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尊経閣文庫蔵2巻物色葉字類抄の”き”雑物に駒名羅列(長さん)

八木書店が2000年に発行した、加賀前田藩の
文庫、尊経閣文庫の色葉字類抄のコピー現代本、
尊経閣善本影印集成19色葉字類抄ニ(二巻本)
前田育徳会尊経閣文庫編(2000)の

408ページ第一行目の内容

が今回の、報告内容の全てである。
前に紹介した巻上の上の奥書の後に書いてあった、

・大将基馬名と・小将碁馬名の話とは別の話

なので、その点に注意してほしい。
 今回報告するのは、巻下の下の

本文中の内容そのもの

である。
 最初に内容をずばり書こう。”き”の○雑物に、

・行・黄久里・玉将・金°将・飛車・銀将(左下
に小さく)金・竪行・香車(右下に小さく)金今
・白駒

と書いてある。ここで、”き”の○雑物のセクショ
ンは終わり、次からは○光彩のセクションに入る。
”き”で付く漢字を集めた章の

途中に、この内容が記載されている

という事である。少なくとも、この発見をも誘導す
るように、注意はしてくれたのだが。従来の、
摩訶大将棋のブログで、大阪電気通信大学の

高見友幸氏が流布している話とは、矛盾する別の話

である。今度の話は、”飛車が金に成る”のでは
なくて、香車の成りが崩した金か、はたまた白駒な
のかが、悩ましい所だ。つまり、大将棋と小将棋だ
けでなく、特定の古文書一冊だけのようだが、

中将棋が、色葉字類抄2巻物には書いてある

と言う事である。
 この古文書は、元々将棋のルール本では無くて、
たとえば、”き”で始まる漢字の姿を墨書で書いて、
書き方を教えるという主旨の、漢字の辞典の古文書
である。そうなのだが、
玉将や金将は確かに、”ぎ”や”き”だから良いと
して、

飛車と竪行と白駒は、将棋の駒だが、”き”で始ま
る字ではない

と、少なくとも私は思っていた。つまり、

将棋のルールが、辞書の内容そのものに挟み込まれ
ている

という事である。
 なお、この古文書によると、”と”にも記載され
ている飛車は、”とぶくるま”と現代感覚に、より
近く読むそうだ。脱線したが、冒頭述べた記載によ
り、いっけんして、

中将棋が西暦1140年代に存在したと解釈できる

内容である事が判る。

たとえば白駒は、中将棋の駒として特徴的

だからだ。
 ただし、尊経閣善本影印集成19色葉字類抄ニ
(二巻本)前田育徳会尊経閣文庫編、八木書店
発行(西暦2000年)の解説部には”この本で、
色葉字類抄の3巻本に無い字が出てきて特に、各セ
クションの末尾な場合には、書写したときに追加
されたと考えられたし”との旨が、記載されている。
 そこで、国会図書館の電子図書で、webで自由
に見る事のできる、3巻本の類かとみられる
色葉字類抄:尊経閣叢刊丙寅本の”き”の雑物を
見てみると、黄久里で終わっていて、ついで○光彩
のセクションに入るので、

・玉将以下の内容は、書いて無い。

 つまり、問題の成書の解説に従う限り、

中将棋の出現は、かなり早かったが、西暦1140
年代とは限らなかった

という事になろう。奇しくも前田藩ゆかりの金沢か
ら、不成り龍馬を、桂馬と読み間違いしている、鎌
倉時代の大将棋らしい駒の出土例が有るように、
出土駒のカテゴリーを入れれば、駒数多数将棋の出
現は、一般には、かなり早そうではある。が、駒の
構成が判るという意味で、中身のある文献では、
中将棋に関しても、これまでは、水無瀬兼成の
1590年将棋纂図部類抄が、詳しいものとしては
比較的古い例だ。これも、高見友幸氏の言う、
後期大将棋の文献の話と一緒で、固有名詞を中将棋
に入れ替えて、

中将棋の文献として、将棋纂図部類抄よりは古い例

という事に、なるのだろう。
 最後に、優先順位が、以上の衝撃的内容に比べて
下位と私は見て、上で説明を飛ばしたが、

・金°将の”°”を説明

する。将という字の”ノツ”の部分の右上に○印が
有って、

金将についてだけ、”将の字が、今ひとつ”と、
1565書写事業の監督と疑われる雪竹老人先生が、
書写した弟子を怒って付けたような、小さな
”バカチンマーク”の赤丸の印のように見えるもの
を、冒頭で”°”と私が表現

してあるという意味である。字を良く見ると、雪竹
老人は、旧字体の将の夕で、もう一つゝが入る部分
のノが、今ひとつ短すぎると思っているようだと、
見て取れる。
 以上で、事実関係の説明を終わり、考察は次回以
降とする。
 本日は書き込みが、西暦2019年4月1日に、
たまたま、なってしまった。そのため、事実の報告
と、主張し辛い日に当たってしまった。私は早稲田
大学の、高田早苗記念図書館に、上記の内容等を確
認しようとして、先だって、門前払いを喰らった。
なお高田早苗という人物の、社会全体に対してした
貢献は、webを調べても良く判らないが、ようす
るに後に、早稲田大学の関係者しか、使用できない
図書館が設立されているらしい。
 それはさておき。
 興味ある方で、エイプリルフールに歴史の愛好家
の私が漏らした、以上の色葉字類抄に関する内容の
真偽をもし確かめられたければ、各自適切に、職場
での役職や、将棋界での所持タイトルを示すなりし
て、自己の権威を主張して図書を入手し、上記図書、
尊経閣善本影印集成19色葉字類抄ニ(二巻本)
前田育徳会尊経閣文庫編、八木書店(2000)
の408ページを、実際に開いて、ごらんになられ
ると、よろしかろうと考える。(2019/04/01)

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