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洛中洛外図舟木本碁盤屋の黒碁石ケースは日本碁盤の元?(長さん)

国立博物館に、洛中洛外図(舟木本)という、屏風図が
あると聞く。調べてみると、左隻第1扇の上の方の右隅
に、マル8という碁盤屋が書いてあって、双六盤と囲碁
盤、碁笥と黒白の碁石が描かれている。江戸時代初期の
成立の絵画との事で、囲碁盤は、蓮座型の普通の囲碁盤
の足が描かれ、路は9路程度にデフォルメされている。
 問題は、下の図で、右の方の囲碁盤や双六盤ではなく
て、左の碁石の陳列ケースのデザインだ。

洛中洛外図.gif

黒碁石が、円形に近いショーケースに幾つか乗っている
ような絵が描いてあるのだが、このシューケースには、
赤い印を、私がつけたように、少なくとも2本

蓮座の足と、ひよっとすると囲碁の線のようなものも書
いてある

ようにも見えるのだ。私見だが、

丸であって四角くない

囲碁盤の上に、黒碁石を集めて、ほぼ隙間無く並べている
ようにも見える。

これはいったい、何なんだろうか。

ちなみに、その右に白碁石を載せたケースも見えるが、
お盆の上に置いているようにも見えるし、黒碁石のショー
ケースと繋がっているようにも見えるし、よく判らない。
が、こちらには、足と升目線は明らかに無い。だから、

黒碁石を載せた、ショーケースのようなものだけ問題

だと思う。
 問題のショーケースの足は、右の方に書いてある囲碁盤
のように、黒碁石陳列ケースでは蓮座なのは、間違いない
ように見えるが、黒碁石陳列ケースの盤線は、右の方だけ、
薄く見えるような、見えないようなで、

私には、はっきりしない。

なお上図は私の腕のせいだが、実物はもっと鮮明である。
 黒碁石の並べ方が、あたかも下の縦横線に合わせている
かのようで、ランダムに置いただけにしては、ラインが、
揃いすぎているようにも、私には一応見える。
 結局幾ら見ても私には、この陳列台が何なのかは謎だが、
囲碁の縦横線が引いてあり、その点で、全体の形が四角柱
ではなくて、円筒形であるという、囲碁盤類似の物体だと
仮にすれば、

仏像のような、底面の円に近い物体を置く台を、囲碁盤に
転用したようなものがモデルの、陳列台

だったのかもしれないとも私には思えた。ひょっとして、

絵師が、日本型、蓮座脚の囲碁盤が、仏像の台座の転用で
ある事を知っていて、カッコ付けにこのように絵を書いた

のだろうか。
 平安末期から鎌倉時代の初期にかけて、寺で戒律違反だ
と言われるので、こっそり囲碁を指すとき、仏像を置いた
台座を使い、仏像をどかさないと、囲碁盤だと判らないよ
うにしておいてから、御偉方が居無いときに、下っ端の
坊主たちが”囲棋”をしたのが、今使っている典型的な
日本の将棋盤の原型だと言うような事も、ひょっとすると、
有り得るのかもしれない。なお、この屏風図には、他にも
僧侶の戒律違反を書いた箇所(18禁)があると、成書等
で紹介されている。そのような点を合わせて、絵師が僧侶
に対して、あまり尊敬の念を抱いていないとの印象から、

僧侶の戒律違反に関する、情報の収集に興味が有って

このような絵を、実際にもショーケースを見かけたのだろ
うが、たまたま描いた。今回この屏風図を見てからは、私
は上記のように、この絵を疑うようになったのである。
(2019/03/09)

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