SSブログ

普通唱導集大将棋の猛牛猛虎は火位置で無く水木隙間(長さん)

前に、普通唱導集大将棋で、五行の木に嗔猪が、火に
猛牛と猛虎の中間の艮が、土に飛龍が対応するという
説明を、木火土金水の五行の何を対応させるのかは、
あくまで一例だとして、したが、

陰陽五行説では、対応付けはいい加減なものではなく
て、きちんと決まっている

のを、易学の、乾兌離震巽坎艮坤と、五行の対応が
書いてある本を見て、ようやく私も気がついた。私は、
易学の基本が、なっていないようだ。
 そこで結論から書くと、猛牛猛虎は火位置で無く
水木の隙間、嗔猪と飛龍は、木と土の位置ではなくて、
それぞれ金水の隙間と、木火の隙間の、

不安定な部分を固めるための、動物神を意味

しているようだ。
 では、以上で結論を書いたので、説明を加える。
 わかり易く解説がでている成書に、前にも紹介した
事が有ると思うが、次の図書が有る。
 新潮選書(西暦1982年)”暦と占いの科学”
永田久著。
 それによると、そもそも易学の乾兌離震巽坎艮坤の
艮は土だが、八卦も季節を分ける記号であり、

本質的に五行の季節対応については、木が春、火が夏、
土が夏の土用、金が秋、水が冬で、立春に当たる位置
が艮なので、同じく本来季節に関係する易学の、乾兌
離震巽坎艮坤の艮である鬼門は、元々は水と木の隙間

のはずだった所という事のようである。なお、上記の
”本来”とは、8つの八卦へ5つの五行を当てはめよ
うとした無理から、

前漢の薫仲舒は隙間としたが、後漢の班固が土対応と
して整備した結果が、易の乾兌離震巽坎艮坤の五行対
応に関して影響した結果、鬼門を生んだ

との解説が有る。つまり陰陽五行道による暦学解釈で、

一年の終わりの半端を、季節円表示を方位表示に、な
ぞらえ変えする事によって、飛び地のある土で対応さ
せた結果が、鬼門という方向を発生させた

という事らしい。水と土、土と木が両方相剋であった
ために、”土の所は、縁起が悪い”という訳である。
 以下では最後に述べた、陰陽道の後漢バージョンで
は無くて、より素朴な、前漢バージョンで、普通唱導
集大将棋2段動物駒による、鬼門等の守りの理屈を、
説明してみる。
 五行の理解で大切な事は、時刻、季節、方位に全て
五行を対応づけしたが、パターンが類似なので、時計
文字盤、大マゼラン雲方向から見た地球の公転円、
方位磁石の盤の意匠を、関連付けて、むしろまぜこぜ
に考えると良いと言う点である。
 つまり方位の鬼門は、

後漢バージョンでは土(班固)だが、前漢バージョン
では水と木との境(薫仲舒)

という事である。
 そこで今度は、地球の公転円をこれにダブらせると、
艮は冒頭で述べた薫仲舒の冬を意味する水と、春を意
味する木の、真ん中の旧暦の年末の位置で、方位磁石
に話を戻すと、方角では北東に対応させているという
事である。ちなみに方位の五行では、水は、北北北東
より、すこし北よりに中心があり(薫仲舒)、木は、
東東北東より、すこし東に中心が来る(同)。厳密に
は32方位ではなくて、40方位にすると、正確に中
心位置を表現できるらしい。方位角表記では、北から
時計回りに、水が角度の9°、木が角度の81°にな
り、真北と真東から、すこし内側に入っていると言え
る。
 そして、
嗔猪は、水の中心より更に反時計回りに角度で36°
回った、北北西と西北北西の中間辺りにある、北から
方位角で27°西方向の、金と水の間の境目が弱いた
めに、ほぼその位置を守る守り神の動物として必要、
飛龍は、木の中心より更に順時計回りに角度で36°
回った、東南東と南東南東の中間辺りにある、東から
方位角で27°南方向の、木と火の間の境目が弱いた
めに、ほぼその位置を守る守り神の動物として必要、
というのが、陰陽道流の、駒種としして必要な理由と
いう事になるらしい。つまり、前に本ブログで述べた
ように、

