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興福寺酔像木簡(1058)。”酔象酔像”では(長さん)

さいきん、集成鎌倉の墨書を見るのに少し慣れて
きたので、字が散乱している、将棋史料関連の
習字木簡の類を、一応見直してみた。
 スケッチが100%正しい訳ではないという点
を認識するようになると、元写真で確かめる癖が
付く結果、

興福寺出土で著名な、西暦1058年成立酔像
木簡の2字目に、にんべんが付いて居無いように、
本ブログの管理人には見えてきた

という点につき、以下報告する。
 従来、この木簡には複数の歩兵や、少なくとも
1つ金将と書いてあるだけでなく、

”酔像酔像”の文字がある

とされた。以前は、持駒使用の謎の

スケッチで、確かにそうだと私は確認したつもり

でいた。しかし最近、考古学報告書類を見慣れて
くると、正しくスケッチするのは、字がごちゃご
ちゃに、重ね書きされている習字木簡については、

極めて困難であり、報告書によってばらつきも出
来るのが、現実の姿という点に、私も気がついた。

 写真があれば、余り良いものとは限らなくても、
それも見るべきだというのが、私には常識と感じ
られるようになってきたという意味である。
 そこで、この件についても、せめて、”解明:
将棋伝来の「謎」”の又転載の写真で、スケッチ
が写真に対応しているかどうか、再度チェックす
る事にした。その結果、

”酔像酔像”の第2字目の”にんべん”が、解明:
将棋伝来の謎の写真では、明確に写って居無い

のに、遅ればせながら気がついた。
 以上の報告が、大切な点だが、以下に説明を続
ける。
 スケッチは実際に、誰が作成したのかは、私に
は判らないが、将棋史研究家で、中国伝来説で著
名な、清水康ニ氏著の”木簡研究16”の図の
転載が、持駒使用の謎のスケッチ図と、その成書
ではされている。
 そこで、木村義徳氏本の転載物のスケッチを見
ると、2字目の”ニンベン”と象の間に、かなり
大きな隙間があり、その点でも謎が有るようだ。
 そこで戻って、画像を公平に見ると、
醉口
口象
酔口
像口
と並んでいるようであり、2字目の象は右に寄っ
ており、ニンベンが有ると、考えたくなるような
配列ではあるようだ。しかし松岡本に、2字め象
の”にんべん”が有るように、どうしても私には
見えない。
 このケースは、少なくとも本ブログでは、
中国シャンチーの馬とニンベンの罵、車とニンベ
ンの荷車のパターンで、象を像と書いたのかもし
れないと主張して来たので、酔像酔像ではなくて、
酔象酔像等と書いてあった方が、正直ありがたい。
 少なくとも、松岡信行氏の”解明将棋伝来の謎”
本で、最初の酔像の像のニンベンが、写真の
コピーからは、私が個人的に確認できない点を、
良く覚えて置こうとは思う。
 なお、この木簡の裏側の右側は、写真を見ると

”まともな(改行)こた得”とカナで書いてある

ようにも、私には見えるようになった。曖昧なた
め、確かに主観で、いろいろに読める事が有るの
だろう。(2019/06/17)

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