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新安沖沈没船出土将棋盤(?)ゲームは或種の将棋(長さん)

西暦1323年当時に有ったとみられるゲームに
つき、以下推理する論題である。新安沖沈没船か
ら、平安小将棋系の将棋駒と、碁の駒が引き上げ
られており、たぶん19路の囲碁盤と9升目の、
普通の将棋盤が、存在したが、消失したと考える
のが、自然なように私には思える。すなわち、

これらに加えて論題の、発掘された15升目状の
”将棋盤(?)”は、第3のゲーム用

であったと考えられよう。つまり、9升目の将棋
盤と19路の囲碁盤と、15升目の”盤”が、
日本人の船員が、新安沖沈没船の中で西暦132
3年に、暇つぶしの遊戯をするために、少なくと
も3種類搭載されていたという事であろう。
 19路囲碁盤、9升目将棋盤、15升目(?)
将棋盤(?)は、模様が類似であり、後者は囲碁
の類か将棋の類の遊戯盤の可能性が高いと、私は
思う。何れにしても19路の囲碁盤があるのに、
4目の石を黒が予め、第6路の交点位置に置いて、
16路で指す囲碁を、普通の囲碁とは別に、出土
した碁石を使って指すのは、盤を2枚積まなけれ
ばならないという点で、不自然だと思う。類似の
ゲームを、わざわざしなければならない言われは、
狭い船内では、ほぼ無いだろう。従って、

15升目盤は、将棋駒を使った、平安小将棋とも
また、別のゲームだった可能性の方が高い

と思われる。
 囲碁系のゲームで、予め黒側が4つの聖目に石
を置くハンデ戦のため以外に、聖目に明確な効果
の有る、囲碁型ゲームは、少なくとも私には考え
にくかったので、そのように推定しなおしてみた。
 では将棋類だとして、自陣の目印に聖目を使っ
たと考え、大将棋を指したとは、否定はしないが
断定もできないと、私は思う。他の2面について
は、等間隔聖目なのは9升目将棋盤だけであって、
19路の囲碁盤は、9個の聖目が、普通に付いた
ものだったに違いないからである。つまり、3種
類の遊戯盤の”共通性”について考えてみると、
ありきたりの囲碁盤には、盤面等9区画という性
質は、当然無いので、

西暦1323年の時点で、大将棋は自陣と中間段
が、ぴたりと5段で同じであるべきだという、感
覚が、新安沖沈没船のゲーマーの間で有ったとい
う必然性は、生まれ、にくかろう

という意味である。

聖目が5段に付いていたのは、たまたまそのゲー
ムをするには、そうすべきだったから

では、やはり無いのだろうか。
 以上の認識を前提とした上で今回は、

既に出土した、将棋駒を2種類により分けるとい
うやり方で、15升目盤を使ったゲームを推定

する事にする。どんなゲームだったのか、回答を
先に書いて、以下補足説明する事にする。
 回答を書く。
中央の5段5列に、小型両面楷書金将駒を置き、
片面歩兵駒を打ち駒をするという点を特徴とする、
歩兵で金25枚の陣を攻撃し、25升目内で、
相手の金より味方の歩兵の数が、多くなったら勝
ちという、

一種の将棋ゲームをしていたとも考えられる。

では以下に説明を加える。
 既に本ブログで述べた通り、将棋盤(?)と共
出土した将棋駒は、盤升の目が細かく、はみ出し
て使えないものであった。しかしながら、

以下の写真の2個の出土駒は、小型なので例外

である。

新安沖小駒.gif

 そこで、上記の2つの駒と、残りの10枚前後
の出土駒は、使用する盤が違う、別ゲーム用だと
仮定してみる。更に以下が大切な点だがこの駒は、

左側が不成りの歩兵として、正しく使用される駒。
右側が両面共に金将として、正しく使用される駒。

と仮定する。更には、

不成り歩兵は50枚、両面金は25枚存在したが、
前者は49枚、後者は24枚が消失した

と考える。
 そうした上で、下の写真のように、金を25枚
15升目4聖目盤の、聖目を挟んで中央に初期配
列して、

大将棋とは無関係な将棋ゲーム用に使用した

とここでは考えてみる。

新安遊戯盤ゲーム.gif

上記のゲームは、先手側が不成り歩兵を打ち込み、
普通の歩兵として動かすルールで、相手の金を払
い、中央部に、味方の歩兵の表記された駒を、

相手の金将の数より多く進出させたら味方の勝ち

とするゲームだと考えると、聖目の存在意味から
みて、つじつまが合う。なお、味方の打ち駒の歩
兵は、50枚と相手金将の2倍有り、駒の強さが
著しく劣る点を、数でカバーていると考える。
また、日本将棋には2歩の禁手が有るが、このゲー
ムでは、一列に可能な限り、先手は幾つでも歩兵
を打てるとする。
 ただしまた、相手の金将の動かし方は、普通の
金将のルールと同じとする。
 普通の将棋とルールが違うのは、どの歩兵も、
使用したときに、無地の面へ”成る”事ができる
という点である。ここで”裏返して、無地の面を
上にした歩兵”は、次の手番以降で、他の手を指
す時に、無地の歩兵が複数有れば、幾つでも一度
に取り除いて、再び打ち駒として2回目以降の利
用が、出来る点が普通の将棋と違うところである。
なお、何か別の手は必ず指さなければならないが、
取り除きと着手の順序は、必ず前者を先にする。す
なわち、先手歩兵打ち側が、自分の手番で合法手
を指すときに、任意に、自由な数だけ、無地の面
を上にした、”使用済みの歩兵”を、持ち駒(打
ち駒)に戻して、又使って良いとする。
 なお、言い忘れたが、この将棋ゲームでは、相
手から入手した、先手側金と、後手側が取った、
先手の歩兵は、後手の金将持ち側は再使用しない。

打てる駒は、先手側が元々所有する、裏が無地の
歩兵だけとする

のである。
 実際ざっとチェックした限り、このゲームは、
ゲームとして成立している。深みは無いので、
航海での、暇つぶし程度だとみられるが。
 少なくとも以上のような一種の将棋ゲームは、
新安沖沈没船の将棋類と見られる出土品の形状と、
露骨に矛盾していない。
 今後新しい知見が、韓国側からもたらされるか、
別の遺跡から、後期大将棋の遺物が、鎌倉末のも
のとして出土すると、以上の議論はひっくり変え
るが。つまりは少なくとも現時点で、鎌倉末期の
ゲーマーが”大将棋の盤は、自陣段と中間段の段
数が、ぴたりと等しく3等分割型になければなら
ないと、こだわっていた”という論の根拠は、普
通の19路盤を使うと見られる囲碁用の碁石が、
なまじ共出土してしまうと、むしろ薄まってしま
い、はっきりとは言えなくなって、しまうのでは
ないかと、私には疑われるという事である。特に、
このケースに限っては、盤の升目の粗さが、将棋、
問題の将棋盤、囲碁盤の順に、規則的に細かくなっ
ているという点で特徴があり、その感を一層強く
させる。(2019/07/06)

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