 嗔猪から牛虎が、牛虎から飛龍が、生まれるわけで
は無さそう

だ。
 ただし、前に述べたが、嗔猪は境目方位より西北北
西に近い方向に角度で3°、居場所がヅレているし、
飛龍も境目方位より南東南東に近い方向に角度で3°、
居場所はズレている。その3°は、許容誤差が7.5°
有るので、無視できるという事である。ところで、
3°の誤差は、嗔猪の位置が方位角で、北から西へ
30°で27°より3°大きく、飛龍の位置が方位角
で、東から30°で27°より3°大きいためだが、
これは、磁石よりも時計盤で考えた方が、32等では
無くて、12分割な為に、ずっとよく判る。
 そこで、 今度は地球の、大マゼラン雲から観測し
た公転円図と、時計の文字盤とを、重ね合わせてイメー
ジしよう。時間の五行を、問題にするときには、今の
時計が1日に時針2回転なのが問題になる。が、以下
の議論は、地球軌道で季節を説明する話を中心にして、
話がごちゃごちゃするのを、回避する。
 つまり、大体だが、ちょうど今のグレゴリオ暦の月
が、時計の文字盤を、月数に直すと、干支の順番-1
(ただし鼠だけ、更に12をプラスする)の干支の、
動物対応に近くなるようだ。つまり嗔猪は、文字盤に
位置をなぞらえると11時(トキ)の位置。鬼門の艮
は、1時(トキ)半の時針位置。飛龍は地球軌道位置
を、時計文字盤になぞらえると、ちょうど4時(トキ)
の針の位置である。だから嗔猪と飛龍は、北から西へ
30°と、東から南に30°で良いのだ。季節の月数
に話を置き換えても、嗔猪がグレゴリオ暦の11月、
艮が1月と2月の境に近い2月の節分の頃、飛龍が、
グレゴリオ暦の4月の、陰陽道流のグレゴリオ月名で
ある。ちなみに猛牛がグレゴリオ暦の1月、猛虎が、
グレゴリオ暦の2月の中央位置である。
 1月の終わりから2月の頭に、立春なので、当然東
アジアの、太陰太陽暦、旧暦の正月がそのとき来る。
漢王朝からだと聞いているが、昔はほぼ、猛虎の寅か
ら1年が始まる、太陰太陽暦が東アジアでは使われて
いた。ので、時計の文字盤になぞらえると、文字盤が、
時計回りに1時間分回転してしまい、月遅れで最上段
が、11時の文字盤時計になってしまっていた。だか
ら丑正月に近い今の方が、時計文字盤も、大マゼラン
雲から地球を見た地球公転軌道の図も、全部方位磁石
の盤意匠に近似していて、むしろ判り易くなっている。
 そして、時計の文字盤の11時と4時の間の角度は
150°だから、円周の2/5の144°より、3の
2倍の6°だけ大きすぎると言う事で、上に述べた話
に矛盾がない事が判る。
 実際には、艮が真冬で、嗔猪が秋深しで、飛龍が、
だいぶん春めく季節なのだが、太陽の動きよりも、季
節の進みが、熱の蓄積の関係で遅れるので、そうなっ
ているだけである。つまり天象の上では、嗔猪がやや
冬に入った天象、両方猛の牛虎の艮が旧正月。飛龍が
立夏より、少し前の春天象という事になる。4つの四
季を、5つの五行に分けると、当然四季の境目とは、
かみ合わない。ので後漢の時代に問題になって、易学
の五行対応が、新たに発生したのだ。
 以上の事から、それぞれ五行対応で、金と水の中間、
水と木の中間、木と火の中間に有るので”嗔猪、
猛牛と猛虎、飛龍で、方位についての、境界領域の
3箇所の、五行大将の守りの弱い箇所の、守り神になっ
ている”という、前漢型陰陽道流の意味づけで、
大将棋に駒が有る理由の説明は、それで良いという事
に、なるという訳だろう。
 なお、残りの火土と土金の隙間を、どうしたのかは、
私には良く判らない。ひょっとしてゲームデザイナー
は、それぞれ角度で9°ズレているものの、馬の一種
である麒麟と、鶏の一種(?)である鳳凰を、その守
りの任務に、当たらせるつもりだったのかもしれない。
(2019/03/19)

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー