた時には、空き升目にしか行けないので、
守られた相手駒を、なかなか取れないようにしたので、
極端な攻撃力の増加は、防げた
ようだ。
だから、この将棋は成りについては、以下の、大局
将棋までで、普通に出てくるパターンで充分だったよ
うだ。
27×27升目将棋成り配列(中央より右側。11段目以降
”口”のみ。)
口口口口口口口口口口奔人口口口口口口口口口口口口口口口口
金将金将金将金将金将金将金将金将金将金将金将金将金将金将
奔鷲大旗鳩槃不成不成金将強車金将金将金将車兵水牛天王金将
不成不成不成不成口口不成口口不成口口不成口口不成口口鉄車
不成不成不成口口大鷲口口大鷹口口飛鷲口口角鷹口口金将不成
大象不成口口四天口口四天口口四天口口四天口口象王口口不成
獅鷹獅奔奔狼口口龍王口口飛牛口口飛鹿口口奔猪口口蝙蝠砲車
太子奔虎奔豹奔龍口口山母口口奔蛇口口仙鶴口口奔猫口口前牛
不成前旗教法口口方行口口奔鬼口口奔王口口鳩盤口口鳩盤金将
不成右軍奔金奔銀奔銅奔鉄奔瓦奔石奔土大将白象副将金将金将
大将、副将型の制限のない踊りだけが、飛びぬけて破
壊力が強かったのであり、特に大将の、”縦横跳越え
全て取り、空いた升目で着地”のルールの駒を、倍の
数に増やすのは、そこだけが、特にマズかったようだっ
た。(2019/02/19)